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アドリブってやつには知識よりも技術よりも「関係あるか」の思い切りの良さがカッコイイの根本な気がして
先日、高校の軽音部でキーボードパートを担う学生さん方に対して、セミナーだなんて偉そうな講釈を垂れさせていただいたわけなのですが…
(関連) https://note.com/nishimurapiano/n/nfa572bd334de
「今一番どんな事ができるようになりたいか?」という問いかけに対して、9割くらいの子から「曲(コード進行)の中で自分なりに自由に弾けるようになりたい」と返ってきました。
要は即興演奏、アドリブでいろいろ弾けるようになりたいみたいな話で、中にはそういう能力をもっと養って作曲にも活かしたい、オリジナル曲に転用したいみたいな猛者も。
正直、軽音部って誰かしらの曲をバンドスコアを見ながら一生懸命コピーする以上でも以下でもない部活だと基本思っていた節があったので(ごめん)、アドリブ演奏が出来るようになりたいとか、オリジナル曲云々っていう話が彼ら彼女らから出てきた事に少々驚きましたし、嬉しかったです。
そんな熱い志しがあるのであれば、少しでもモチベーションの一環になればということで、目の前で多少アドリブ演奏なんかもやってみせました。
本当にその場のノリで即興でやるわけですが、軽音部の子たちからしたらまさに自分たちが出来るようになりたい事をサクッとやってみせたわけで、多分カッコよかったと思います。多分。
それをどうすればできるようになるのかっていう話なのですが、これは演奏に限らず世のあらゆる事がそうだと思いますが、まず基本的な型みたいなのがやっぱりあります。
算数で言う公式みたいな、言語で言う文法みたいな、こうきたら次はこうだよねとか、これとこれを混ぜたらこうなるよねみたいなテンプレートはしっかり存在します。
なので、とにもかくにもまずはその辺りの基礎知識を学び叩き込むのは必須で、ここに関しては少々の努力で誰にでも出来ることかと思います。
ただの座学の範疇でとにかく覚えればいいだけなので。
それはあくまで基礎工事的な部分であって、まずそこを最低限身につけてからじゃないとアドリブにチャレンジするなんて本末転倒もいいところなので。
掛け算の仕組みは知ってても数字というものを知らないっていうくらい本末転倒な話でありんす。
その基礎工事的な部分を最低限(かなり時間に限りがあったから本当に最低限!)教えさせてもらったわけですが、皆さんとっても真面目に前のめりに聞いてくださったので(ノートもとってたし)、そこは全員ご理解いただけたと思います。
そして普段からコピバン練習に勤しまれている子たちなので、指もそれなりに動く。
指がある程度動く子たちがそれ相応の知識を持ったらば、じゃあその憧れのアドリブ演奏ってのが出来そうなものではありますが、やっぱりめちゃうまくいく子と、ちょっと苦労しちゃう子のグラデーションはしっかり生まれます。
そこで若い子たちに教示しながらも改めて痛感したのですが、一番モノを言ってくるのは無敵の心での思いきりの良さなのだと思います。
楽譜に弾く内容を示されている場合は、とにかくそのご案内を間違えずに弾くっていう話でありますが、アドリブとなると「これを弾いてね」というご案内がないので、間違えるもなにも自分の指が通る際の足音がそのまま答えになるわけです。事後として。
(指なのか足なのかややこしくて申し訳ない)
なので、そこに不正解なんて存在しなくて、その人からその瞬間瞬間に鳴る音がその人の中での正解であって、カッコいいとかカッコよくないとか、心に響くとか響かないとか、好き嫌いとか、そういう区別は人それぞれ生まれるかもしれませんが、「不正解」なんて言われる筋合いはありません。
その人から出てくるアドリブなんですから。
ただどうしても「これを弾いてね」と音符で正解を示されている世界に染まりすぎちゃうと、「理屈は分かったよね。ならばそれに添いながら好きに弾いてみましょ」と言われたとて、どこかで「変な音弾いたらどうしよう」みたいな不安や懸念が生まれて、結果指が縮こまっちゃうという現象が生まれてしまうと。
変な音も何も「今この瞬間に自分の中から出てきたアドリブなんで、これが最適解っす。なんか文句あります?」くらいの開き直りが欲しいところで、その思いりの良さ、それくらいのノリで踏み込む図太さ(度胸)こそが、即興と呼ばれるものに対する一番大切な要素なんだと考えます。
変な話、「ド」という音が鳴ってて変じゃなかったら、アドリブパートの間の最初から最後まで「ド」を連打しまくった上で、そのアドリブっぷりをドヤればいいんです(※ちなみに僕本番でも全然やります)。
もうわけわからなくなったら肘打ちなり頭突きなり鍵盤にすればいいのです。「これが我輩のアドリブだ」と正々堂々と。
(※ちなみに僕本番で肘打ちも頭突きもけっこうやります)
変な音鳴ろうがめちゃくちゃになろうが、関係あるかって感じの子ほどやっぱりカッコイイの弾いてたのは事実としてありましたし。
もしかしたらあの日以来ここをシレッと覗いてる子が居るかもしれないので、間接的な延長セミナーになれば嬉しいですという気持ちと共に、考え方として何かしらに転用できそうな部分が潜んでいましたら幸いです。
今日も一日、なにとぞ。
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