音楽を聴く趣味が趣味でなくなっても…それでも聴く音楽 ハイノートの世界
前回までの記事はこんな感じ
・音楽を仕事にしたら、音楽鑑賞の趣味が成立しなくなった
・それでも聴いてしまう音楽はあった
(1)分析するのも野暮
(2)分析できません、ごめんなさい
(3)凄すぎて分析などできません、土下座
そこに、(4)超絶テク見たい!という理由もある!という記事を重ねました。
前回登場したミュージシャン
渡辺香津美氏、チャー氏です。チャー氏ってなんか変。愛称なんだから尊称は不要かな。
この二人、知ってる方には説明不要なスーパーすぎるギタリスト。どちらもただ上手いだけでなく、独自の世界を表現してくれているところもポイントです。
そして、もちろん、超絶テク。
自分の中での超絶テクは、手数が少ない!という逆説的なことも含まれています。詳しくは記事をお読みいただければ。
今回紹介する「超絶テク」はシンプル
ハイノート、というものすごく狭い世界です。
吹奏楽界隈でやっぱりスターはトランペット。もちろんオーケストラでも華やかなシーンでは主役だし、ビッグバンド、Jazzのコンボ、ソロ、なんでも行けます。
行けすぎて、自分は脱落したので嫉妬する楽器ナンバー1です。
嫉妬が過ぎて、練習する時間も取れないのに大人になってゲッツェンを買ってしまいましたよ。
トランペットの技術要素はたくさんありますが、分かりやすいのがハイノート。ハイB♭より上で密度の濃い爆音を鳴らすイメージです。
分かりやすいのが、
・スターウォーズの主旋律
・アメリカ横断ウルトラクイズのテーマ
(スタートレックのテーマ)
・ロッキーのテーマ、後半のトランペットソロ
・大都会のテーマ
もちろん、演奏の表現技術が色々あるのは分かってますが、できる・できないがはっきりしていて、分かりやすく目標にもしやすい技術。
入門者も目指しやすい指標、というのと、実際に上達とリンクして音域も広がるので、本質的な指標の一つでもあります。
ハイノートヒッターの席は少ない
このハイノートを駆使する演奏者をハイノートヒッター、と称します。
なぜだか、色々な演奏者が居るのですが、同じ時代に何人もハイノートヒッターが重なることが少ない。
現在、世界でも確固たる地位を築いているのは、エリック宮城氏でしょうか。
少し時代を遡ると、世界的にはメイナード・ファーガソン、日本人では数原晋さん(残念ながら2021年5月にお亡くなりになりました。お悔やみ申し上げます)がいます。
数原さんの音は、結構日本人にはおなじみ。こんなものではないのですが、分かりやすいところでは
・金曜ロードショーのテーマ
・ラピュタのパズーが吹く「ハトと少年」
・必殺仕事人のテーマ
・ルパン三世のテーマetc.
など。大都会も数原さんの東京ユニオン時代の音です。
エリック宮城
今、現役バリバリでこのポジションをけん引してるな、と思う方がエリック宮城氏。
もちろん持ってます。あと、間違って2冊もってるのがこれ↓
ハイノートヒッター、と自分で呼び分けているポイントは、音の密度。
高くなるとどうしても音が痩せていくことがあります。
このエリック宮城氏だけでなく、数原氏もメイナード・ファーガソン氏も音の密度が高く、肉汁がしたたり落ちる音、とでもいいましょうか。いいませんが、そういうイメージなのです。
スペクトラム
永遠のブラス少年少女たちのアイドル、スペクトラム。バンドとしての力量もありますが、トランペット2本の破壊力は、よくぞラストライブで武道館の屋根が壊れなかったな、というくらいです。もちろん比喩です。
でも、実際に兼崎順平氏の音を「壁に穴が開くような」と表現した方もいますので、本物のを音を聴くと、身の危険は感じます。
こっちはまた別のところでも語りそうなので、この辺で。
数原さん、数々の素敵な音をありがとう!
そして、改めて数原晋さん。
我々になじみの深い音楽をいっぱい演奏してくれてます。
ルパンだけじゃなくて・・・
ONE PIECE(主題歌「ウィーアー!」)
となりのトトロ
魔女の宅急便
紅の豚
機動戦士ガンダム(松山祐士作曲「颯爽たるシャア」のソロ)
伝説巨神イデオン
シティーハンター
・・・などなど過ぎて。Wikiにあとはおまかせ。
もちろん、持っております。
直球が速い
野球のピッチャーのワザで言えば、そういう感じでしょうか。
馬鹿な吹奏楽少年だった自分にとって、一番目指したくて、ちっとも届かなかった「ハイノート」という世界。
これ、YouTubeで一度聴き始めると止まらないコース確定なので、本当に困ります。さっきも一個リンクをみつけるのに、結局何曲聴いていたのか・・・もちろん手は完全に止まってます。
このポジション、テクニックではなく天から授けられたものなのかもしれません。
ぜひ一度覗いてみてください。
場合によっては危険な世界かも…