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憧れの職業(不登校児の親やってました。)

価値観というのは、本当にひとそれぞれ。

親の価値観と子供の価値観も別ものです。

息子が不登校のまま中学を卒業し、それでもなんとか進学しようと定時制高校に入るも、入学式しか出席せずそのまま退学し、フリースクールへ入ってみるも、なんもしない人として365日自宅警備に勤しむ日々だった頃のエピソードを聞いてください。

全国のニートの推定人数がニュース番組で取り上げられていたのを家族で見ていた時のことです。息子がニートの推定人数に含まれているのかいないのかが話題になりました。

だいたいの定義ですが、ニートとは就学も労働もしておらず、家事を担っているわけでもない若者のことだそうです。

息子はてっきり自分はニートだと思っていたようです。ニュースに取り上げられて、まんざら嫌でもないような顔をしていました。さすが真正不登校児、さすが尊師。かなり思考回路がおかしいです。

まんざらでもない息子にキレ気味で「いやいや、通信制高校にお金払ってあるから、君は学生。推定人数には入れてもらってないよ。ニートになろうと思っても簡単になれるもんじゃないんだよ。」と教えてあげました。キレ気味で。

そのあと、息子がスカイプでゲーム仲間に「オレ、まだニートなれてないらしい・・・。」と言ってるのが聞こえた時には、まあ、本当に価値観の違いを感じましたね。お見事すぎて笑ってしまいましたが。

実際にニートとしていつまでも生きられるのならば、ニートは最上位、カーストのてっぺんですよね。有名企業で働くようなエリートや高給取りになったとしても責任と所得税がかかることを考えると、ニートの優位性はすごい。「楽して生きる」ことに価値を置くならば、ニートは光り輝く憧れの職業、憧れの地位ですよね。

こんな息子にしちゃったけれど、うちにはお金がないことが幸いでした。

カーストのてっぺんで輝くニートの座は、うちの経済状態では手の届かないシロモノなのですから。




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