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ゲームにあまり馴染みのなかった私がUNDERTALEに狂うまで

「誰も倒さなくていいRPG」と謳われる名作ゲーム・UNDERTALE(アンダーテール)。

私のような一介のオタクがわざわざ筆を取らずとも、既に世界中でたくさんのプレイヤーがその素晴らしさを語っている作品です。

しかし、トリエルやサンズ、パピルスにアンダイン……と、魅力的なモンスター達が待っているあの世界で冒険を続けるうちに、「この滾る熱を自分の中だけで抑え込んでいるのは無理だ!」と強く感じるようになり、この場をお借りしてつらつらと想いを書き連ねることにしました。

最後までお付き合いいただければ幸いです。

なお、本編(N・Pルート)のネタバレをふんだんに含んだ内容になりますので、「未プレイ部分の情報はシャットアウトしたい!イヤッ!(ちいかわ)」という方はご注意ください…!


「RPGってこういうもんだよね」が覆された、英雄アンダインとの出会い

私とUNDERTALEが出会ったのは、2023年の秋頃。

それまでゲームといえば時々スマホでPUBGなどのソシャゲを遊ぶ程度だったのですが、SNSやYouTubeなどでちらほらUNDERTALEなる作品の名前を目にし、溢れる好奇心を抑えられぬままSwitch版を購入しました。

どこかレトロな雰囲気も感じさせる音楽や世界観にワクワクしつつ、フラウィの洗礼(名言「この世界では殺すか殺されるかだ」誕生の瞬間)を受けたり、どこの馬の骨とも知れぬニンゲン(プレイヤー)を手厚くもてなしてくれる皆のママ、もといトリエルに癒されたりしながらストーリーを進行。

Toby Fox氏すげえっすなぁ~…とゲーム自体の完成度の高さに感嘆しながらスノーフル、ウォーターフェルと歩みを進めていたのですが、私の胸中には常に何か引っかかるものがありました。

RPGといえば、街や森で出会うモンスターと戦い、技を駆使して打ち負かし、自身のレベルを次々上げていき、最後にボスキャラへ挑むもの。微塵も疑いを抱くことがなかったそんな固定観念が、少しずつ揺らいでいくような感覚。

思い返してみれば、最初にいせきで出会ったフロギーはちゃんと言っていました。「モンスターが戦いたくなさそうにしていたら(=名前が黄色くなっていたら)、見逃してあげてほしいケロ」と。

しかし、冒険を進めるなかでモンスターに遭遇し戦闘が始まれば、結局悩むよりも先に「たたかう」を選んでいる自分がいました。これこそがこの世界において正しい選択だと、体が勝手に判断してしまっていたのです。

地底世界の英雄、アンダインとの戦いを経験するまでは。

最初の方は「とにかくニンゲンを敵視しており、こちらを見つけるたび容赦なく襲ってくるおっかねえ存在」という印象しかなかったのですが、いよいよ彼女と戦うぞ!となったその時、後ろから思い切り殴られたかのような衝撃を受けました。

この世界(「UNDERTALE」という作品)における主人公は自分などではなく、アンダインなのではないか?と。

RPGというゲームの性質上、恐らく私以外にも多くの方が「ゲームを操作している自分側が主人公(正義)であり、モンスターやボスキャラは敵対すべき存在(悪)」だと、無意識のうちに思い込んでいるのではないでしょうか。

もちろんそれも一つの正解でしょう。それでも、長い戦いの末に地底へ閉じ込められた彼等にとっては、突然現れて武器を振るってくるニンゲンこそ恐ろしい「悪」なのではないか。私はアンダインと戦い、何度も追い詰められながら打ち負かしたあと、ようやくそう考えるようになったのでした。

あと、「ぬああああ!」の前口上と例の音楽、格好良すぎます。痺れました。


「誰も殺さない」Pルートで直面したあまりにも重い“しんじつ”

アンダインと別れ、ドジっ娘天才科学者・アルフィーや、彼女が誤って生み出したわくわく☆殺人ロボット(誤って生み出すな)メタトンらとの交流も経て、ついに出会ったアズゴア。

自ら「みのがす」コマンドを破壊し、きっと本心では望んでいなかっただろう攻撃を繰り出してくる王さまに手を差し伸べようとした瞬間、“奴”が再び姿を現しました。

そう。皆のトラウマ、フラウィ戦です。

Toby Fox氏、もはや超ド級の変態では?(褒め言葉です)と言いたくなるような「最高の悪夢」が終わり、トリエルやアンダインを失ってしまった地底世界の結末をサンズ達から知らされました。

嘘だろ、こんなに呆気なく終わっちゃうの……?と何とも言えぬ寂寥感を抱いたのもつかの間、またフラウィがやって来てこう言いました。「今度は誰も殺さず、僕のところまでおいでよ」と。

こいつ、マジで何者?ゲーム中のキャラクターという概念を超えて、もはや我々プレイヤーに語りかけてきてない?と思いながら、いよいよUNDERTALEの真骨頂ともいえる「誰も倒さなくていいRPG」(=Pルート)をスタート。

こちらの行動によってモンスターがユニークなリアクションを見せてくれたり、一度は悲しい別れを経験してしまったアンダインとワイルドクッキングを楽しめたりと、Nルートでは知れなかった魅力がたくさん詰まっていました。(めちゃくちゃ格好良い「Spear of Justice」がギャグBGMっぽくなっていたのもツボだった)

しかし、平和で優しいPルートの雰囲気にすっかり油断しきっていた私は、またもや背後からの凄まじい一撃を受けることになります。

アルフィーとのデートイベント(正確にはアンダインとアルフィーのデート?)が終わり、パピルスに促されるままアルフィーのラボへホイホイ赴いたがゆえに、あの「しんじつ」を知ってしまったのです。

彼女が長い間、どんな研究に身を投じていたのか。人懐っこくて可愛い笑顔の裏で、どれほどの葛藤や恐怖に耐えていたのか。お前がやったことを知っているぞ、なんて手紙も届いていたようですし。

正直かなり苦しく、あのパートはなかなか先に進めませんでした。

しかし、最後には皆に全てを打ち明けよう、逃げ続けるのはもうやめようと判断できた彼女は、本当に偉大な科学者だと思います。自分がアルフィーと同じ立場だったとしたら、遺族や大好きな仲間達にしんじつを伝えられるかどうか自信がありません。

バリアが壊れ、地上へ戻る前に彼女は王室研究者を解任されたようですが、きっと新しいでは自分を偽ることなく、幸せに暮らせていることでしょう。アンダインともお幸せにね。


最後に

現在、あまりにも幸せな結末を知ってしまったゆえに一度は「諦めようか」とも考えたGルートをプレイ中です。

なんではじめちゃったんだよ。辛いよ。でもお前のことをもっと知りたいからやらずにいられないんだ。ごめんな、UNDERTALE。もうDV彼氏のようなセリフしか出てきません。

まだストーリーの途中なので詳細は伏せますが、最後まで心折れることなく「ほんとうのおわり」を見届けることが叶った際は、またこちらで感想を綴りたいと考えております。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




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