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ゲーム感覚に落とし込んだら一気に楽しくなるもので (例:月末棚卸し0.5ゲーム)

読んでくれる人それぞれが自分自身の何かしらに汎用してくれそうな話だったり。と思っていたら先日みたいなピアノアドリブ演奏のコツは云々みたいな、読む人を選ぶというか汎用性がそこまで高く無さそうな少々マニアックな内容もやってきたり。時にただの告知に終始することもあり。

その都度その都度、ただその瞬間に考えている事、書きたい事を書いているものですから日々の話題には一貫性みたいなものはないわけで、要は何かに特化したnoteでは無いと言えます。

だからこそ応援してくれてる方へ向けての日々の発信という枠にとどまらず、たまたま見つけてくれた何かしらの記事を面白がってくれた僕の活動やパーソナルはそれまで知らなかったであろう方が読者になってくれる(マガジン登録してくれる)っていう現象が起きる事も珍しくありません。割とあります。

多少長くここを続けてきた中で、もっと自分の活動にコミットした話を…とか、もっと音楽屋さんピアノ屋さんエンタメ屋さんらしい話を…とか、それなりに読んでいただける人が多いのでもっと日々読んでくださる方が「なるほど」とか思うような話を…みたいなことを思わなかった時期もないのですが、気付けば完全に開き直ってただただ書きたいことを書いてます。

冒頭でも書きましたが、それによって日々の話題や趣旨の一貫性はかなり薄まっていくわけなので、人によっては(テーマとしての)記事の当たりハズレみたいな事もあるでしょうが、書きたい事を書くから読みたい人だけ読んで精神はこれからも貫いていきたい所です。

一貫性があるとすればそこかもしれません。


そんなわけで月末です。

実は昔、居酒屋バイトで「バイトリーダー」というポジションに就いていた者です。

大手チェーン店でしたが、僕が働いていた店舗は社員サンが店長一人で後は全員バイトという感じでしたから、リーダーとしてはそれなりに大事な仕事も数多く任されていました。例えば日々の売り上げを金庫に入金する作業、からの本社に報告する収益レポートのまとめみたいなガッツリ責任が伴うものも含めて。店長が先に帰って僕が店を閉めるっていう日も多々ありましたし。

相当信用されていた気がします。
(実際何度も社員になってくれと言われました)

その分他のバイトよりも多くお金をいただいていたかと言われると、時給が50円ほど高かった程度なのですが、「これだけやってんのに…」みたいな気持ちは当時全然湧かず、それよりもひとつひとつの責任をクリアしていく自分というものに浸っていた気がします。

そんなリーダーの月末日の大事な大事なお仕事に「発注」というものがあったわけで(あ、ホールだったのでドリンク周りです)、とにかく原価率が上がってきてしまうと「もっと下げろ」と注意されたものであります。

そっち系の仕事に従事されてる方なら分かると思いますが、月末には棚卸しというやつがあって、末日の在庫の理想は全て0.5本でフィニッシュするという形でございます。

300席くらいの大型店舗でしたから、ありとあらゆるお酒を揃えていたのですが、お客さんにとって売り切れという状態が一番好ましくはないものの、だからって必要以上に各種ボトルやリキュールを抱えすぎると、当然収益の面で原価率がおそろしく跳ね上がるわけで、いつもギリギリを狙わないといけません。お上(本部)から店長がやいのやいの言われるので。

そしてやいのやいの言われた店長は僕にやいのやいの言うわけなので。

でもこんなもん分からんのですわ。

例えば…

オレンジジュースは常時500mlが2本あれば十分賄えるっていう事実がありました。使用するのはソフトドリンクとしてのオレンジジュース、あとはカシスオレンジだファジーネーブルだっていう一部可愛い系のカクテル。

2本抱えてたらその日の営業終了後には0.5本くらいになっている感じ。

なので残り1本になったら翌朝に1本納品されるように発注するわけで、残り0.5だったら2本。

オレンジジュースに限らず、あらゆるボトル・リキュールにおいてそのギリギリを常に突き続けるわけで、最終的にその月の締め段階で全てが0.5本になってると実に美しいみたいな話です。
これが棚卸し時に0.5本を目指すという理屈。

あ、もちろん月始は各種大量に発注します。
0.5ゲームに向けてヒリヒリしてくるのは20日を超えたあたりからです。
(言ってる意味は分かるかと思います)

そんな感じでいつもひとつのゲーム感覚で発注0.5と向き合っていたわけですが、時にめちゃ面倒な事象が起こったりもします。

居酒屋ですから宴会(コース)のご予約なんかも承るわけで、それは発注前に当然翌日の予約状況に目を通すわけですが、「女子会20名飲み放題」ってのが入っていたとしたら、やっぱりオレンジジュースは普段の数倍発注するわけです。おそらくカクテル攻撃でしょうと読むわけで。

ですがいざ蓋を開けてみたらよりにもよってこぞってビール党だったりすると、とんでもないオレンジジュースの在庫を抱えてしまうわけで、これが月末付近だったらもう最悪も最悪で、棚卸しでオレンジジュース在庫5本なんて報告しようものなら、そういう細かいプロセスを知らない本部からしたら「なんでやねんアホか」の一喝なわけで。

だからってビールや焼酎に逆張りしちゃったらしちゃったでファーストオーダーでカシスオレンジ15個とかやってくる場合もあって、それはそれで飲み放題とか言っておいて「すいませんオレンジ系のカクテル全滅です」となったらなったで、現場では「なんでやねんアホか」になるわけで。
(今みたいに分かりやすくハイボールブームとかでもなかったですしね)

こんな話を読んでいたら、大変とか可哀想とかイチバイトの身で負担抱えすぎでしょとかいろいろ思うところがある人も居るかもなのですが、僕としてはこの人読みの部分も全部引っくるめて、この0.5ゲームが毎月毎月おもしろくてしょうがなかったのがリアルな所です。

正確には、最初はそりゃあいろいろ思いましたし面倒な感情も抱えましたが、どうせやらなきゃいけないんだから自分の中で「これは人のお金を使って自分だけが楽しめる極上のゲームだ!」と割り切った瞬間に、全部楽しくなったという順番が正解。

そこからはセオリーが外れたり逆張りが外れたりして0.5に程遠い結果になった種別が多々現れて「アホか」と言われる時間も、友達とファミコンで協力プレーしている際にこっちがヘマした事で敵にやられた時に友達に言われる「アホか〜笑」と同じ感覚で仕事に臨めたものです。

そうやって「人のお金で楽しめる極上の0.5ゲーム」と角度を変えてみてから、発注・棚卸しという仕事がめちゃくちゃ楽しくなった記憶があって、つくづく物事は考えようだなと自分で勝手に学んだわけで。

もちろんあらゆる事がそんなうまく景色を変える事ができるものじゃないと思いますが、ゲーム感覚で捉えるっていう20歳だかそこらで培ったあの感覚は今の仕事にも活きている面も多分にあるので、良い社会経験だったなとしみじみ。

”月末日”ってだけでふと思い出した話です。

今夜は大阪でのスナック西村です(完売してます!)。

20余年の時を経て、おどろく程違う形ではありますが飲食の時間が仕事として在るのがおもしろいです。

冒頭書きましたようにこんな感じで実に話題・テーマに一貫性のないnoteでございますが、今月も有難うございます。

良い一日を過ごしましょう。


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西村広文 HirofumiNishimura
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