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どちらが守った側で、どちらが守ってもらった側なのか。

『5年ぶりの仙台宴奏会』というなんともどストレートなタイトルを名付けたアカシアオルケスタの仙台ワンマンが昨夜ありました。

いつもの事ながら「こんなライブだった」「この曲はああだったどうだった」みたいなライブレポ的な要素は盛り込みません。
個人的に演者としてのセルフライブレポには消極的なタイプで、それはその日観てくださった方それぞれが持ち帰って頂ければそれだけで。
その延長で個人的にレポを書かれる方はよろしいように。

この公演タイトルをつけた時は「2019年ぶりだから」という記憶がハッキリしていたのでシンプルに5年ぶりと銘打ったんですが、実は実はどうやら前回の公演日が2019年の9月8日という事で本当に丸々5年ぶりだったみたいで、これ以上ない文字通りの『5年ぶりの仙台宴奏会』だったようです。
※たまたまです

会場はJAZZ-VILEVAN(ジャズ-ビレバン)という仙台市内の老舗のジャズバー。なんと1981年オープンの大老舗。
店内の壁には日本のみならず世界の著名なジャズマンたちのサイン、サイン、サイン。写真、写真、写真。
(その道の人が見たら身震いする本当に歴史的レジェンドたちがずらり)

いろんな縁や巡り合わせがあって、そんなとんでもない老舗ジャズバーでアカシアオルケスタは10年以上前から年に1回(時に2回)、ワンマン公演を重ねてきました。

この時期にビレバンでワンマンを演るっていうのはいつからか恒例になって、毎年この時期にはビレバンという場所、そしてそこにいつも居てくださるオーナー夫妻(サムネ)、スタッフさんと当たり前のように年イチ(時に2)の再会の時間があったわけで。

それが2019年を最後にパッタリ途絶えたのは、何を隠そうコロナ禍であります。

記憶に新しいのか古いのかもう分かりませんが、あの時期は真っ先に“ライブハウス”という存在が槍玉に上げられ、時を同じくして飲食店という存在も一斉に休業に追い込まれたわけなので、その両方の側面を強く強く持っている「ジャズバー」という存在にとってはもう最悪の事態であります。

幾多のライブハウスや飲食店がクラウドファンディングを敢行して命をなんとか繋ごうと奮闘している最中、例に漏れずこのビレバンもクラファンにチャレンジする事になるわけですが、おそらくその部類の話に関してはそこまでリテラシーは高くなかったんじゃないかと思います(邪推ですが)。

そのクラファンに合わせてTwitter(当時)のアカウントも2020年4月に開設されているので、今まで全く手を伸ばしてなかった部類の世界に死に物狂いでチャレンジされたのだと思います。

ここでアカシアオルケスタとビレバンの関係性みたいなものが如実に現れている話がひとつあって…そのビレバン存続のクラウドファンディングのリターンにアカシアオルケスタが組み込まれたのです。

僕たちはそのクラファンリターンのためのグッズ・コンテンツを数点用意させてもらったわけで、要はビレバンのクラファンページがアカシアオルケスタの限定グッズ・コンテンツのECサイト化するという建て付け。
(売り上げは全てビレバンに入る)

そのハコにお世話になっているアーティストがSNSでクラファンを発信したり応援メッセージを寄せたりっていう事はよくありますが、ハコのクラファンリターン一覧の半分がビレバンからのお礼コンテンツで、もう半分がアカシアオルケスタの限定コンテンツという状況はなかなか稀有…というかそんなクラファン存在したことある?という話かと。

ハコ側のそういう企画力として、今まで出演してくれた色々なアーティストからのリターンを用意する…みたいな立て付けの一環ならともかくひたすらアカシアオルケスタ押しのリターンだったわけで、そこまで聞くと双方の関係性がいかに強靭に築き上げられてきたのかというのはご理解いただけるかと思います。手前みそな話ですが。

それが2020年春の話。

そこからちょっと時間がかかっちゃいましたけど(バンドもその間にちょっとバタついたので)、昨夜5年ぶりにオーナー夫妻と再会した時に何度も何度も言っていただいたのが「あなた達のおかげで店が続いた」という言葉。
数えきれないくらいの「ありがとう」と共に。

そう言っていただけた時にクラファンに尽力されてる頃の事を一気に思い出していろいろ思うところもあったのですが、こちらとしては支援とか“おかげ”とかそんな話じゃなくて、年に一回帰る場所が無くなられちゃ困るし、オーナー夫妻はじめスタッフの皆さんとあそこで再会できなくなるのもすこぶる嫌だというただのエゴ的感情で尽力したのみで。

むしろ生き延びてくれて有難うとこちらがお礼するべき話で。

そして、いろいろお話をしている中で「あなた達のおかげで店が続いた」という感謝のもう一手先に「ちゃんとあんた達が帰ってくる場所を守っておいたよ」という並々ならぬ気概も感じたのであります。

人も場所もなんにも変わってませんでした。
まだまだ大丈夫だなと思いました。

「そんな会話のやり取りをこんな人さまが見る場所でわざわざ書くなんて無粋な事するんじゃないよ」とママに怒られそうなものですが。
(でも書きたかったんだもの許して)


そんなわけで仙台あたりにいずれ用事がありそうな方は、ふらっと飲みにでも行ってみてください。
https://www.vilevan.jp/

以上でございます。



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