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ニーズに応えたって簡単に切り捨てられるんだから、それならエゴを貫き通したほうが釈然としますよねって話

少し前まで仕事の一環で大変重宝させていただいていた、とあるプラットフォームから「機能ならびに一部規約改定のお知らせ」云々といった感じのメールが届きました。

そのプラットフォームには一つの仕事の分野で一時期大変お世話になっていて、先ほども言いましたがいろいろ便利でかなり重宝させてもらっていたのですが、どこかのタイミングで同じ業務形態でより使い勝手の良い、より便利な別のプラットフォームが現れたので、サクッとそちらに乗り換えさせてもらって、前者のプラットフォームの事はもうずっと自分の中で存在が完全に無かったわけで。

で、今回改定メールが届いたことで久しぶりに「あぁ…」とその存在を思い出したのですが、なんとなく流し読みして主旨を掴んだ上で、はいおしまいという感じで。

申し訳ないけども、もう別のプラットフォームで全て事足りてるので今さら再び乗り換えることなないかなというのが事実で。

プラットフォームに限らずありとあらゆる世の中のツール、コンテンツは競合を意識しながら各社いろいろアップデートを重ねていくわけで、その結果追いやられていく存在は現実としてあるわけで。

いろいろ例えは浮かびますが、部屋の床を掃除をするにあたってホウキという道具があったかと思えば、実に便利な掃除機というものが誕生した途端にホウキという存在は用無しになり、さらに受け手の「便利」や「ニーズ」に応える部分を追求した結果、ルンバなんてものが現れたことで一般的な掃除機も追いやられる存在になったわけで。
(※もちろん一概には言えませんが一般論として)

今にして思えば有線の掃除機の、コンセントを黄色のテープまで引っ張って「シュシュシュシュ!」ってコードが戻っていくあの感じが実に懐かしいですが、充電式のワイヤレスが主流になり最終的に自動で掃除機をかけてくれるルンバにまで発展すると、当然ですが“かつてニーズに応えてくれたもの”は絶滅の一途を辿るわけで。
(改めて一概には言えませんが)

『プリントゴッコ』が出た時はこんな便利なものがあるのかってくらい各家庭で重宝しましたが、今さらあれで一枚一枚年賀状を拵える人はさすがに居ないでしょう(居たらごめんなさい)。

そう。

「便利」すなわち「ニーズに応える」という概念は、誰かに何かに取って代わられる可能性を多く孕んでいて、冒頭の僕のプラットフォームの話もそうですが、自分のニーズにより合致するものが現れたらユーザーはいとも無慈悲に乗り換えちゃうものであります。いつだって。

その改定メールを一瞬で無きものにした(ゴミ箱に捨てた)自分を顧みて、そんな事をあれこれ考えながら、ここは改めて気をつけておかないと上記例に出したプラットフォームや道具といった存在だけじゃなく、演奏や作品という分野でも余裕で起こりうる理屈だと思ったわけなのです。

要は「こういう演奏が求められてるからそこを意識してみよう」とか、「こういう作品(曲調なり)にニーズがあるからちょっとそこに寄せてみよう」みたいな考えが多少なりとも纏わりついて、そこが先行した演奏なり作風(ブランディングも含)になってしまうと、その時々のその人たちの何かしらのニーズに応えることは出来るんだけども、掃除機同様に同じような方向性のニーズでもっと期待に沿う存在が出てきたらいとも簡単に乗り換えられる場合もあるわけで。

言ってしまえば、それはただただ競合相手に競り負けたというだけの話なので、全部ひっくるめて実力不足以外の何モノでもないのですが、流行りやニーズや一方的な期待(要望)に応えた姿勢の末路としてはなかなか釈然としないものがあります。

それならば、周りがこんなのを求めてるとか、こういうのが聴きたい、こういうものを作ってほしいとか、まあいろいろあるかもしれないけども「自分はこういう演奏がしたいのです」「自分はこういう曲が作りたいのです」「自分はこれが好きなんです」という一環した姿勢を貫いたうえで競合相手に散るほうが、どうせ散るにも清々しい部分がございます。

便利とか好みにそぐうといった要素が大事になってくる、お客様のニーズが第一みたいなところがあるプラットフォームや道具という存在ならともかく、表現者はやっぱりエゴを好きになってもらってナンボだと思います。
(※クリエイティブにおけるクライアントとの話はまた別です)

というより、どうであれ勝ち負けが存在し続ける世界なのですから、ニーズに寄り添ったうえでの勝ち負けを迎えるくらいなら「俺はこれだ!」の姿勢でやっぱり居続けたいよねと、かつてニーズに応えてくれていたプラットフォームの改定メールをサクッと消した瞬間の自分を顧みて思ったという話です。

今日も一日お疲れ様でした。
まだもうちょい何かしら追い込む方は頑張りましょう。
僕も頑張ります。



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西村広文 HirofumiNishimura
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