木桶
1月のパネルクイズアタック25の海外旅行を賭けたクイズ。
その最初に八丁味噌の写真が出てきたので、僕はものの2秒で
『オカザキ!世界のオカザキー‼︎』
と一人狂ったように絶叫していた。
そして僕はその岡崎で現役を終えた味噌の桶をひたすら見て回った。
木桶は最初に日本酒用に30年ほど使われる。
次にお醤油のお蔵に売却され
最後にお味噌(もしくは漬け物)のお蔵へと桶に生息する菌も含めて受け渡される。
要は、漏れ易いものから漏れにくいものへ
『発酵菌付きのバトンタッチ』が為される訳である。
大型木桶の生涯は一般的に100年から150数年。でも、それも昔の文化である。
今、木桶製作のできる職人は完全に途絶えつつある。
日本人が神社仏閣を守って来た様に醸造文化を担ってきた木桶製作技術も是非残すべきだ!
このまま伝統の発酵技術の核となってきた木桶(製作する職人の技術)が完全に失われたとしたら。
和食はその基盤、その多様性をも失ってしまう。
もしも、そうなったら日本酒の愉しみも何か味気ないものになってしまうと思いませんか?
『毎年1月に小豆島で木桶復活の動きがある。一緒に作りませんか!』と、あるお蔵に声を掛けて頂いた。
絶滅を阻止しようとする若い蔵元の言葉は心に染みる。そして自分は無力過ぎる。
愛知県の最後に八丁味噌が染みた『煮込みうどん』を食べてたら、穴という穴から涙と鼻水も漏れ出してきた。