にしい

都内在住の29歳。フィルムエスト主宰。 VHSテープに録画されていたような映像を作ります。

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都内在住の29歳。フィルムエスト主宰。 VHSテープに録画されていたような映像を作ります。

最近の記事

フィルムエスト作品のご紹介

いまを振り返る―。 令和の日常を、昔の目線で見るとどう映るのか? 私が主宰するYouTubeチャンネル「フィルムエストTV」では、あえて昔の価値観で「いま」を解釈・表現する〝アナクロ映像〟を数多く制作してきました。 この記事では、フィルムエストがこれまでにどんな作品を制作してきたのか、カテゴリに分類してご紹介いたします。 新型コロナ関連作品〝アナクロ映像〟初期作の公開当時、世は「コロナ禍」まっただ中。慣れない日常で世界が不安に包まれるなか、どこか落ち着く〝昔っぽい〟映像

    • 昔っぽいサスペンスドラマができるまで

      「昔の2時間サスペンスを、フィルムエストの〝あの雰囲気〟でやりたいねん!」 2023年10月友近さんが目をキラキラと輝かせて熱く語る姿を見て、心を突き動かされたのがすべての始まりでした。 「2時間ドラマでしか見ない演技」を、あそこまで巧みにできるのは、友近さんだけ。 そこに、私たちが得意とする「〝あの雰囲気〟の映像」が組み合わさったら――。 2023年 冬脚本を考えるにあたって取材を開始しました。 友近さんから提案された、2つのテーマ。それは「愛媛」と「ストリップ」

      • アナクロから「サイコロの旅」を考える

        もしも、1960年代――。 HTB(北海道テレビ放送)が開局した時に、『水曜どうでしょう』があったら… というコラボ動画を制作させていただきました! 『水曜どうでしょう』といえば、言わずと知れた日本一有名なローカル番組。鈴井貴之さん・大泉洋さんと、藤村D・嬉野Dらスタッフによる「旅」を中心としたバラエティ番組です。 初期の目玉企画である「サイコロの旅」は、サイコロの出た目で次の目的地と移動手段を決めて、ゴールの札幌を目指すというもの。1996~99年にかけて6回行われ

        • 誰かのメッセージ

          ふと、Instagramのメッセージを開いてみる。 別に暇なわけじゃないけど、ただ、なんとなく。 ずっとさかのぼると、名前が「Instagramユーザー」となっているものがちらほら現れる。 どうやら、アカウントを削除した人がそのように表示されるらしい。 とある「Instagramユーザー」をタップしてみる。 『これすごい!どこで撮った写真?』 『大丈夫?』 『仕事大変やろ?頑張ってなあ』 何往復も交わしたメッセージを見ても、それが誰と交わしたやりとりか、まったく思い出

          サスペンスドラマのスタッフが凄すぎた

          フィルムエストTVで「80〜90年代に放送されたかのような2時間サスペンス」を作ることになりました。 その撮影が5月18日〜23日に愛媛県で行われ、無事に終了しました! 以下、撮影風景です。 撮影規模、めっちゃ大きくないですか…?汗 初めは「ディレクター兼カメラが1人、アシスタント2〜3人で…」などと考えていました。 が、皆さんに見応えのあるものにするには、”フィルムエストっぽさ”を最大限に出し切らないといけない。出演者さんにとっても最高の舞台を作らないといけない。そ

          サスペンスドラマのスタッフが凄すぎた

          神戸とフィルムエスト

          今年3月で「フィルムエストTV」も10周年。視聴者の皆さん、スタッフの皆さん…様々な方に支えてもらいながら、試行錯誤の10年でした。 いまや主流となった「80年代~90年代のような映像」は、現在も試行錯誤のまっただ中です。 古く見せるエフェクトを「香らせる程度」に抑えてみたり、逆にしっかり加えてみたり。同じエフェクトをかけたはずなのに、かける順番を変えるとなぜか雰囲気が変わったり…。 「昔っぽい雰囲気」の引き出しを増やしつつ、新作も手掛けるという「自転車操業」状態が4年

          神戸とフィルムエスト

          アナクロ映像、海を渡る。〜フィルムエストのコメント欄に英語が増えたワケ〜

          もしも「Twitter→X」の改称騒動が昭和に起きていたら…というコント動画をつくりました。もはやインフラといっても過言ではない「Twitter」。そこで巻き起こる数々の〝騒動〟に振り回される私たちを、フィルムエスト流に解釈した作品です。 ありがたいことに多くの方にご覧いただき、再生回数は106万回(2023年11月現在)を超えています。たくさんのコメントをいただきましたが、そのなかで目を引くものが。それは… なぜか、作品を英語翻訳してくださっている方がいたのです。タイム

          アナクロ映像、海を渡る。〜フィルムエストのコメント欄に英語が増えたワケ〜

          フィルムエスト前史(2/2)

          (この投稿は「フィルムエスト前史(1/2)」に続くものです) ◆◆◆ 悲願叶って、ようやく始動したYouTubeチャンネル「フィルムエストTV」。しかし、動画をいくら作れど再生数は100回にも満たない惨状。そんな日々が、なんと2年も続いていました。 人間、失敗を繰り返すとさすがに方針を見直すものです。バラエティ番組風路線からシフトチェンジして、ひたすらトークする動画を上げるも不発。コント風動画を上げるも不発。ガチのニュースな現場へ撮影に行く動画も不発。 このチャンネル

          フィルムエスト前史(2/2)

          フィルムエスト前史(1/2)

          「え、フィルムエストTVってあなたがやってたんですか?」 なんて驚かれることが、少しずつ増えてきた。 きのうまで、勤務先で「仕事上のお付き合い」に過ぎなかったはずの社員が、突然内線をかけてきて「フィルムエストって、にしいさんがやってたんですか!めっちゃ見てますよ!」と、涙が出るほどうれしいお声がけをいただいたことも。 ネット上でも「80年代~バブル期ごろのような映像を作るYouTubeチャンネル」といえば「フィルムエストTV」と名前を出していただける機会が徐々に増えてきま

          フィルムエスト前史(1/2)

          なぜVHSっぽい映像にこだわるのか?これまで、これから。

          フィルムエストの映像を見ても、「懐かしさ」を感じたことはさほどありません。 90年代半ばに生まれた私。 物心ついたころ、録画手段はVHSからDVDに取って代わられていました。しかも、その数年後にはHDDに保存する時代へシフトしていきます。 フィルムエストが再現する「VHS録画」という手段を、私自身がほとんど経験せずに生きてきたのです。「懐かしさをあまり感じない」のは、当然ともいえるわけです。 それでも、VHSに録画されたような映像にこだわる理由。それは、私にとって〝全く

          なぜVHSっぽい映像にこだわるのか?これまで、これから。

          「探偵!ナイトスクープ」のWikipediaに見る〝記憶違い〟と、それを補強する〝設定付け〟

          2020年春、「リアルナイトかんさい」という関西ローカルの情報番組の〝録画〟をYouTubeに投稿した。 これらは、その動画を見た人から寄せられたコメントのごく一部だ。 初めに断っておくと、「リアルナイトかんさい」という情報番組は実在しない。〝80〜90年代に放送されていた情報番組〟という体で作られた動画コンテンツなのだが、しかし、まるで実在したかのように振る舞われたコメントの数々に、私は目から鱗だった。 この現象は「歴史捏造」「史実改ざん」という仰々しい観点から語られる

          「探偵!ナイトスクープ」のWikipediaに見る〝記憶違い〟と、それを補強する〝設定付け〟

          「光の残像」現象を再現する(後編)

          なぜ「光の残像」が発生するのか、原理が分かったところで早速再現してみます。 〝光が尾を引いている〟というところから、まずは画を1フレームずつズラして、重ねてみました。 うん…なんかこれだけでもそれっぽい雰囲気があります! 特にこの高速の照明の部分なんかは特にそれらしい雰囲気があります。 でもよく見ると、単に〝画を重ねている〟だけなので、光源以外の部分も含む全てが重なってしまっています。(これはこれで面白い表現ですね!) ◆◆◆ そんなわけで、今度は明るい色の部分だ

          「光の残像」現象を再現する(後編)

          「光の残像」現象を再現する(前編)

          1985年4月17日、甲子園球場。 この日、野球中継は興奮していた。 「打球はセンターへ!!  こーれもいくのか!こーれもいくのか!  …こーれもいった!!」 バース、掛布、岡田が、続けざまにホームランを放ったのだ。 85年の阪神フィーバーを語るうえで欠かせない伝説の事件…いわゆる〝バックスクリーン3連発〟だ。 当時の映像を見て、私は衝撃を受けた。 ※筆者によるイラスト再現 この「光の残像」はなんだ? 勢いよく飛んでいくボールをカメラが追うと、スタジアムの照明が

          「光の残像」現象を再現する(前編)

          VHS風の映像にハマってます

          いや、正確には「VHS風の映像を〝作る〟こと」にハマってます。 ノイズのなかに埋もれた映像や 輪郭があいまいなテロップの雰囲気が好きです。 そんな日記を書いたのが、今から約1年半前の2019年12月15日。 全く無名の「自称クリエイター」状態だった私は、このころnoteを始めました。 ところが、自分の文章を下書きに保存して 2~3日後に読み返すと、 なんだか恥ずかしいことを書いているように感じる… 手直しして、2~3週間経つと、 「いや、こういうことを言いたいわけじゃ

          VHS風の映像にハマってます