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Long live the King "Elvis"!

野暮なこたぁ言わないぜ、観て、感じようぜ!👍… と以前別のSNSで書いたのは約3年半前、「ボヘミアン・ラプソディ」の時。エルヴィスにしても皆さんの中にも詳しい方々はおられるし、あたしなんてビリー・ジョエルのカバーを聞いて知った位。だけどこれはどうしても観たかった。近所の商店街で流れる若干ピロピロしたBGM(Can't help falling in loveやUnchained Melody)を聞く度に、ああ行かなくちゃと。そんな訳でこんな微妙な状況下、ちょいと渋谷へ。

キラキラとした籠の中、辣腕マネージャーや家族との共依存関係でもがきながら、生み出された結晶たち。けれどそれが彼の生い立ち、南部のブラックコミュニティで培われたリズム感や音楽観に裏打ちされ、公民権運動など当時の社会状況の影響もあるとは知らなかった。役作りに3年をかけたというオースティン・バトラーは、憑依したかのようにエルヴィスを演じきっていたが、似せるというよりもむしろ、エルヴィスという1人の繊細で孤独な人間の内に深くアプローチしていた。そして何と言っても、辣腕マネージャー、パーカー大佐役のトム・ハンクスの怪演、これに尽きる。以前自ら脚本、監督を手掛けた「すべてをあなたに」で演じた、ビートルズ的ボーイズバンドのプロデューサーの時よりも、遥かに楽しんでいるようにさえ見えた。

もっとエルヴィスの曲を楽しみたかった感はあるけれど、初めて様々な背景を知り、自分の人生を生きる難しさなども考えさせられた。なんとなく井伏鱒二の山椒魚を思い出した。

FYI: 「すべてをあなたに(That Thing You Do, 1996)」
🎬 https://youtu.be/ajNTIklt8do

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