髪色について
いつもは無料と有料の記事を分けて書いているんですが、今日はどちらも合わせてこの話題一本でいきたいので、珍しく前半部無料、後半から有料という形をとらせていただきます。
でも無料部分だけでもそれなりに面白くたっぷり書くつもりなので、いつも通り読んでやってください。
というわけで…
昨日の天才万博のステージに上がった瞬間に、多少なりともザワッとというか「...!?!!?」みたいな空気になったのは僕も肌で感じたのですが、昨日の日中に髪色をガラッと変えました。
天才万博にお越しの方だけに留まらず、既にSNS等でその視覚情報を得てる人も居らっしゃるかもですが、白と言われれば白、銀と言われれば銀みたいな質感で、白銀と形容してみようかと思います。季節柄。
昨日、キングコング西野さんとステージに上がった際に西野さんが「昨日、飲んでる席で僕が酔っ払った勢いで“髪染めましょう!”と言っちゃった」とイジってくださったのですが、これは事実と言えば事実なんですがそんな単純な話でもなくて。
かなりかなり端的にギュッギュッと言えばそうなんですが、実際はそれなりにクリエイティブな話であり、その場の皆さんでのエンタメや経営に対する喧々諤々の意見交換があった上で、ひとつ着地した部分であります。
結論から先に言うと、今回ガラッと髪色を変えた理由として、いろいろあるんですが一番大きな部分として言わばひとつの「アイキャッチ」としての要素が多分に含まれています。
「オシャレ」とか「似合う(似合わない)」とか、「かっこいい」とかそんな要素は動機としてゼロであり、結果的にそう思ってもらえる分には有難いものの、髪色を変えた理由としてはその辺りは1ミリもかすりません。
なので「黒のほうが“似合う”」みたいな価値観はマジで不毛なので、僕の居ないところでやってください。お願いします。
ここ10年近くは黒髪一辺倒だったわけですが、それまでは割と頻繁に髪色を変えてきました。
18歳で大阪に出てきて真っ先にやった事は、髪を“まっきんきん”に染め上げたことであり、同時に眉毛をめちゃ細くして、ペンダントやブレスレット等をじゃらじゃらつけて、ダメージジーンズを履いて、KISSやアイアンメイデンといった海外のハードロックバンドのTシャツを着て、サングラスをかける…みたいなムーブでした。
今回、「アイキャッチ要素が大事な時代に突入している」みたいな話から白銀髪が誕生したわけですが、よくよく考えたら18歳の時に似たような事をそもそも考えていたんでした。
だからこそ上記の雰囲気に身を纏ったわけで、お洒落したいとかちょっと悪ぶりたいとか、そういうファッションの本来の目的・要素ではなくて、動機としては完全にアイキャッチであり自己ブラインディングなのでした。
専門学校生の当時、ライブハウス界隈の流行りはパンクでありメロコアでありミクスチャーロックでありました。
なので「ピアノ」という存在が活躍する隙間はほとんどなく(界隈によるけど)、どこにいっても派手な格好をしたニイちゃん(時にネエちゃん)が、ギターをかき鳴らしながらロックしてたのでした。
上記の僕みたいな格好で。
だからこそ「こんなコテコテのパンクバンドのギターないしボーカルみたいな格好したやつなのに、おもむろにピアノの前に座ったら面白いんじゃないか」っていう発想で、身なりをそんな感じに固めたのがきっかけです。
やっぱりそういう身なりっていうだけで、グランドピアノとのギャップが凄まじくて、それだけで見ず知らずの人だったりさして僕に興味がない方が“ちょっと聴いてみようか”となってたわけで。
仮にそこで黒髪で特に何の尖りもない格好で座ってても、特に気にも留められる事はなかったかと思います。少なくとも前者よりは。
高校を卒業して大阪に出てきて一番最初に固めた自己ブランディングがそれで、そこからバンドをいろいろと転々していく中で、金髪だけに留まらずアッシュになってみたり、赤と黒のツートーンになってみたり、ひどい時には赤と黒とクリーム色の3トーンを入れたりもしていました。
ただ、なんとなく年齢と共に「いい加減落ち着こうかしら」ってことで、シンプルな黒髪に戻したのが、2016~2017年くらいかと思います。
気付けば自分の中でもすっかりそこで落ち着いていたのですが、一昨日の西野さんらとの会話の中で改めて「似合う似合わないとか、カッコいいとか、雰囲気の良し悪しがどうとか、そんな事じゃなくてそもそも18歳の時から“アイキャッチ要素”として髪色変えてたんじゃん」と改めて思い返して、ある意味では初心に帰ったのであります。今回。
あの頃は、能登から出てきた18歳。
僕のピアノを知ってる人なんて本当の意味で一人も居ない時期。
だから、どんな感情であれまずは多少の興味を惹かせないと、ロクにも聴いてもらえないってことで、パッと見で少しばかり派手だったらマシかなっていうところが動機であります。
それからいろいろキャリアを重ねていく中で、「ファン」というものが少なからず出来て、それなりにお客さんが来るようになり、付随してSNS等の発達によって、聴いてくれる方が少しずつ増えていく空気にアグラをかいていたのだと思います。
まだまだ僕のピアノを知らない人なんて山ほど居る中で、「聴いてもらえば分かる」なんて悠長な理屈が通用しない時代にとっくに突入していて、さらに加速しています。
少し前まで、何かしら新しい音楽に出会うために4分半の曲をじっくり聴くのが当たり前だったのが、気付けば1コーラス(90秒程度)くらいで次々と飛ばすのが普通になり、しまいには20~30秒もちょっとしんどい昨今です。
ただ、それぞれの(売れきってない)アーティストのコアファンは、その推しの歌や演奏を数十秒、数分聴くのは全く苦じゃないわけですから「聴いてもらえれば分かる」という発想になりがちなんですが、10年前ならともかくもうその理屈は本当に通用しない時代にとっくになってると思います。
それは音楽に限らず「食べてもらえば分かるとか観てもらえば分かる」も全部同様に。
ただでさえ「好きだし見たいのに消化できてない動画」とかいっぱいある中で、そこまで暇じゃないのも現実かと思います(もちろん一概には言えませんけどね)。
と、なったらやっぱりこれから拡げていこうと思うならば、多少なりとも自分自身に1秒2秒で印象付けるアイキャッチ要素は必要になってくる…という理屈も一理あるわけで(この辺りの話を西野さん達と真剣にしてたわけで)。
自分自身が商品である以上、アイキャッチ効果は(音を出す前の)自分そのものに持たせないといけないわけで、そこで初心に戻って髪色を派手にするという部分に立ち返ってみたわけであります。
ただ、冒頭のあたりで「理由はいろいろあるんですが」と書いたとおり、必ずしもそこだけという話でもなく、ましてや「そんなにアイキャッチアイキャッチと言うなら白銀よりもっとド派手な…」みたいな意見も出てくるところかと思います。
そのアイキャッチ要素だけを掬い上げちゃうとそうなるんですが、他の理由として。
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