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脳内国家設定資料集①:政党編


はじめに

・脳内での
「右派」:内政は娯楽重視、外交は消極的(陰キャ寄り)
「左派」:内政は学業重視、外交は積極的(陽キャ寄り)

・国防軍は諸外国との戦争に対処するほか、試験対策戦争、受験戦争にも従事する。なお、民主改革派(のちの自由党)と協力して議会開設を実現させた経緯がある。

二大政党

(1)保守党=中道右派

2022年12月に発足。旧自由党のうち右寄りの議員らが結集して組織された。「娯楽推進」を党是に掲げており、ゲーム・漫画・アニメといったサブカルチャーへの予算支出増に積極的。一方、学業よりも娯楽を優先する姿勢が目立つこともあり、その点が最大のライバル・民主党との最大の対立点である。もっとも、学業を疎かにしてよいと考える議員はごく少数(ながらも有力な者もいる)であり、主流派は学業と娯楽の両立を志向している。
具体的な成果としては、AppleMusicサブスク法(2024年4月)や広島旅行の歴史的成功(同年2月)、”アニメを見ながら教習所キャンセル待ち戦術”による教習所卒業(同年3月)などが挙げられる。一方、試験ではA+を陥落させたという失策もある。
外交政策はややタカ派に傾斜しており、過剰に友好関係を拡大しようと努力することには反対。現在維持している友好関係(ひいては同盟関係)をより強化することには賛成する。民主党からは、閉鎖的コミュニティの構築、ひいては鎖国政策の復活に繋がるという批判がある。
「脳内オタク連合会」、「日常系同友会」といった圧力団体から支援を受けている。

2023年10月1日~2024年3月27日(2期)にわたり政権を担った。

脳内議会開設の勅令が出たのは2019年8月のことであるが、その背景としては長らく続いた鎖国政策により時代の波に乗り遅れ孤立を深めたこと、そのうえ試験勉強で敗北を喫し、国民の不満が高まったことがあった。
したがって、君主の親政を求める右翼政党を除く各党は反鎖国政策では一致している。

(2)民主党=中道左派

2022年12月に発足。旧自由党議員のうち左寄りの議員が集まった。スローガンに掲げるのは、「けじめをつける政治」。保守党に代表される右派勢力は限られた資源を娯楽に浪費し、本来学業に集中すべきところを疎かにしてしまう。そうではなく、学業と娯楽を調和させメリハリをつけることで、脳内国家として最大のシナジーを得るべきである、という思想が込められている。
学業重視の姿勢は試験戦争に従事する国防省からは評価されており、民主党政権時代の専門科目は全てA+を獲得するなど堅実に成果を積み上げてきたが、娯楽政策では失敗も少なくない。例えば、与党時代に推進した鎌倉旅行(2023年9月)は巨額の出費の割には成果が少なかったと言われている。
また、教習所入所を公約に掲げて実行したものの、視力不足など想定外の誤算が相次いだことがある。
娯楽オンチという保守党の批判をかわすべく計画された富山旅行(2024年9月)は、一部不手際もあったものの、保守党が主導した広島旅行を超える成果を挙げたと評価されている。
外交政策はハト派で、”陰キャ同士での”友好関係の拡大にやや積極的。また、伝統的にアルバイトを重視する立場に立っている。アルバイト重視の姿勢から「アルバイト労働組合」の支援を受ける。

「アルバイト労働組合」はかつて、アルバイトを掛け持ちしていたため内部対立が深刻であったが、民主党政権が1社に事実上限定する方針を示してからは結束し、保守党の最大の敵と言われるほどにまで彼らを悩ませる民主党の大票田となっている。

2023年3月18日~9月30日(1期)与党を経験し、2024年6月3日~政権に復帰した。

議会政治を支持する小政党

(1)新政治研究会=急進左派

旧進歩党を前身とする政党。旧進歩党の失政が民主主義の危機(9・15事件)をもたらした経験から国内では反感感情が根強く、支持はごくわずかにとどまる。
旧進歩党の政策を基本的には引き継ぎ、政党としては唯一、恋愛市場への参加を主張して”陰キャからの脱却”に向けた政策を展開する。ただし、旧進歩党の失敗の原因となった恋愛への過度な入れ込みについては否定的で、恋愛に依存しない市場参加の在り方を検討するとしている。
議会政治は支持しているが、なお君主の影響力が強いとして憲法を改正し、君主を完全に儀礼的な存在とすべきだとする(二大政党はともに護憲)。

反議会を掲げる小政党

(1)愛国戦線=極右

軍部が政府機関の掌握を図った9・15事件後の2022年10月に成立した政党。旧進歩党が進めていた恋愛至上主義を徹底的に非難し、これこそが政治混乱の原因であるとして恋愛禁止を党是とする。更に、恋愛奨励につながりかねないラブコメ作品輸入の全面禁止を提唱する。
旧進歩党のような「国賊政権」が誕生したのはひとえに議会政治の責任であり、議会を廃止して大政を君主たる朕ポワイに返還するべきだとも主張。「大政奉還」後は君主の親政を復活させるとのこと。親政下(とはいえ、実際は宮廷官僚が実権を握っていた)の鎖国政策を賛美し、その復活を求める唯一の政党。
一時は15%の支持を集めたが、近時は数%の支持にとどまる。
党としては否定するが、権力を議会から奪い返したい宮廷官僚らの支援を受けているという疑惑がある。

(2)共産党=左翼?

反政府勢力として長らく警察に弾圧されてきたため、具体的な成立時期は不明。議会に初めて議席を獲得したのは2022年3月の総選挙である(旧進歩党政権)。
党是は「既得権益の破壊」であり、国立公文書館に保存される機密データの即時公開、二大政党に有利な選挙法の改革、脳内国家が過去に犯した罪を認め、責任者を人民裁判にかけるなど、政界を根底からひっくり返す主張が並ぶ。しかし、真の党是は「君主制打倒」と言われている(国家情報局『反政府勢力監視報告書』)。君主制の否定は国家そのものの否定になるとして他の政党は全て反対している。
9・15事件後には独自に人民議会を設立し、一党独裁体制を築くかに思われたが、内部抗争により空中分解。その後の総選挙で53議席を獲得し政権与党となるも、警察が書記長(当時は首相。君主による任命を拒否しているため首相ではなかったとの議論もある)以下幹部を国家反逆罪で逮捕状を請求したことがきっかけで官僚らがゼネストを開始。軍部や警察も公然と命令を拒否し、国家として機能不全を起こした。結局、政権奪取からわずか15日、共産党以外の全議員の要請を受けた朕ポワイが議会解散を命じる勅命を下し、総選挙で大敗して与党の座を降りることとなった。

<国家反逆罪とその後>
警察が示した理由は、人民議会の設立の先には君主制を廃し、共和国を宣言したのちに一党独裁を実現することにあったというものだった。しかし、脳内裁判所は、人民議会は空中分解したため記録がほとんど残っておらず証拠が不十分で、更に警察や国家情報局が証拠を捏造した可能性に触れて幹部らを無罪とした。なお、人民議会設立にあたって制止に入った警察官らを殺害したなど別の多くの罪で有罪となり、終身刑が科されている。

<勅命による議会解散>
議会解散は憲法で「内閣不信任案が決議され、内閣が総辞職しないとき」「内閣が君主に要請したとき」に行われるものとされており、君主自ら解散権を発動することは想定されていない。
これについて共産党員が争った裁判では、「わが憲法は君主が制定した欽定憲法であり、同条(解散規定)は君主の解散権を制限する趣旨ではない。これは、そもそも君主が議会を設置してその大政を委ねているという経緯からも明らかである」として君主の勅命による解散を認めた。

以後、共産党は総選挙で数%の支持は得ているものの、国家情報局の監視対象に加えられていることもあって党勢はふるわない状況が続く。共産党は国家情報局に抗議しており、「当時の幹部らと今の共産党は別物。わが国の統治機構を覆すような政策は掲げていない」としている。

かつて存在した政党

(1)自由党=中道(民主派)

議会開設に伴う第1回総選挙を前に2019年8月に結成。起源は反宮廷政治を唱えたデモ隊。
第1回総選挙で100議席中95議席を獲得して圧勝し、以来、ごくわずかの期間を除いて2年以上にわたり政権与党の座にあった。自由党という単一の政党ではあるものの、所属議員の政治信条として明確に一致していたのは脳内民主主義の擁護ただ一つであり、それ以外の政策では派閥を形成し互いに相争っていた。政権支持率が低下すると主流派派閥を交代させることで疑似政権交代を行っていたことから、日本における55年体制との類似性があり、俗に「19年体制」と呼ばれる。
19年体制は進歩党政権の誕生により2021年11月に崩壊し、事実上初めて野党に転落した。進歩党政権下では党勢は低迷し、2022年3月の総選挙では共産党に野党第一党の座を奪われ、1議席しか獲得できないという結果に終わった。

なお、当時に唯一、自由党議員として当選を果たした議員は与党復帰後も議員活動を続け、分裂後は保守党に所属した。引退後も保守党に強い影響力を持っており、現党首は彼の強い推薦により党首選に勝利した経緯がある。

9・15事件と共産党政権、その後の「反共解散(2022年10月の第10回総選挙)」で80議席を獲得し、与党に返り咲く。しかし、ほどなくして派閥抗争が激化し、2022年12月、試験対策の方向性の違いからついに分裂。試験重視派が民主党を、娯楽維持派が保守党を結成し、わが脳内議会史の伴走者ともいわれた自由党はその歴史に幕を下ろした。

(2)忠誠党=?(反民主派)

議会開設に伴う第1回総選挙を前に、自由党に対抗すべく2019年8月に結成。党員のほとんどは官僚出身者であり、実質的に宮廷政治下の官僚支配を継続することをもくろんでいた。そのため、何か明確な公約があるわけではなかった。
しかし、第1回総選挙で大敗。その後、自由党の巨額汚職事件が発覚したことがきっかけで行われた第2回総選挙では53議席を獲得して政権を奪ったが、宮廷政治時代に国防官僚も国防費を着服していたことを軍部が暴露すると支持率は急落し、再度の総選挙実施が決まると1週間で政権与党から転落した。
以後しばらくは野党第一党として反民主派として活動していたが、野党第一党の座は旧進歩党に奪われて第6回総選挙では議席を得ることができず、2021年4月には解散した。
忠誠党の元所属議員の大半は政界から引退したが、一部はなお、反議会の立場で愛国戦線を支援していると言われている。

(3)進歩党=急進左派

コロナ禍の最中である2021年5月に結成。改革開放・恋愛市場参加をうたって第4回総選挙で野党第一党に躍りでる。コロナ禍の中で国際交流が制限されており、その反動が支持につながった。
2021年11月には歴史的圧勝(89議席)でついに政権を握り、公約としていた恋愛市場参加を実現。また、極端な娯楽制限政策により大学受験も圧勝し、大学合格後すぐ行われた第8回総選挙(2022年3月)では全100議席中97議席を獲得してほぼ一党独裁体制を築き上げた
ところが2022年9月、わが国の恋愛市場は破綻して(ブラック・セプテンバー)巨額の人的・物的・精神的負債を抱えるに至り、国内は未曽有の大混乱に陥る。進歩党政権は悲観的観測を強め、脳内議会で「国家終焉法」(現在は無効が決議される)を可決。賛成60、反対1、棄権39であった。わが国の国家機関はその役割を終えたと宣言して議会や首相は職務を放棄し、首相は自殺。多くの進歩党議員もそれに追随して自殺。更に、最後の首相演説として国営放送では、国民にも「自主的にその生命を終えるように」呼びかけられた。

この時に唯一反対したのが、先にも触れた自由党議員である。彼は議場で議長の制止を振り切って反対演説を行った。
「われわれ議員には、このような恐慌に対処する義務がある。われわれは君主たる朕ポワイにその大政を委ねられてここにいる。大政を委ねたのは陛下にとどまらない。総選挙で国民は御党に対し97議席を与え、圧倒的な信頼を寄せたのだ。この法案は国民が与えた信頼を無下にするものであることは明らかだ。わが国を終わらせることをもって首相は今度の恐慌に対する懺悔としたいのかもしれないが、私にとってみればそれは単なる現実逃避にすぎない。恐慌に対処し事態を収拾することによってのみわれわれは責任を取ることができるのであって、それ以外のやり方で責任を取ろうとするのは政治家ではない!」

このあと採決が行われたが、進歩党からも棄権者が続出したものの可決されるに至った。首相が議場で自殺すると閣僚や賛成した議員もそれに続くという想像を絶する異常な状況の中、棄権した議員は茫然と立ち尽くしていた。
彼らは行く先もなく議場にとどまっていたが、クーデターを起こした国防軍将校らに国賊として射殺された。
くだんの自由党議員は混乱する議場から何とか脱出して朕ポワイに直訴すべく脳内宮殿に向かったが、宮殿前広場では宮殿を守る親衛隊とクーデターを起こした国防軍との間で既に戦闘が起こっており、身を隠すほかなかった(同議員『議会の一番長い日』)。

国家機関の機能停止に危機を感じた国防軍の将校らは議会・首相官邸・脳内裁判所を掌握したうえでの軍事政権樹立の必要性から、9・15事件というクーデター未遂事件を起こすこととなる(本記事では省略)。
クーデター後、進歩党支持者により新進歩党が立ち上げられたが支持は広がらず、改組・改称を繰り返して現在は新政治研究会として活動している。

各回の総選挙データ

2024.10.05現在


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