「セッション」が好きである

僕はセッションが好きであります。

そして2行目にして「セッション」の対義語をずっと考えてるんですけど、意外と思いつかない。

ひと言で言い表せる単語は無いのかもしれない。

「セッション」というものにピンと来てない人のために軽く説明したいんですが、とはいえセッションの中でも細分化してまして。

大枠をざっくり説明すると、一番分かりやすい例で言うとセッションの対極に居るのが「クラシック」でセッション側に居るのが「ブルース・ジャズ」

謎にお笑いで例えてみると、ネタをしっかり作って稽古をたくさんしてコントや漫才をきっちりやるのか、ノープランで出ていってフリートークをするのかっていう違い。

要は楽譜(台本)に沿って忠実に(時に大胆に)パフォーマンスを発揮するのか、筋書き無しでノリで突っ走るのか。

僕は前者のようなクリエイティブな時間も当然大好きなんですが、プレイヤーとしてはセッションも大好物です。

最近はあんまりそういう言い方をしなくなりましたが「ジャム」とかも呼んだりします(ジャムろうぜ〜みたいな)。

そのセッション的音楽の元祖とも言うべき「ブルース」というのは、アメリカにまだ奴隷制度があった時代にアフリカから強制的に連れてこられた黒人奴隷たちによって発明された音楽だったりします。

生かさず殺さずの生活を強いられている彼らの唯一の娯楽が音楽だったという背景もあります。
※この辺りの歴史はなかなかおもしろいので気になった方は掘り下げてみてください

僕もオリジナル曲を作ったりする側なので分かりますが、クリエイティブを重ねて作品を創ってそれをステージで披露するのは「音楽を楽しむ」という部分とは別で「作品を届ける」という側面もしっかり存在します。

それに対してセッションはただただ純度100%で音楽を楽しむのみ。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』大阪公演の期間中はその対比が如実に現れてて、公演は「作品をしっかりお客さんに届ける」という気持ちで音を出していましたが、幕間だったり休憩中だったりはただただ好き勝手音を鳴らして、誰彼かまわず歌ったり踊ったり。

それこそ先日の天才万博でステージ転換中にセトちゃんが会場BGMに合わせていきなり踊り出してましたが、あれもセッション。

振り付け師が居て振り付けがバキバキに決まっててそれをハイクオリティで踊りきるとかじゃなくて、ただただ自分の好きなように勝手気ままに踊る。

踊るのが好き!踊りたい!だから踊る!

その一点だけ。

飛び入りでやった「スコップのテーマ」もそう。

これはフリートークというよりも「スコップのテーマ」という曲(台本)あり気ですが、だからってこの曲を演奏をきっちりお客さんに届けようとかじゃなくて、ただただ自分たちがこの曲を利用して遊んでいるだけ。
(よしつぐさんはしっかり緊張してましたが)

それを皆さんがお酒飲みながらガヤ入れながらただただ楽しむ。

これも立派なセッション。

ノープランで飛び込んでいって「まあ誰かが一音鳴らしたらなんとかなるさ」っていうノリが大好物です。

ただこのスコップのテーマの時間に関しては…

「大阪公演であれだけきっちりクリエイティブをやった」という事実があってからこの(グダグダ)セッションっていうコントラストが素敵なんだろうと思います。

やっぱセッション好きだわ〜と改めて思った夜でした。

だからこそそのコントラストをしっかり描けるように、引き続きクリエイティブにも精を出さないとねとも思う今日でした。

また頑張ります。

ではまた。

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西村広文 HirofumiNishimura
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