地球の最後にかぎたい香り
地球最後の日に何を食べるのか?
僕はズバリ!『お刺身御膳』に決めた。
以前、あれほど具合が悪くなったお刺身が平気で食べられる程に身体が回復したのだ。
地球最後の日は『お袋のあの味噌汁です』などと感慨深げに、うっかり発言する人がいる。
余計なアドバイスだが『お刺身御膳』なら、味噌汁はおろか、お刺身、ミニ天ぷら、ミニ小鉢と茶碗蒸しまで付いてくる。
しかもプラス150円程でお味噌汁が豚汁にチェンジ可能な上、次回50円引きのクーポンまで付くときたもんだ。(地球も最後だが、このサービスは嬉しい)
地球最後の日。和服姿の中居さんが『お刺身御膳』を僕に運んでくれる。この女性にも家族がお有りだろう。
(なんだか気の毒なことをした)
そしてそんな『お刺身御膳』を頂く僕の姿を横目に、お袋の味噌汁をすする人はきっと後悔する。(僕も気まずいし)
ただしかし。
僕は地球最後の日に『かぎたい匂い』は蒸米の香りだ。
酒蔵に立ち込めるあの蒸米の香りを吸い込むと、エネルギーが身体に充満し、不思議な安堵感に包まれる。
今、全国の酒蔵は新酒出荷のシーズン。
ずっとずっと包まれていたい大切な香りだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?