スペクトラム 音楽を聴く趣味が趣味でなくなっても…それでも聴く音楽Part2
音楽を仕事にしたら、音楽が「鑑賞」できなくなってしまった…でもそんな状態でも聴いてしまうアーチストがこれ!
という記事を書きました。
どんなアーチストたちか、おさらい
どんな音を聴いても、頭の中で分解が始まり、コード進行、リズムセクションの構造、曲の構成などが頭の中を占領して、何もできなくなります。
車乗ってても目に入ってくる情報が処理できず。
そんな状況なのに、それでも聴けるアーチストたちを分類したら、こんな感じになりました。
(1)分析するのも野暮な自然な音楽
(2)分析したけど無理!ごめんなさい!
(3)もはや総合芸術、土下座します
それぞれのアーチストは
(1)がゴンチチ、小野リサ
(2)がスティーリー・ダン
(3)がジャンゴ・ラインハルト&ステファン・グラッペリ、ケンブリッジ・バスカーズ、ジョン・フレッチャー
詳細は是非前の記事をご覧ください。
今日はそこに追加!
孤高のブラスロック スペクトラム
(3)の「もはや総合芸術、土下座します」に当たります。
圧倒的演奏技術を引っさげ、当時の日本では全く前も後ろもいないブラスロックというジャンルで唯一無二の存在をわずか数年だけで示した伝説のバンド。
キャンディーズのバックバンドだったMMPを核に、スタジオミュージシャンで構成した、超テクニカル集団。
自分は演奏も本腰入れてたので、テクニックが無いと聴けなかった(嫌な耳だ)のですが、この連中の音と来たら…
全パートが超絶テクニックを要求されるので、大学生2年の時に奇跡的にメンバーが揃った1年間だけコピバン活動ができました。芸術系のカリキュラムがある学校じゃなければあり得なかった…
当時の吹奏楽のトランペッターは軒並み楽器をくるくる回すガンアクションに挑んで楽器を落としてました。
中世の騎士をモチーフとした派手な衣装と、演奏のパフォーマンスも加え、総合芸術だったなー、といまだにそれしかない姿は見て聴いてしまいます。
↑説明が長いのは、入れ込みが半端ないからです。
とてつもなく鮮烈な印象を与えたデビュー盤。ホーンの爆裂的な音がそれまでのなだらかな発展をする日本の音楽シーンにクサビを打ち込むような存在。
さらに音楽性を広げて、ダンサブルな曲から実験的な曲まで。彼らのポテンシャルの限界がますます見えなくなるような音を聴かせてくれる。
彼らの特徴である「ストーリー性のあるアルバム」の真価を教えてくれる一枚。活動の幅を広げてポップス路線での露出が多くなってきたが、このアルバムではオペラのような壮大な世界が表現されている。
再び疾走感のあるパワフルな路線。彼らの真骨頂である「カッコいい!」をストレートに押し出したアルバム。それまでと異なるテイストの顔出しジャケットは、彼らが確固たる地位を確立できたことを表しているよう。
ブラスバンドクラブのサブタイトル通り、吹奏楽部をテーマにした全編遊びが満載の作品。音楽で遊ぶには超絶テクニックありき、ということは言うまでもない。ただ笑えばいい朱玉の時間。
6作目が解散コンサート。わずか2年とちょっと。それだけの活動でかつてのラッパ少年たちの記憶に数々のフレーズを刻み込んでしまった彼ら。そのフレーズは30年経ってもまだ錆びることなく頭の中に鳴り続けている。
解散はライブ盤。実は彼らの真骨頂であるパワフルな音は、リアルなライブよりスタジオ向き。そのため、ライブではパワー回復を必要とするため、彼らのペースで時間が作られる。もちろんこちらは身を委ねるだけ。
スペクトラムの魅力は音楽性の高さ、テクニックはもちろんだが、ライブパフォーマンス、ステージの演出まで含めた「総合芸術」。
映像も是非ご覧頂きたい。
語るもおこがましい存在
なんかレコード雑誌風になってしまいました。それほど彼らのことを書くのは緊張するのです。
短い活動期間で伝説のような音を残した彼らの存在は、リアルで触れた人はもちろん、後から聴いた人にも、それぞれのストーリーで刻み込まれてしまっているから、変なことは書けない。
あくまでも自分の考えですから、お手柔らかに。
自分はクラシックのピアノを習って、そのあと吹奏楽部に在籍して、ある意味クラシック畑でスタート。そこに彼らの音と姿が飛び込んで来た訳です。
ある意味、音楽って広いんですけど、という当たり前のことを当たり前のように教えてくれた存在。
その後バンドをやるときも、ブラスセクションを入れると、一気に他のバンドにない音が作れて、本当に楽しい思い出ばかり。
そのあとも色々と追いかけて、
TOPS
東京スカパラダイスオーケストラ
The Thrill
ピストルバルブ
在日ファンク
なんかも聴いてます。どうしてもホーン好きはやめられぬ。