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松谷みよ子「モモちゃんとプー」

子供の時に読んだ児童書を、今読み返すと懐かしいと共に当時の感覚が戻ってくるようです。

この本はモモちゃんシリーズの2作目。
久しぶりに読みたくなり、図書館で借りてきました。
小さいモモちゃんの3歳から小学校へ上がる直前までのお話しです。
モモちゃんと黒猫のプーの可愛さったら!!読んでいてニコニコしてしまいます。

子供の頃の私には、ママの暖かくて甘い匂いを感じる本でした。
自分の母親と比べて、ちょっぴり羨ましかったのかも。

今、改めて読み直してみると、モモちゃんやプーが現実と夢の間を行き来したり、動物やモノや海がお話ししてコミュニケーションとったり、、
子供の時の感覚が生き生きと描かれていて、本当に傑作だなぁーと思うのです。

松谷みよ子さんは、民話に造詣が深い方なんですね。
私たちのDNAの奥深くに共通して持っている原型、それは善悪を超えたもの、、ある意味、神話の世界にも通じるもの。
それがこの物語にも反映されているのかもしれません。
半身が牛で半身が鬼の「ウシオニ」が出てきたり。
この「ウシオニ」は、モモちゃんの影を盗むのですが、ママのモモちゃんへの思いで必死に影を取り返します。
そして、「ウシオニ」は改心します。
こういう時にパパは何の役にも立たないところが面白いです。(現実世界でも、いざとなったら母は強し、ですね!)

最後に、私が好きな児童書は、ユーモアのセンスがあるものです。
子供こそ、道徳的なマジメくさったお話には食指が動かされないような気がします。
微妙なおかしさとほんの少しの悲しみのようなものが盛り込まれているお話が、私は好きです。


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