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ニシイケバレイ通信 Vol.9

※本来第九号だが、紙の通信で間違えて第八号と・・・笑


ニシイケバレイ 新築プロジェクト

ニシイケバレイは現在、14階建マンションのMFビル、1階にうつわ屋のFUUROさんが入っている4階建マンションのコーポ紫雲、1階に和食店の「わく別誂」、2階にコワーキングスペースとシェアキッチンを備えた2階建木造アパート(旧 白百合荘)、平屋建てのカフェChanomaの計4つの建物、さらにMFビル駐輪場の上にあるパルクール練習場のテラス、そして昨年まで駐車場だった場所(現在建築工事中)で構成されている。
一番古い建物はChanomaで築およそ77年、2階建木造アパートが築54年、4階建マンションは築37年でこの3棟は祖父の手によるもの。余談だが、4階建マンションのコーポ紫雲はかつて建替え前は「紫雲寮」という名称で立教大学の学生寮だったそうだ。たしか当時の寮母さんが祖父の家にもらい湯に来ていたことをかすかに覚えている。
14階建マンションのMFビルは築27年で父が手掛けた。もひとつ余談だが、MFビルを建てる際に現Chanomaの建物は数10メートル曳家(セットバック)して今の位置になった。祖父の想いがつまったこの木造建物は今現在造れといっても造れない。父は残すべきだとの判断をした。作業もコストも大変だったとは思うが、その判断をしてくれたのは本当に有難い。
ちなみに、Chanomaの正面の木戸門が敷地内で最も古い建造物で、おそらく明治初期か江戸末期に造られたものかもしれない。第二次大戦時末期の城北大空襲でこの辺りも焼け野原になったようだが、この門だけは焼けなかったと祖父から聞いた。そうすると156年以上もこの地に佇んでいることになる、まさに生き字引。今ではこの古い木戸門がChanomaのそしてニシイケバレイのシンボル的存在で、Chanomaに来る多くのお客様方が感嘆
の声を上げつつ写真をバシバシ撮ってくれているのを見ると、とても感慨深い。とにかく年代の異なる様々な建物とそれをつなぐ私道で構成されているのがニシイケバレイだ。
 そして、この2月から昨年まで駐車場だった場所の工事がスタートした。ニシイケバレイ開業後では初の新築。約1年の工事期間だが、近隣の皆さまやお店のお客さまにはほんとご迷惑をおかけしております。
設計はChanomaの設計や全体的な監修をしてくれている須藤さん。3階建で高さは10メートルほど。1階はテナントで2階、3階が共同住宅。建物は建つけれどドドーンとしたものではなく風の通り道が充分あり、光も差し、余白もたっぷりな雰囲気になる予定。木陰があったり、ちょっと広めのピロティ
があったりでそこをどう使うか、どう使われるかを考えるとワクワクする。
テナントで予定しているのはまずパルクールをメインに天候に左右されずガッツリ運動できるジムのような施設。あとは界隈の皆さんのサードプレイスになれるような温かみのある飲食店など、いろいろ想像中。
今回の新築の建物ふくめて、ニシイケバレイで今後も取り組みたいのは様々なモノやコト、想いが循環・共有・共感する場所。100世帯ほどの住宅がある中、お古になった本や衣服etc、食べ物やエネルギー、様々なアイディア。世の中の政治や経済は残念な状況だとしても、ローカルでの関係性や関わりしろが豊かであれば、なんとか楽しくいろいろと乗り越えていける可能性が増えてくるんじゃないかと想像する。
竣工するまではいろいろとお騒がせをしてしまうけれど、なんとか温かく見守っていただき、新しいニシイケバレイでどんなことを起こせるか、どんな関りができるか、どんな風景ができるかを想像いただけるとこの上ない幸いです!

(深野※ニシイケバレイオーナー)

ニシイケバレイの建築について

建築家の須藤剛です。ニシイケバレイの建築設計をさせていただいています。現在はもともと駐車場だったChanomaの東側の敷地に新築建物の設計の担当をしてます。
2019年秋にニシイケバレイの設計に関わり始めた時は、現在のChanomaやfuuro、わくなどがある建物も、全て住宅の機能しかなく、それぞれ塀やフェンス、手すり壁で仕切られていて隣同士に建っているけど、バラバラに存在していて、人通りも少なく、少し寂しい印象でした。
塀やフェンスを少しずつ取り払いながら、池袋の都心とは思えないようなゆとりのある建物と建物の隙間や庭、路地などを活かすようにリノベーションし、緑や舗装で丁寧つないでいくことを考えました。今ではニシイケバレイがたくさんの人で集う場所になり、とても感慨深いです。
オーナーの深野さんの充実した背中を見たり、様々なご縁が生まれる中で、私も事務所がある目白でカフェ兼店舗を始める事になり、とても不思議だし人生何が起こるかわからないなぁと思っています。
新築の計画は店舗や賃貸の共同住宅の建物になる予定です。建物は今までのニシイケバレイの魅力を取り入れつつ、より良い場所となるよう設計を心がけています。建物の中に路地があり、庭があり、大きな軒下があります。都会の中でホッと一息つけ、歩いていて楽しくなる。そんなニシイケバレイが、さらにたくさんの人の居場所になるよう、完成まで気合を入れて頑張っていますので見守っていただけると嬉しいです。

須藤※須藤剛建築設計事務所)

※須藤さんが始めたお店「CaD(カド)」は目白駅から歩いて約5分。美味しいコーヒー、ワイン、そしてホットドッグ!
ぜひお立ち寄りください(深野)


インタビュー

ニシイケバレイオーナーのお母様 深野みどりさん

今回はニシイケバレイオーナーのお母様、深野みどりさん。 ニシイケバレイが出来るずっと前からこの土地を知るみどりさんが思うニシイケバレイとは?
ニシイケバレイの真ん中にあるChanomaは、戦後すぐに現オーナーの祖父が家族のために建てた 日本家屋だった。大切にしていたその家を約30年前、MFビルを作る際に壊さず、現在の位置まで 曳家を行った。みどりさんは家族の思い出の詰まった家を残すことが出来、ホッとしたと言う。 そして、その場所はニシイケバレイのスタート地点になった。
ー2020年にニシイケバレイが開業する時、どんな心境でしたか?
「静かな時間を過ごしていた頃でした。何が始まるのかワクワクしました。何をやってもいいか ら楽しいことをしてほしいと」
ーそして今、その家は行列が出来るカフェとなり、様々なイベントが行われ、人と人との新たな 繋がりを作っている。
ーこれからのニシイケバレイ、どのようなエリアになることを望まれますか。
「Chanomaの雰囲気と連動し、融合するまちが出来れば。ニシイケバレイに共感してくれる人が 増えたらいいなと応援しています。ニシイケバレイっておもしろいね、って言ってもらえるような 場所になるのを楽しみにしています」
ーみどりさんも以前、商売をされていて、そのお店は「まちのコミュニティスポット」だった。自分たちが楽しんで、仲間に恵まれ、人との出会いがある場所だったそう。その話しを聞いていて、 ニシイケバレイに似てるなと思った。
ーインタビューの日、みどりさんのお住まいにある樹木や花を見せていただいた。夏の暑い日に は1日に何度も水遣りをして、日々の手入れを欠かさない。その木々を、近い将来、ニシイケバレ イに植えたいのだと話してくれた。大学での学び直し、勉強会、読書会などアクティブに活動され ているみどりさんに人生を楽しむ秘訣を聞いた。
「学ぶことから刺激を受けている。私を面白くすること何かないかな、っていつも探している」

mai※インタビュアー)

まるいもんの日常



ニシイケバレイ通信 Vol.9 まとめ

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