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推し活をしている人へ 『衣食住』を保っているという事をどうか誇ってください

仕事柄、各SNSでフォローさせて頂いている人はエンタメ畑の方が多いわけなので、ふとタイムラインを開けば昨日も今日も明日も応援を訴求する発信に溢れております。

バンドマン、アーティスト仲間が日々ご自身の何かしらのライブの宣伝、すなわち集客のお願いをしていたり、大規模な挑戦となると時にクラウドファンディングを立ち上げて支援を募ったり。

それは何も音楽関係に限らず舞台だったりその他イベントだったり、時に商品の購買だったり、実に様々な応援・支援を求める声(発信)が引っ切り無しに目に入ってくるかと思います。
(飽和状態と言ってもいいレベルかもしれません)

その需要と供給は、お客さん(ファン)という存在が居てくださってこそで、チケットを買ってくれたり商品を買ってくれたりクラファン支援をしてくださったり、そしてライブやイベントに出向いてくださる(宿泊・交通費含)という行動があって初めて成り立ちます。

誰でも分かってる極々当たり前の仕組みを書かせてもらってますが、その当たり前を改めてちゃんと強調しておきたくて、エンタメ界隈の人間がライブやイベントに来てもらえたり、商品を買ってもらえたりリターンに出資してもらえたりする事は、推し活をする側の「日常」があってこそ初めて成立する話なんであります。

収入も含めた日常の生活環境をご自身でしっかり保ってくれているからこそ、そこにお金と時間をかける事ができるわけです。

便宜上“一般職”と呼ばせていただきますが、そういう方々の嗜好品、贅沢品というポジションでご飯を食べさせてもらってるのがエンタメ側の人間です。

それぞれに日常の生活の中での別腹があるからこそ推し活というものが成り立っているわけで、ちょっと汚い話で申し訳ないですが下痢でめちゃくちゃ苦しんでる時はやっぱりお粥やうどんなんかを頂くわけで、そこで焼肉や寿司をかっ喰らいに行ったりお酒を飲みに行く事はないでしょう。
(あるならやめとけ)

今月の家賃・生活費がギリギリだって時に温泉宿の予約は取らないでしょう(ありそうな勢いを持ってる人はマジでやめとけ)。

次の給料日まであと一週間、5,000円で頑張らねばって状態でオシャレのために髪のカラーリングにその5,000円は突っ込まないでしょう。

広く捉えると僕らの仕事はその焼肉や寿司や温泉宿やカラーリングと同じ所に存在しているわけで、どこまでいっても推す側ご自身の衣食住をご自身で担保していただいてるからこそ僕らは「仕事」をさせてもらえるのです。

そんなことは考えるまでもなく当たり前の話だと思われるかもしれませんが、その当たり前を失ってみたらば、こうやって分かりきってる当たり前を常に常に思い返すようになりました。

年明け、当たり前の衣食住を失った避難所という環境に身を置き始めた瞬間、恐ろしくエンターテイメントを受け付けなくなりました。

そんな余白は一ミリも持ち合わせていなくて、日々考える事は物資の情報であり断水の復旧見込み情報であり、家族の健康状態であり、明日は朝ごはんが食べられるのかであり、毛布が欲しいな、水は今日も1本だけかな、であります。

なんとなくペットボトルの水がそれなりに頂けるようになり、朝・昼・晩と少しずつ食事が頂けるようになり、余震の頻度も少しずつ緩やかになってきて、敷布団や毛布の差し入れが届いたりするようになってきて、「日常」には程遠いんだけども、それなりに食事はさせてもらえて暖も取れるようになってきて、風呂に入ってない状態にも、数人分の排泄物をある程度便器に溜めてからバケツで流す(水がもったいないからね)という状況にもすっかり抵抗がなくなって、変な言い方ですが避難所生活が板に付いてきたくらいで初めてエンターテイメントの咀嚼をする余暇が生まれてきたのであります。

これは僕だけじゃなくてあの場に居た皆がそんな感じだったんだから事実です。

それ以来、僕はこんな感情をファンの方に持つようになりました。

「衣食住を日々保ってくれてて本当に有難う」


「ライブに来てくれて有難う」
「ここを選んでくれて有難う」
「支援してくれて有難う」

推し活をしている方はよく言われる言葉かと思います。

それは本当にそうなんですが、それより何より「日々一生懸命お仕事をされてご自身の衣食住を保ってくれて有難う」とファンの方に心から思うようになったのが2024年です。


スナック西村とかである程度酔いが深まってくると、たまにお客さんにこの話をします。たまにと言いつつ、一度や二度くらいしかした事ないかもしれません(聞き覚えある方も居らっしゃいますかね)。

ひと度この話をし出すと、「いやいやそもそもあんた方がご自身の衣食住をしっかり守ってくれてるから、こちらはライブやイベントを演れるんであって!だからその事実をもっと誇ってくれよ!」と、感謝を述べてるはずなのに説教みたいなトーンで捲し立てちゃう始末です。

「日々、衣食住を保ってくれて本当に有難う!」なんてセリフを、とんでもない説得力を纏って心の底から吐き出す自分なんて今までまったく想像してませんでしたが、本当にそう思いますよ。

だから推し活というものに勤しんでいる方は、ぜひその自負を持っていただきたいです。とんでもなく凄い事です。


という話をすると決まって…

「いやでもエンタメがあってくれるから心が救われて、また次の楽しみがあるから仕事が頑張れる(働ける)んですよ」という返しがだいたい来ます。


“持ちつ持たれつ”

いい言葉やねぇ。



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西村広文 HirofumiNishimura
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