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2025年100個の目標の1つ目(前編)

「新年になったらその年の目標を100個書き出す」
と言う話を聞いたのでやってみた。
しかし自分は野心が無いのか無欲なのか、結局50個しか思い付かなかった。
こんな事なら「目標を100個書き出す」という目標を最初に書くべきだった。

1番最初に書いた目標は「R-1グランプリ優勝」。
ピン芸人なら誰もが目指す目標である。
しかし2025年1月18日、一月も経たずしてこの目標は準々決勝敗退という形で終わる事になった。

遡る事約1年前、2024年のR-1グランプリは2回戦敗退だった。
過去の準決勝進出者が持っているシード権で1回戦免除だったので実質初戦敗退である。
ちなみにこの時のネタはとてもとてもウケた。
いわゆる「西村ヒロチョコンピレーションアルバム2分ver.」で、ライブや営業でウケるくだりをこれでもかと詰めたネタ。
手応え十分だったのでネタ終わりに満面の笑みで2回お辞儀をしたくらいだ。
ネタを見ていた後輩の作家も「これでダメだったら意味わからないです」と言っていたので安心していた。
そして結果を見て僕は「意味わからん」と叫んだ。

この時から「もう普段やっているネタは賞レースでは通用しないのかもしれない」という不安を抱える事になった。
だから今年はコントで賞レースに挑戦しようと決めたのだ。

しかし人生は壁や山があるもので、特に今年は「意味わからん」ような事が続くのであった。
まず2回戦。
幸運な事に今年もシード権があったので去年のリベンジと意気込んで向かったがエントリー費の2000円を忘れてしまった。
これは完全に自分が悪い。
たまたま同じブロックに1回だけ学祭で一緒になった事がある他事務所の後輩、ぶたマンモスの山下大車輪くんが出場していたのでPayPayで送金して2000円を工面する事ができた(自分の名誉のために言っておくとちゃんと色を付けて2500円送金した)
ネタは「まぁ通過するだろう」といった感じのウケで、山下くんに何度もお礼を伝え、出場者受付の人に「エントリー費もいつかキャッシュレスになるといいですね」と捨て台詞を残し会場を後にした。

当日の夜結果が出て僕は不合格だった。
「なんでやねん」と叫んだ。
これじゃあ後輩から金を借りて落ちに来たやつじゃないか。
ただ、僕は「絶対追加合格する」と思っていた。
ウケたんだから大丈夫、と確信があったからだ。
その数日後、追加合格者が発表されそこには僕の名前が載っていた。
「ほれ見ろ」と叫んだ。
よく叫ぶ芸人だ。

3回戦にコマを進めるとマネージャーから電話が来た。
「東京で行われる3回戦の日程がミュージカルの舞台本番と丸かぶりで出場できないです」
「だから3回戦は大阪で受ける事になりますがいかがでしょうか?」
急な話に焦りすぎて笑ってしまった。
「え?3回戦もコントやるつもりだったのに…大阪?大阪でコント?こわっ、じゃあいつものロマンティックネタ?大阪でウケるか?」
答えのない自問自答を繰り返した結果、慣れない土地だからこそいつものロマンティックネタで挑もうと決めた。

そして大阪3回戦の10日前。
ミュージカルの本番中、左ふくらはぎに激痛が走った。
本番を終え翌日の朝整骨院に駆け込むと「肉離れ1歩手前です」と言われた。

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