星の時間
ミヒャエル•エンデの「モモ」を実は読んでないのですが、この冊子を本屋さんで見つけ、面白くてすぐに読んでしまいました。
モモという女の子が主人公の有名な童話なのは、みなさんご存知だと思います。
効率性を重んじて時間を作っているつもりがかえって忙しくなっている現代社会に対する、アンチテーゼのような物語なのかもしれません。
そして、自分もそのような社会に翻弄されている気がします。
さて、この解説で特に面白かったのが、「星の時間」についてです。
この「星の時間』と言うのは、「モモ」によると、
あらゆる物体も生物も、はるか天空のかなたの星々にいたるまで、まったく一回きりしかおこりえないようなやり方で、たがいに働きあうような瞬間のことだ。
とあります。
まるで、シンクロニシティのことを言っているみたいですね。
そして、筆者の河合俊雄さんは、
動くのが早すぎると物事はうまくいかない。うまくいくタイミングが「星の時間」なのです。
中略
クロノスとはいわゆる普通の時間の流れ、カイロスとは時のめぐりがちょうどぴったり一致する時のことです。言い換えるならば、「時計で計れる時間」と「時計では計れない質的なタイミング」です。
時間については、時計が刻む時間と体感の時間が違うのは、誰でも実感があると思います。
例えば、楽しい時はあっと言う間に時間が経つのに、退屈な時は長く感じます。
これも時間の質と関係あるかもしれません。
宇宙に目を向けて見れば、今目に見えている星の輝きが何万年も前のものだったりして気が遠くなりますが、時間が目に見えるようです。
時間が伸び縮みしたり、ベストなタイミングを知ったり、はたまた座禅や瞑想で悠久の時間を体験したり。
時間って面白い。時計の指す時間とは違う時間があるようです。
さて、この「星の時間」ですが、何となくタイミングがよくて上手くいってしまうことが、たまに(時々?)あります。
努力とか準備した量より、タイミングが合えば、うまくいってしまうのです。
もちろん、わたしは神ではないので全てうまくいく訳じゃないし、測ったように完璧な結果ではないけど。
でも、このタイミングがうまく掴めればいいな、と常々思っています。
ちょうど、サーフィンでうまく波に乗る感じでしょうか。
(そのためには、良い波を見分けたり、待つ時間も必要)
占星術は、この「星の時間」と自分を合わせる技術なのかもしれません。
今、うまくいってないことがあったら、また、悩んでいて一歩も動けないことがあったら、時を味方にするのも良いかもしれません。
時計の時間から離れて、ちょっとの間、自分の時間を味わってみませんか?
自分の生きている時間がじつは豊かであることに気づくかもしれません。地位とか功績は関係ないのです。
「モモ」はその他にも沢山のことを教えてくれそうな物語です。
近いうちに是非読みたい本です。