音楽室での避難所ライブからずっと繋がってるんです
昨日の夜遅くにバタバタっと告知させていただいたんですが改めて、石川県立音楽堂を中心に金沢駅周辺でゴールデンウィークに開かれる『ガルガンチュア音楽祭2024』に出演させていただきます。
https://www.gargan.jp/
イベント詳細等は昨日の記事を参照にしていただければと思うんですが、今日は出演に至った経緯等を少し話してみたいと思います。
そもそもこの『ガルガンチュア音楽祭』というのは今年から名前が変わりまして、昨年までは『風と緑の楽都音楽祭』という名前で開かれていて、国内外のクラシック奏者やオーケストラが一同に介するかなり大規模な音楽祭となっています。
そこに僕が一人のピアニストとして出演させていただくわけですが、そもそもバンドやセッションミュージシャンとしてはキャリアを積んではきたものの、ソロピアニストとしての活動は2024年の元日に初めて動画をアップしたばかりでまだロクに演奏活動を行っていない立場です。
そんな人間がこんな栄えある音楽祭に出演させていただくことに至るにはそれなりにしっかりした理由がありまして、やはりそこには「震災」という部分が深く関わってきます。
まずこの音楽祭の出演に至った経緯なのですが、当然出演者ブッキングは実行委員会の方々がされるわけですが、その実行委員会の方々(とってもすごい人たち)が「ぜひ今年の音楽祭には西村さんに出演していただきたい」と思ってくださったわけで、そのきっかけは『新聞』だったりします。
間違ってたらシャレにならないので慎重に何度も確認したのですが、この音楽祭には『北國新聞』と『読売新聞北陸支社』の二社が特別協力として運営面に入られています。
覚えのある方もいらっしゃるかもしれませんが、この北國新聞さんと読売新聞さんに僕は避難所生活中に取材をしていただきました。
両紙ともたまたま音楽室でライブを開いた日にたまたま(本当にたまたま)いらっしゃったので、そのまま避難所ライブの模様も取材していただきました(北國新聞さんが初回の時で読売新聞さんが2回目の時かな)。
どちらも「避難所で避難生活をしながら音楽室でライブを開いているピアニストが居るらしい」っていう話を聞きつけて取材に訪れた…ということではなくて、たまたま被災地取材で山王小学校を訪れたタイミングで僕が両日とも音楽室ライブを開いていたという本当に"たまたま"の連続だったわけで。
そしてその二社とも今回の音楽祭の運営に携わっているというこれまた"たまたま"の連鎖なわけで(いやもう怖いよここまできたら)。
で、北國新聞さんも読売新聞さんも音楽室ライブの模様を紙面に載せてくださったわけで、その記事を目にされた音楽祭の実行委の方から誠に光栄ながら新聞社さん越しに熱烈なお誘いをいただいたという顛末であります。
北國新聞さんと読売新聞さんの双方から僕のところに連絡が来たので、その時点で僕はその先にいらっしゃる実行委の方々からのただならぬ熱意、誠意を感じたわけで。
それで直接お話をさせていただくことになるわけですが(その時期はまだなかなかバタバタしてましたのでメールや電話ではあります)、そこで今年の音楽祭開催に対する想いを聞かせて頂くことになるわけで。
やはり元日にああいうことがあって今なお復興真っ只中であるわけで、そんな中まさに石川県で開催される音楽祭ですから、やはり『復興』というのは間違いなく大きなテーマになってくる。
そこで、多くの県民の方が遊びに来られるこの音楽祭において、震災からの復興という観点からいくと、同じ石川県ましてや能登出身で帰省中に被災したピアノ弾きがこの音楽祭に出演する意義というのはとても大きいのだと思います(自負もあります)。
そして今回僕がお誘い頂いたステージのコンセプトが『みんなの「これ聴きたい!」リクエスト公演』ということで、まさに音楽室でやってたような時間です(※さすがにその場でとかじゃなくて事前リクエストを募っておられますが)。
県立音楽堂の中の交流ホールというステージでやらせていただくので交響楽団やフィルハーモニーの方々が出演されるホールに比べると、それこそ音楽室の時のようにグッと距離が近い感じになると思います。
(とはいえ300名収容のホールなので音楽室は流石に言い過ぎました)
※300名収容ってなかなかだから来てやってください
https://www.gargan.jp/program/main/?search=1&cast=7221
なんかすっごく昔のようにも感じるし、ついこの前のようにも感じるんですが、避難所生活をしながら音楽室でライブを開いたあの時間…
僕は本当にただ、物資というものが少しずつもらえるようになってきた時期に「そろそろ娯楽を受け入れるメンタルのスペースが空いたかも」と思って、演者とお客さんという関係ではなく同じ避難者の立場として一緒に娯楽の時間を過ごしましょうっていう感じで作ったあの時間だったわけですが、それが結果的にここまで繋がったわけで。
権威ある音楽祭なのは間違いないし、出演される方々も本当に僕が一緒に並んでるのが烏滸がましいにも程がある方々ばかりで実に身に余る光栄なわけですが、それもそうなんですがやっぱり何よりまたこうやって石川県という場所でピアノが弾けるのが嬉しいです。
短い時間ではありますが目一杯堪能しようと思います。
というお話しでした。
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