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人さまの曲を演るにあたっては、そこに宿る背景がモノを言うのだ。

一昨日の記事(ハナミズキの話)の文末をこんな感じで結びました。

こうやってまたひとついつまでも弾き繋いでいきたい大切な曲が増えていくのであります。

「なぜこの人はその曲を弾くのか」

人さまの曲を演るにあたってのその大義名分・説得力ってけっこう大事な気がします。

聴いてくれる人はその背景も含めて心に留めてくれると思うので尚更。

自分で書いておいてなんですが「いやいやこれはなかなか大事なことですねぇ」とセルフ掘り下げをしたい気分になったので、今日はそんな感じでひとつ。何だったらワンマンも多分に関係してくる話でありまして。


というわけで連日そんなことを言うとりますが、自身初のライブハウスでのピアノ一本ワンマンってのが刻一刻と近付いてきて来て、気付けば大阪公演は明後日、そして東京公演は明明後日となりました。
(チケットは既に両日完売しています有難うございます!)

一瞬だけ業務連絡を挟みますが「打ち上げ参加権」はまだまだ絶賛売り出していますので、もしライブ終わりにほやほやの感想を語らいながら一緒にお酒を飲みたいなって方はぜひよろしくお願いします。
https://muupiano.base.shop/


で、そのワンマンなのですが、昨日の記事で80分前後くらいですよ(だから安心してね)みたいなことを書きましたが、とは言え1時間半弱あるのはあるのでそれなりに曲数は必要になってきます。

しかしながらご存知の通り、表に出しているオリジナル曲ってやつは今のところ2曲しかございません。
https://muupiano.base.shop/items/85716039 

もしかしたら当日、まだ温め段階の他のオリジナル曲をやるとかやらないとかっていう噂は自分の中であるんですが、基本的には人さまの曲をふんだんに演奏させていただく事になります。

世間ではそれを「カバー」と呼んだりしますが、そもそも(そもそも!)ピアノなんてのはだいたいの人がクラシックピアノから始めるわけで、必然的に先人たちが残してくれた名作、すなわち人さまの曲を一生懸命弾くところから誰しもスタートするわけで。
やれバイエルだチェルニーだソナチネだと。

で、そこからそのまま大学なんかに進んだりしてショパンとかバッハのコンクールに出られたり、著名になればクラシックの名作のリサイタルを開いたり。

対極にあるジャズなんかもそうで、ジャズ(バーとかの)ライブなんてのもオリジナルで構成されるというよりも、先人たちが残してくれた名作を自分なりの味付けで演奏してオーディエンスを沸かすのであります。

なので人さまの曲でガッツリ構成される事は何ら不思議なことでもなく、別に「カバーライブ」なんて銘打つ必要もなく、ごくごく自然な話だと思っている節があるので、明後日も明明後日も堂々と先人たちの名曲にあやかりまくろうと思っています。

そこで聴衆の中に存在しているひとつの価値(観)として「この人のこれが聴きたい」っていう感性が在ると思います。

ものすごく大きく括ったら「この人のピアノが聴きたい」っていう言い方になるんですが、もう一手先の言い方をすると「あの人の弾くバッハは最強だ」とか「誰々のスペイン(ジャズの曲)はエグい」みたいな。

そこに備わっているテクニックだったりパフォーマンス力に聴衆の琴線は揺さぶられるわけなのですが。

ここで冒頭の「なぜこの人はその曲を弾くのか(歌うのかでも可)」っていう話を混ぜてみたいのですが、そこに宿る「背景」というのはテクニックだとかパフォーマンスだとかを時に超越する琴線の揺らし方が存在することを、我ながら実感する今日この頃で。

ライブでも動画でも何かしらのカバーを演るにあたって理由はいろいろあると思うのですが、分かりやすい理由で言うと「好きな曲だから」っていうのがひとつあって。

あとは自分の演奏(歌唱)を存分に発揮できる(しやすい)曲って理由もありますでしょうし、時に「流行ってるから」っていう理由もあるのかと思います。
(バズ狙いみたいな?)
ライブウケ(お客さんウケ)が良いだろうからっていう側面も含めて。

確かに何かしらのカバーを演るにあたって至極真っ当な曲選びの基準でありまして全然それで良いのですが、お客さんの心にダイレクトに響く一番のスパイスはやはり「背景」なのだろうとことごとく実感している2024年。

何度も引き合いに出して申し訳ないんですが(何度だって言うぞ!)、童謡『ふるさと』なんてまさにその典型で、僕のピアノスタイルが映えるから弾いてるのかと言われたらそんなこともないし、お客さんウケとかバズってる曲だからって観点で弾いてるのかと言われたらさすがにそんなわけもないわけで。

でもこの『ふるさと』という曲を演奏している時に、お客さんの会場の空気がなんとも言えない琴線の揺れ方で包まれていることはやっぱり弾いててものすごく実感するわけで(実際弾いてるこちらも)、それはやっぱり「なぜこの曲をカバーしているのか」っていう背景をしっかり発信してきた部分もあり(SNSなりその場の語りであり)、本当に本当に大切な曲だから大切に弾いているっていう事を共有できているからこそ、上手いとかカッコいいとかじゃない次元で共鳴できている自負があります。
(夢幻鉄道なんてのはまさにその背景の典型であります)

この感触、感覚は自分が人さまの曲を演奏させてもらうにあたってこれからも大切にしていきたい部分で、だからこそ「なぜその曲を弾くのか」っていうところは、ステージ上でも丁寧にお伝えし続けていこうと思います。
(背景を共有するかしないかで全然伝わり方が違うんだもの)

オリジナル曲だったら背景そのものが曲になってるわけですから「ただただ聴いてください」で成立する部分もあると思うのですが、カバーとなったらそこの共有は多少時間の割を食っても大事だわなと。

まあ、そんなライブになります。

そんな感じでどんどん「この人のこれが聴きたい」を背景の共有も含めて増やしていきたい所存で。

それを人馬一体としてお届けしようと。
(分かると思いますがこの場合の馬はピアノで)



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西村広文 HirofumiNishimura
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