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ビジネスとデザインを融合するデザイン浸透の道しるべ

こんにちは。root CEOの西村(@nishimuu)です。

私たちrootは、「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をビジョンに、事業と組織の成長を共に実現するデザインパートナーです。
私たちは、クライアント支援の立場から、1つでも多くの企業がデザイン実践に取り組めるよう、プロダクト開発やデザイン実践のノウハウを提供し共創しながら、事業の組成と自走できるデザイン組織の体制構築を支援しています。
そして、持続的な事業の成長にデザインが活かされる組織づくりに伴走することで、各社のデザイン浸透度を高めていくことを目指しています。

組織内でのデザインの影響力を高め、事業の成長を推進する立場としてデザイン組織を牽引したい。そう思いながら事業活動を支えるデザイナー。しかし組織の拡大と共に想像していた景色とは異なる障壁や課題を抱え、思うような成果をあげられずに苦しむ方も多いのではないでしょうか。


デザインの重要性を謳うムーブメントから、実践と成果を求められる現在

これまで数多くのクライアントである事業会社にて、デザイン推進の活動に関わらせていただきました。当然ながらすべてのご支援が成功となるわけではなく、我々も苦い思いもしながらも常によりよいデザイン浸透の模索を続け組織をつくっている立場です。

今日は、組織規模は違えどデザインの実践や推進を担っているデザインリーダーの立場から、「デザインの浸透」について課題を乗り越え一つの切り口を立てていく道筋について書いてみます。

これまでデザインを推進するクライアント組織、また、自社、およびクライアント組織の採用活動を通じ数多くのデザイナー、リーダーとお会いしお話をしてきました。
今回は、その中でもスタートアップのファウンダーや大きな組織の事業責任者の方々、デザイン組織を牽引するデザイナーの方を対象にこのテーマを選んでみました。
先日リリースされた「デザイン白書2024」の中でも、企業とデザインというテーマにおいて、現時点のデザイン経営やデザイン投資の実態が記されています。

2020年の調査と比較しデザイン経営が進展したとは言えない状況
※デザイン白書2024 デザイン経営推進の課題より

そこにも記されているように、認知形成の段階を通過し、実践の段階へ移行が進んでいるのが現在です。しかしながら、その効果や評価を示すことに苦戦する組織は多く、デザイン投資を増やすことの意味が問われる場面が増えつつあるのが実態です。またその活動を推進する人材の不足や組織体制の構築に課題を持つ企業も多いのが現在の特徴ではないでしょうか。

実践知と人材が限られる業界だからこそ、外部支援の立場からあえてアプローチをする

少しでもこの課題解決を進めていくために、rootはあえて外部支援のポジションを取り、人材とナレッジの流動化を起こしながら実践知を集約する組織、支援体系の構築を進めています。
個社での実践経験から得られたノウハウや課題を組織的にナレッジとして束ね、支援する各社へ還元、デザインの活動領域を個人から組織・事業へ広げ定着を促すことで、事業や社会に対して「デザインの浸透」を図る活動を担っていくことがrootのビジョン実現でもあります。支援モデルとしても組織や事業単位でデザインの実践を担い、成長事業の数を増やすことに注力しています。

各社で生まれる課題から見えるrootのデザイン浸透の筋道

これまでの支援活動の営みからデザイン実践の障壁とそれに対する突破口としてrootの支援モデルが考える糸口は、組織やチームの形成段階にある若いステージから実行支援を行う点にあります。
組織全体に対して最初から全社的な施策を実行するのではなく、1つのプロジェクトや事業からはじめ、その活動範囲を広げていくアプローチを取っています。
その理由は、組織内においてデザインを扱う人々の期待する成果が異なる点や暗黙的な進め方が多く共通認識を持った営みに発展しずらいことにあります。

組織活動において、このギャップを埋めるため、成果に対する期待値やプロセスを揃えた活動体を形成できるかが、1つの成功体験を生み出す上でキーになるものであり、組織内でのデザイン浸透の啓蒙を行う最初の砦と捉えています。rootの支援モデルは、我々だけで成立するものではなく、クライアント組織の内部でそれを推進し牽引するリーダー(事業責任者等)が必要であり、活動をひろげる旗振り的な役割を持っていただく形を取っています。これは、組織内のデザイン浸透がデザイナーだけで推進できるものでなく、むしろデザイナーではない人々にその可能性を示し協同してもらうことが重要だからでもあります。

実務現場での活動。伴走プロジェクトを通じてrootとクライアント内推進メンバーによるデザイン実践の成功サイクルを小さく作る

だからこそ最初の取り組みはデザインを扱う人々の期待する成果を揃えることからはじめる。その1つの成功体験が、次の活動の渦を生み出します。

デザイン経営の推進の難しさはそこにあります。定量的な評価基準が存在せず定性的かつ現場での実感を伴う活動を評価できず、経営からのトップダウンの意思決定や方針だけでは、組織内部でその活動が波及せずデザイナーのみが推進者となり結果がでないというケースも多々あります。
rootでは、長年様々な組織の支援を行ってきた過程で、組織の形成段階にある新規事業やスタートアップの成長過程に最も可能性を見出しています。
プロダクト開発の現場やマーケティング活動の現場からデザインプロセスを推進する流れを形成し、小さな成功体験を作り広げていく。この営みを組織形成の初期から加えることで、事業のスケールと共に組織全体へ活動範囲を広げる。この小さな成功体験の連鎖が、クライアント組織の中で波及し内外問わずチームとなり活動を広げていくことで、組織内のデザイン活動の影響力と実行体制の拡大を実現していきます。

過去の支援実績として、1つの新規事業からはじまり、インハウスデザイナーが不在だった組織に対して、
複数の事業推進に関わるデザイン横断組織の立ち上げ・運営や、各事業へのデザイン推進を取り組む流れに発展したケーススタディも生まれており、連鎖した活動サイクルの先に組織内でのデザインの位置づけや影響度を変えられる可能性を見出しています。

若いフェーズの組織におけるアプローチの再現性

この営みはすでに大きな事業規模で組織体が存在す場合の変化やDXといった文脈の支援ケースですが、同様にスタートアップの立ち上がりから成長フェーズにおいても有効な手段であります。事業の立ち上がりからチームを形成しはじめるPMFやグロースステージにかけて、事業の成長スピードに追従しながら、デザインプロセスを組織内で形成していくことで、組織の規模拡大に応じたデザイン理解や当たり前の基準を引き上げていくことができると考えています。
直近の事例を2つ載せておきます。

デザイン浸透をどのように捉え、扱っていくか

ここまで現場でのボトムアップの支援体系や推進方法について触れてきましたが、rootの支援モデルの取り組みはまだ構想の初期段階にあります。

重要なのは現場の活動推進だけでなく、組織の権限や階層に合わせマネジメントのラインでデザインに対する実行計画の策定や投資範囲を立案し事業計画と連動させることにあります。

縦のラインに対してデザインのカウンターパートが立つ

rootの支援アプローチは、デザイン感度の高いクライアント内の関係者と連動しながらその活動成果や影響力を波及させる取り組みを推進し、組織内での成果があがりやすい接点機会づくりやマネジメント、経営のラインに対してデザイン戦略や計画の翻訳・接続を行うことにあります。
そのアプローチによって組織全体の推進活動をラインマネジメントに応じて牽引する構造が生まれ、デザイン組織として、この組織的な活動のサイクルに接続する役割を機能させることが、自走できるデザイン体制を構築することにつながると考えています。

現時点では、DPM(デザインプログラムマネージャー)を通じたマネジメントラインへのデザイン計画の立案やリソース配置、組織へのアセット投資の分配をコントロールするなどの支援活動を推進しています。
こうして組織の意思決定ラインや、事業活動に影響の高い範囲にもデザインチームが接続し、事業成果に寄与する活動を増やしていくことで、組織内のデザインへの期待値や評価の底上げを担っていくアプローチを取っています。

rootの支援モデルでは、現時点で1社平均3年のご支援継続をしており最も長いお取引先では5年目へ突入したものもあります。その間の支援推進では持続するほどに組織体系の形成が進み、クライアント組織の内部でデザイン体制の構築や深度が深まっていくケースも出てきています。今後内製体制での自走も含めたコア機能の内製化や、自走するデザイン組織に対して不足するデザインケイパビリティを補完し、内外で連帯した事業成長と連動したデザイン活動の推進をより加速させていきたいと考えています。

このように、rootにおける「デザイン浸透」とは、支援活動を通じ、クライアント組織におけるデザイン活動の位置づけを、個人のデザイン実践として完結するものではなく、組織単位でのデザイン理解の底上げと成果の最大化を実現し、法人としてその組織が扱うデザイン機能を組成し、事業の成長や発展に対しあるべき位置づけへ押し上げることにあります。

支援の深耕が進むにつれ、クライアント組織のデザイン投資額が増加し事業の成長にとってよい循環が生まれると共にrootの事業収益の拡大、成長も連動する形を取れることが最も事業モデルとして注力している点でもあります。

rootの支援モデルを拡張するために足りないピース

ここまでご紹介してきた、組織内でのデザイン浸透の取り組みと支援の深耕に関する取り組みをより多くの組織に再現性を持って支援体系を広げていく必要があります。

rootの組織において、現状の組織体制や保持するケイパビリティではまだまだ手の届かないもの、推進をより確実な形で実行するための力が不足しているものが数多くあります。
rootも自社組織の形成をしているフェーズであり、事業会社とは異なり支援モデルや組織体系を作ることがrootにおけるサービスづくりであり、組織がプロダクトそのものだと考え組織運営を行っています。

今期、特に注力しているのは、デザイン浸透の評価モデルを構築し各支援先のデザイン浸透のステージを評価できる体系を作ることに力を入れています。
この評価体系を運用できる体制をつくるためにも、現在進行で進む支援先の支援拡張やより上流にあたる経営や事業戦略と接続した領域からもデザインの成果を示す実績を生み出していく必要があります。

そのためには、より大きなデザイン組織の形成や運営の実践知を持った人材を迎え入れることや、root組織として支援体系を整備しマネジメント機能の強化を行うことがもっとも重要であり、不足しているものでもあります。

まとめ

企業内でのデザインの浸透活動は、まだまだ成果や結果で示すには再現性がない取り組みが多いのが現状です。
事業活動において、デザインの重要性を高め評価をできる環境をつくるには、実践知を持った人材の流動性を上げ、ナレッジの循環を起こすことがより加速度的に事業環境にデザインの浸透が進むきっかけになるのではないでしょうか。

事業環境においては、若いステージの組織からアプローチを行うことでデザイン成果に対する期待や成果を合わせ、事業のスケールに合わせ組織としてデザイン活動を担う機能が定着することを促すアプローチに有効性があると考えています。

これまで事業の運営においてデザインの重要性を感じながらも具体的な取り組みをできずに思考錯誤していた方、デザインチームや組織をリードし牽引する挑戦をしてきたが、自身の経験や力だけでは突破できない壁があると感じられている方にとって、このアプローチや考え方が1つでも参考になれば幸いです。

1つでも多くの志をもった事業を、社会や顧客にとって持続性を持ち価値を届け続けられる形にする。そのためには事業の成長に沿った、組織へのデザイン浸透が必要であり、クライアント組織とrootそれぞれが連携しながら事業と組織の発展に貢献することが未来を切り開く可能性になります。

外部からの支援を通じ、人とナレッジを束ね、実践知を集約することで「デザイン浸透」をより多くの事業、組織へ広げ社会に対して大きなインパクトを示していく。それがrootが掲げるVison「Design Doing for More」で実現したい世界です。

rootでは共にビジョン実現できる仲間を探しています!

私たちは、「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をVisionに、様々なフェーズのクライアントの事業と組織の成長を共に実現するデザインパートナーです。

rootは2024年5月に、事業規模の拡大に伴い、将来的な人員増強に対応できるオフィスフロア面積を確保し、よりオフラインの取り組みを活性化させられるよう、本社オフィスの移転を行いました。

新オフィスとなる「Quest 虎ノ門」は「Quest=探求」という名の通り、起業家を中心にエンジニアやデザイナーなどが集い、事業の立ち上げ機会、成長機会を“探求する”場となっています。

rootは、創業期より事業の立ち上げからPSF(プロダクト・ソリューション・フィット)、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)に向かっていくスタートアップの支援にも力を入れています。

今後もスタートアップの支援に加えて、イベントの開催、さらにはデザイナーのネットワークが構築できるような場づくりを積極的に行い、Design Doing for Moreの実現を加速させていきたいと考えています。

クライアント支援の立場から、1つでも多くの企業のデザイン実践に取り組み、組織の中にその経験と体制を残し、持続的な事業の成長にデザインが活かされる組織を増やしていきたいと思われる方。
共に、Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜を実現していきましょう!
ぜひ、ご興味ある方、一度カジュアルにお話ししませんか?ご連絡お待ちしています!

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