真正と仮性の不登校(不登校児の親やってました。)
不登校には、真正と仮性があるんじゃないかと思っています。うちには真正の不登校児と仮性の不登校児がいました。
今までのエピソードは第一子の長男のことなんですが、第二子の長女、つまり妹も兄を真似るように不登校になりまして。二人とも中学生だったんで、まあ、中学っていちばんあれこれあって、いちばんメンタル的にもきつくて、だれでも中学では嫌なことのひとつやふたつ・・いえいえ100個くらいは嫌なことありましたよね。なので人並みに嫌なことがあっただけだと思うんですが、なにせ兄が不登校を許されちゃってるもんだから、妹のほうは心の堤防が簡単に決壊してしまいまして、ダブル不登校の時期がありました。
しかし、この二人、同じようで違ったんです。
兄が悠々と不登校daysを満喫するのとは反対に、妹は不登校の日々に耐えられなくなったのです。
学校を休んでいる手前、外で友達と顔を合わせにくい。しかし、家は退屈。遊びに行きたい、お出かけしたい。身の置き場がない。こんなことで自分はこの先どうするんだ。自分の人生どうなっちゃうんだ。いろいろ悩んだようです。しかし一度不登校をキメちゃうと、元に戻るのも気まずい。
そういうわけで、妹の方は高校進学を待って、仕切り直しをしました。学校生活にブランクがあって大変そうでしたが、二度と不登校になることはありませんでした。
兄のほうは4年間ほど自宅に引きこもります。引きこもってる間にこんな質問をしてみたことがありました。
「何年くらい生きたい?」
すると彼はこう答えました。「生きられるんなら千年でも生きたい」
千年?
千年?こりゃめでたい
いや、めでたいなんてもんじゃ・・・💦
これを聞いた時に私は焦りました。いかん、息子は真正不登校児じゃ。ホンモノじゃ。これはいかん。なんにも悩んどらんじゃないか!!!
その千年の間、だれが世話をしてくれるのだろう。誰に住処を与えてもらって、誰にご飯を食べさせてもらって、誰に守ってもらうんだろう。そういう自分の身のことを一切考えていないというか、誰かの世話になっていることは空気?空気のように当たり前?なの??おーーーーい・・・
息子にとても大事なことを教えられないまま、ここまで来てしまったんだとわかり、愕然としました。
引きこもった間に髪は伸び、もともと痩せていたせいもあり修行僧のような風貌に。衣服はユニクロのスエットを着まわす日々。なんだろう、これ。ガンジー?いや、ガンジーに失礼だ。尊師?尊師ならピンとくるかな。
まあそんな感じで、いつのまにか私は息子のために王国を築き上げてしまっていたのです。幸運なことに、うちの尊師は「ポアしろ」とは言わない尊師で、ただただ電気を無駄使いする尊師で、よく言う「自宅警備員」状態だったので空き巣に入られなくていいかもと笑いのネタにできる範囲のことで済んだのでいたのですが。
ただ、一度尊師ポジションのうま味を知ってしまった人が、どうやったら人に寄生せずに生きられるようになるのか。そう考える日々が続きました。
次は「尊師ポジ」から解脱していく過程を書きますね。
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