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アドバイスをするのであればコミュニケーション値はより一層高めておくに越したことはなさそう
例えば服でも鞄でも靴でもなんでもいいんですが、仮に色で迷ったとして。
黒にしようか白にしようか赤にしようか…ってなった時に「どれがいいと思う?」みたいな会話の流れなんかが生まれることはあるんだと思います。
それが自分ではどうしても決めきれない時に、それなりに関係性を築いている身近な人に意見を伺った時に、Aさんには「絶対赤がいいよ!」と言いBさんには「いや完全に黒が似合う」と言いCさんには「白が一番しっくりくるよ」なんて言われちゃってさあ大変みたいなことって、あるところにはある話だと思います。
("そんなん自分で決めたらいいやん"的な論調は一旦置いといて)
自分の中で「これかな…」っていうのはあるんだけども、なんとなく確証というか最後の背中のひと押しが欲しくて尋ねてる場合もあるかもしれません。
自分が黒寄りだった時に「黒がいいんじゃない」と数人に言われたら安心できるみたいな。
なので意見が分かれると多少困惑したりもするのかも。
とは言え、聞くだけ聞いたものの結局は自分で判断するみたいなパターンもあるでしょうし、逆にその中の誰かの助言を拾うというパターンもあるでしょう。
その時にもしかしたらお伺いした方々を天秤にかけて「この人がそう言ってくれたから」という基準で選ぶ場合もあるのかもしれません。
これは音楽クリエイティブの世界でもかなりあるあるなことで、特に「学生」という学ぶ側の人、基本的にアドバイスやひと押しを欲する側の人はその板挟みになる状況はそれなりにあるんだと思います。
(当方、非常勤講師なんかもしてるので現場ベースの話として)
例えば自分でオリジナル曲を作っている際に「この箇所をどうするか悩んでる」とか「このパートをどうやってアプローチかけるのがいいのか迷ってる」みたいなことは日常茶飯事で、そこに対して先輩の知見を拝借するというのはごくごく自然な流れです。
そこでまあよくあるのが数人の先生にお伺いを立ててみた時に、全く相容れないアドバイスが出揃うということ。
理論上おかしいとか史実として間違いが証明されているみたいな話だったらともかく、どれが正解か分からない(というかどれも一定数の正解レベル)の内容でアドバイスがチグハグになった場合はちょっと大変そうです。
たとえば一人の先生が「ここはAなんかやっちゃだめで絶対にBだよ」と助言して、もう一人の先生が「ここは絶対にA。Bなんか選んだらめちゃくちゃダサい」と言おうもんならば、間違いなくどちらかの先生の助言を(結果的に)全否定することになるので。
繰り返しますが「自分が良いと思うものでいいやん」と言い出したらキリがないのでその選択肢は潰した前提で(じゃないとアドバイスをそもそも求めないと思うので)。
これは結局は、その助言を求めた側の人が「この人がそう言うなら」とこれまた結果的にキャリア的に目上の人を天秤にかけないといけない時間が始まるわけで、まあなかなかシビアな選択かもしれません。
逆に助言する側目線の方向で考えてみると例えば「○○先生はこう言ってた」という情報が入った場合に、例えその先生が立場やキャリアが上であろうと「あ〜ならそっちじゃない?」と忖度というかひるんだりせずに、「例えそう言われてたとしても僕はこっちだと思うよ」と言い切る気概も必要になってきます。
ただガラッとジャンルは変わりますが、最近野球のコーチの方がちょっと頭悩ませてる問題のひとつとして、YouTubeという存在があります。
現場のコーチが「もっとこういう練習をしろ」とか「そのフォームはだめだ」とか注意した時に「でもダルビッシュがこれが良いってYouTubeで解説してました」っていうかなり切れ味鋭い返しが生まれている昨今。
他にも『フルタの方程式』っていう元ヤクルトの古田さんがやられてるチャンネルなんかは、野球少年からしたらそこそこの月謝を払わないといけないレベルの専門的な内容が惜しげもなく無料で公開されていたりします。
これはもうあからさまに残されてきた結果が違いすぎるので、現場での話とバーチャルの中の話では全然違うとは思うものの、少年野球のコーチの方はなかなかにキツいかと思います。
ダルビッシュさんの変化球解説動画や、フルタの方程式レベルの緻密なレベルの音楽チャンネル(しかもそれくらいのレジェンドが自ら実演・解説している)は今のところ見当たりませんが、そうなってくるとアドバイスというものには、技術的・実用的な本質部分とは別で「この人がそう言うんだから」というコミュニケーション値がより一層必要になってくるんだろうなと思います。
結局大切なのは、ダルビッシュさんは自分の経験則と知見からひとつの技術論としてそれを伝えているものの、コーチの方は日々同じ時間を接して性格や得意不得意、感情の波、その他細かい諸々を全部知ってるからこそ「多分君はこうがいいよ」と言えるイニシアチブは確実に存在すると思うので。
指先ひとつでいろんな著名な方のいろんなアドバイスが手に入るからこそ、身近な人はそういうところをもっと大切にしていくべきなんだろうなと思った今日この頃なのでありました。
バーチャルの中の方には壁打ちはできませんからね。
でした。
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