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バックオフィス(裏方さん)に胸がときめく
『バックオフィス』を辞書で引いてみると…
バックオフィス業務は、企業の根幹を支える内部業務の総称です。 直接顧客とやり取りをしない、総務、人事、経理、法務などがこれに該当します。 これらの部署は「人材」、「物資」、「財務」、「情報」などの経営資源を扱います。 企業運営を裏から支え、フロントオフィス業務がスムーズに進むための基盤を整えます。
と、あります。
一応そう定義されていますが、ひと事でバックオフィスと言っても企業形態や現場の種別によってその範疇は様々でしょうし、僕がずっと主戦場にしてきたライブという空間では「裏方さん」というポジションが存在して、ここは厳密にはバックオフィスと呼ばれる部類とはちょっと違うとも思うのですが、今回はそういう「現場の裏方さん」みたいな存在も含めて書いてみたいと思います。
前談として、僕が一番最初に裏方さんにときめいた話を書きます。
ただの思い出話ですが、分かりやすい昔話を思い出してしまったので、ちょっとお付き合いください。
昔、居酒屋でバイトしてたんですが、その店はビルの最上階(6階)に構えられていてテラス席がありました。
で、ひとつ下の5階にも別の飲食テナントが入っていて、その店にもテラス席があったので、僕がバイトしてる店のテラスの手すりからちょっと下を覗き込めば5階のテラスが普通に見えるわけですね。
その5階はバドワイザーのビアガーデンで、バドガールの方々が居たのです。
世代の方ならバドガールと聞いてどんな方々か想像つくと思うんですが(懐かしいですね)、よく分からない方はバドガールでググってみてください。すぐ分かります。
なので普通にビールを楽しむビアガーデンというわけではなく、綺麗でセクシーなバドガールさんがビールを運んで、おじさま等が喜ぶ感じのコミュニケーションをとって…っていう趣旨のお店だったわけで、そのコミュニケーションがけっこう振り切ってる感じで、テラスで仕事してたら下からいろいろ聞こえてくるわけなのです。
かなりぶっ飛んだ独特なレクリエーションが聞こえてくるのでどうしたって気になってしまうわけで、ある時お店が暇なタイミングでバント何人かで上からちらっと様子を覗いてみた事があったのです(ただの野次馬ですわね)。
するとバドガールの方々が、いかにもおじさま達が喜びそうな接客模様を発揮していて「うわ、すげーなー」と、同じ飲食業として我々はなんとも言えない感情を抱いた記憶があります(ガチ野次馬)。
今思えばメイド喫茶やコンカフェの空気に近かったと思いますし、むしろ走りなのかもしれませんね。
やっぱり野次馬たちはバドガールの方々に目が行くし気が惹かれるわけなのですが、僕はと言うとバドガールの方々もそこそこに、そこに混ざって普通にTシャツジーパン姿で、お客さんが帰った後の席をせっせとバッシング(残飯とかお皿とかグラスを片付けて厨房まで持ってく作業)、そして次のお客さをお迎えできるようにテーブルをリセットしている子に目が行ったのでした。
お客さんからひたすら注目を集めて、あちこちからお声がかかるバドガールさん達を横目に、ごくごく普通の格好で黙々と片付け作業に追われている子に僕はときめいて、バドガールさん達との対比っぷりも相まって実に健気に感じたのです。
もちろん、バドガールさん達は彼女たちの役割として健気に真摯に全力で仕事と向き合っているからこそのお姿なわけなので、そっちが健気じゃないって話をしてるんではありません。
これはあくまでポジションの問題であって、僕はそのプレイヤーとしてのバドガールさんの陰でお皿やグラスの処理をしたりテーブルを拭いたりしているTシャツ姿の子にときめいて、他の野次馬たちがバドガールさんに「すげーすげー!」となっている中、そちらに惹かれていたという話です。僕はね。
まだまだバイト三昧の日々でキャリアも大して無く「現場」というものをロクに知らない僕が、一番最初に「裏方さん」というものを意識したのは、記憶を辿ればあそこだと思います。
裏方フェチの原点はまさかのバドガールだったわけで。
後付け感がすごいのは自分の中で分かっているんですが、でもその気質があったからこそなのは間違いないわけで(もしくはあそこでその気質が生まれたのか?)、僕の裏方さんリスペクトはちょっと人並み以上の自負があって、気付けば裏方フェチとまで自称するようになりました。
そして、定期的にそれを発信するようにもしています。
もはやこれはちょっとした推し活なのかもしれません。
※何個か過去の裏方推し活記事をピックアップしてみます(お暇あらば!)
こうやって数点、過去記事をピックアップするにあたって改めて読み返してみたら、今から僕が書こうとしてたような事がほぼほぼ網羅されていました。
なのでせっかく過去記事を探してきたので、厚かましい話ですがどうかそちらを読んでいただければと思います(面倒くさかったら一番上だけでもいいかも)。
ただ、このままではバドガールの昔話で終わってしまうので「だからこそこういう部分はいつも意識している」っていう話だけ最後に添えたいと思います。
仕事柄、バックオフィスの方と業務連絡をさせてもらう事がありますが、概ねそれは書類関係のやり取りだったりします。実にバックオフィスらしく。
例えば請求書だったり契約書といった類のPDFのやり取りだったり、ライブイベントの裏方さんに対してだと、当時のセッティング図だったりアーティスト資料だったり諸々。
そういう事務ファイル的なものをこちらで作成してお送りするっていう仕事があるのですが、ここに対する腰が重いフロントマンはけっこう多いです(あくまで一般論として)。
何かしらのフェスとかになってくると事務方のほうから「◯日までに出演者アンサーシートの返送をお願いします」みたいなお願いが一括メールで届いたりする事があるんですが、その期日を超えたあとに「まだアンサーシートを出されてない出演者さんは速やかによろしくお願いします」みたいな追い一括メール(最近はグループライン)が来る事は珍しくありません。
僕は完全フリーランスで事務スタッフ等も居ないので、そのあたりの書類作成は全て一人でやっているのですが、手が空いたタイミングで秒でお送りするタイプです。
だからこそ期日を超えて「まだ提出されてない方が居らっしゃるので…」みたいな一括連絡を目にした時は「はよ出しなさいよ」とか思っちゃうタイプで、バックオフィスの方からするとその資料がそこで揃うか揃わないかで、その後の作業の潤滑さが全然変わってくるのも分かるので。
そして、既に提出されている方から進捗を責付かれた時に「まだ全ての出演者さんの資料が揃ってなくて…申し訳ございません」と、下げなくてもいい頭を下げないといけない状況を生んでしまったりもします。
裏方フェチ、バックオフィスときめき野郎としては、そういう状況を目にするたびに居た堪れない気持ちになるのですが、だからってそんな角度から人さまのアレコレに干渉するのも意味が分からない話なので、せめて自分だけは「作業ベース」の事は即日!姿勢は貫こうという、自己満の拘りがあります(もはや推し活)。
何度だって言い続けますが、そういう人たちが居ないとフロントは輝けないのですから。マジで。
…そうか。
あの日ただの野次馬だった僕は、気付けばバドガールになっていたっていう話か。これは。
というわけでこれからも各所各所のバックオフィス、裏方さん各位、何卒よろしくお願いします。
【追伸】
更新が遅くなっちゃってすいません。
なのでなんとなく正午にしてみました。なんとなく。
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