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ドカンとバズりにいくよりも、どれだけ地道でも息長く愛され続ける方を。
更新時刻が実に不透明でお馴染みのnoteですがいつも読んでいただいて本当にありがとうございます。
ちょっといろいろ仕事がバタバタしておりましてこんな時間の更新になってしまいました。ご容赦ください。
というわけで今日は元日にYouTubeにアップした『夢幻鉄道』について、少しばかりコアな話を書いてみたいと思います。
僕自身初めてのピアノソロ動画としてアップした『夢幻鉄道』なんですが、2ヶ月経った今でも日々少しずつ再生回数が伸びていて、もうすぐ35,000回再生となります(いつもありがとうございます)。
日々数字が増えているということは、当たり前ですが今なおこの動画を開いていただいている方が居るという事実があるわけでありますが、スタンスはいろいろあるかと思います。
日課のように毎日聴いてくださる方。
その中でも純粋に聴きたくて毎日聴いてくれてる方もいれば、応援の意味も込めて一日一再生するって感じで開いてくれてる方もいらっしゃるでしょう(もしくはその両方の意味合い)。
はたまた、毎日とは言わないまでもふとした時に聴きたくなって開いてくれる方。
そしてもちろん2ヶ月経ったとはいえ何かのきっかけでその時初めて辿り着いてくれた方。
このnoteのアクセス同様いろんなパターン、スタンスがあると思います。
その理由は様々かと思いますが、今なお日々再生を重ねてもらえているというのは事実で、それは実に地味かつ地道ではありますが確実に息が続いているという部分を僕は大事にしていたりします。
そもそも最初から「ドカンとバズりにいくぞ!」みたいなスタンスじゃなくて「どれだけ緩やかでもいいから刺せるところを確実に刺した上で息の長い動画にする」っていう事前の目論見が事実としてあったものですから。
バズるというところに目が向きすぎて初動の爆発力に期待したり一攫千金を狙いにいったりしたとして、もし自分が思ったより伸びなかったとなった際に、その事実に必要以上にダメージを受けたりしてモチベーションが下がっちゃったりとか、逆に「バズる」が他の何よりも最優先事項になっちゃって節操が無くなっちゃうっていう事は珍しくないと思ってます(一般論として)。
「あんまり数字伸びなかったな。はいじゃあ次」って感じで、せっかく作ったものを地道にコツコツ育てる(宣伝し続ける)っていうところに目が向かずに、次のバズりを探しに行く…みたいなイメージ。
そのスタンスはそのスタンスで別にアリだと思うので否定したいわけではなくて、ただ僕自身があんまりそっちの考えに前のめりにならなかったという話で。
だからこそこの一発目の動画にこの『夢幻鉄道』を選んだというところがあります。
意識したのは「ストーリー」と「あやかる」の二点。
で、共通するのは「強かさ」という部分。
前に「馴れ初め」的な記事で書いたことと重複する点もあると思いますが、まずこの「ストーリー」という点。
去年はこの夢幻鉄道という曲をきっかけに本当にいろんな経験をさせてもらいましたし、この曲を通してたくさんの人が僕のピアノと出会ってくださいました。
バンドザウルスとしてカジカジ(キングコング梶原さん)と一緒にレコーディングをしてMVを撮影して、その曲を引っ提げて幕張メッセで1万人以上の前でライブもしました。
そして年末には天才万博というフェスで宮迫さんともこの曲でライブをしました。
自意識過剰の勘違いだったら実にダサい話ですが、僕なりに俯瞰的に考えた時に一連の流れを経て『夢幻鉄道』という曲が好きな方の中には「西村のピアノ」という要素を含んでくれた人は着実に増えたという自負がありました。
ピアノソロ動画をアップするにあたって一発目を何にしようかなと考えた時に、例えば世間のトレンドバリバリの曲だとか、ピアノYoutuberサン達の中でバズりがちな曲なんかがまったく頭の中に候補として浮かばずに"夢幻鉄道一択"で即決したのは去年の下半期のその時間を経たからこそで、それはこの曲を僕がカバーするにあたってこれ以上ない脈絡が生まれていたから。
トレンドとかバズりたい欲先行で狙いにいった結果、箸にも棒にもかからないって結果がありえるかもしれないっていう博打に走るくらいなら「去年の時間を経てこのタイミングで僕が夢幻鉄道を弾くことで、少なくともMVからの諸々を見てくださっていた層の方々を確実に刺しにいくゾ!」っていう話であります。
そこには当然、原作者である西野さんの存在も含まれています。
実際に刺さってくれるかどうかはケセラセラですが(そこはもう実力勝負)、僕自身の身の丈や知名度、影響力を考えたらトレンド博打よりはよっぽど着実だと思ったので。
そういう脈絡、すなわち「ストーリー」みたいなものはしっかりと意識したという点がまずあったうえでもう一つの「あやかる」という点。
これはもう「あやかる」という言葉そのままなんですが『夢幻鉄道』という曲は先ほども書いたようにキングコング西野さんが作られた曲なわけですが、西野さんは作品を作る時にまず最初に曲を作るっていう話があって。
それこそ『えんとつ町のプペル』という作品がまさにそうなんですが、まず一番最初に誕生したのが曲なんだとか。
そこから絵本になり、映画になり、ミュージカルになり、さらには歌舞伎にもなり、バレエにもなり、お遊戯会にもなり、今では海を超えていたりもします。
ただ、どのコンテンツになろうとも一番最初からある曲は一貫しているので『えんとつ町のプペル』という作品がどのカテゴリーでどう拡がっていくにせよ同じ曲がひたすら愛され続ける(プペプップープペルーってやつね)。
ですからこの先も『えんとつ町のプペル』という作品がいろんなコンテンツとして派生していけばいくほど、届けば届くほどその都度「曲」もセットになってくるので、自動的にずっと息が長く継続的に聴かれ続けていく曲になるわけで。
その一連のムーブメントをずっと見てきたからこそ『夢幻鉄道』という曲もそういう未来が待ってる可能性も全然あるんじゃないかと思った次第で。
今から書くのは本当にただの身勝手な希望的観測なことは大前提とさせていただいた上で、この曲のストーリーがやがて絵本になりそこから映画になり舞台になり…という未来がもしあったとしたら『えんとつ町のプペル』同様にこの『夢幻鉄道』という曲も作品の派生、発展と共にずっと息が長く愛され続ける曲になっていくわけで。
言い方はちょっと悪くなるかもしれませんが、とにかくコンテンツが飽和状態の昨今で一時的にバズったとしてもすぐに消費されていくかもしれないし、そもそもバズりもしないかもしれないっていうところに張るよりも、その息の長い作品の恩恵にあやかるほうが着実に長く聴いてもらえる可能性が高そうっていう算段です。
そういう諸々を経て『夢幻鉄道』のピアノ動画を作ってみたわけですが(そもそも曲が大好きっていうのは言わずもがなの大前提です)、ピアノを聴いてほしいとか、この曲を聴いてほしいっていう作り手の誰もが持つ当たり前の理由と別の側面で考えていたのは「どれだけ息が長く聴き続けてもらえるか」っていう部分。
それは何年レベルであやかり続ける前提の話で。
なのですが…
ちょっと元日に全く予期してなかった事が起きたもので、自分が思ってた流れと全然違う話になっちゃって、自分の中で本来取りたかったデータや目論んでいた展開とは話が全然変わっちゃったので、ここまで書いておいて何ですがこの先この動画がどういう未来を辿るのかはよく分からなくなっちゃいました。
ですがとんでもない不可抗力ではありますが「被災したピアニスト」だとか「復興に向けて」っていう意味がこの曲に乗ってきたのは事実で、もしかしたらこの先の未来も今回の震災を思い返すことがあるたびにこの動画を見ていただけることもあるのかもしれません。
このストーリーに関しては誰がどれだけ何に手を尽くそうが自力では絶対に生まれない部分で、事態が事態なので決して喜ばしいことではないものの「息が長く愛してもらえる」という部分ではとても大きな意味が加わったのは事実かと思います。
やはり今の僕の身の丈で今の僕の知名度や影響力を冷静に考えたうえで、今日もなおこれだけ聴き続けてもらえてることがそこを体現してくれてるのかなと。
ミュージシャンが公開したカバー動画を2ヶ月経っても変わらずこうやって日々ピックアップし続けるってこと、僕が知る限りあんまり見かけないのですが「まだその動画のこと言ってんの」と思われたとしても、何年経っても変わらず聴き続けてもらえるようにっていう部分は最初から念頭にあったことなので(イレギュラーもありましたがそれももはや込みで)、そのスタンスはこれからも貫きたい所存でありまして。
で、作っては消費して作っては消費してと矢継ぎ早にいくよりも、精魂込めて作ったものに拘り続けてしつこくしつこく育てていくっていう気持ちをやっぱり大切にしたいっていうことを思ったりもするので、改めてこんな事を書いてみました。
というわけで引き続きこの『夢幻鉄道』をさりげなくでもいいので可愛がってもらえると幸いです。
よろしくお願いします。
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