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スリランカでピアスを開ける

スリランカでは、日本と異なり「イアリング」というものがない。正確に言うと「イアリング」というアクセサリーはあるのだか、それは日本人で言うピアスなのだ。というのも、スリランカでは女性の場合、小さい頃に皆ピアスを開けるため、日本で言うイアリングの需要がないからだ。だからこそ、現地の人は皆ピアスの穴が空いていると思ってるし、耳に付けるアクセサリーはピアスだけだと思ってる。

現に私がスリランカに来てからアクセサリーを何人かから貰うものの、それは全部ピアスだし、いつも「ピアス開いてないの!?」と驚かれる。そして、たまに私がイアリングを付けていると「ピアス開けたの?」と100%聞かれる。それぐらい、彼女たちの概念の中には日本でいうイアリングの存在がない。

ピアスを開けようと思ったきっかけ

きっかけは本当に些細なプレゼントからだった。私が初めてホストファミリーの家にお邪魔した時、急遽彼らの親戚の誕生日パーティーに同行することになった。私はなにも知らず、普通の服装で来てしまったため、ホストマザーが気を利かせて「これをあげるから、付けなさい」と言ってピアスをくれたのだ。
私はスリランカでも日本から持ってきたイアリングを使うつもりでいたので、現地でピアスを開けることなんて考えてもいなかった。しかし、ホストマザーからピアスなんて貰ってしまったら、もう開けるしかないなぁ…と思いはじめ、情報収集を始めたことがきっかけだ。

ホストマザーからのピアス

それからもお正月にサリーを着る時に一緒に付けなさいと言われて、オフィスの人から貰ったアクセサリーもネックレスとピアスの合わせだったり、ホストファミリーの親戚のご家族がピアスをプレゼントとしてくれたりと、とにかく事あるごとにピアスを貰う。最初は日本に一時帰国したタイミングでピアスを開けてもいいかな、と感じていたのだが、だんだんとそれでは時間が勿体ないようにも思えてきた。さらに、私の目の前には使うことが出来ないピアスがどんどん溜まっていく様を見ていて、これはスリランカピアスを開けるしかない!と決断するに至った。(これを書いてて思うのだが、私は本当にイラチなんだと思う)

オフィスの人から貰ったアクセサリー
これが私の持っているピンクのサリーとよく合うんですよ
ホストファミリーの親戚から貰ったピアス
サロン経営者なだけあってシンプルイズベストなチョイス

病院に電話する

スリランカでピアスを開けるなら、サロンではなく病院で絶対やりたいと思っていた。何故なら体に穴を開けることって一応医療行為だし、日本とは衛生観念が違うスリランカで少しでも安心してピアスを開けたい気持ちが強かったからだ。さらに、現地のシンハラ語の先生からもサロンではなく病院で開けることをお勧めされたこともあり、私の頭の中は病院一択だった。

しかし、ピアスの値段を調べようにもネットにはピアッシングの値段は書いていない。そこで、周囲の日本人がコロンボでよく利用している私立病院に電話で問い合わせてみた。
スリランカの病院のシステムは日本と少し異なる。病院で予約を取るには、病院の先生に対して電話かオンラインで予約を取るため、自分がやってもらいたい施術内容に対して、どんな先生がいるのかを知っていないといけないのだ。(事前に知っていなくても電話口で聞けば教えてくれることもある)

少し話は脱線するが、母国語ではない言語で電話をするのは、想像以上にハードルが高い。電波が悪いと何言ってるのかも分からないし、直接話している訳ではないので、ジェスチャーなどでも伝えられない。自分が固まってしまえば、それで終了してしまうので、事前に自分が言いたいことをノートに全部書き留めて電話をする必要があった。
私は病院に電話をする前にPick me 垢バン事件を起こし、何度かPick meのカスタマーサービスに電話した経験があったので、今回は一人で病院に電話を掛けることが出来たのだ。

そして私は無事に電話でピアッシングの料金を聞くことが出来た。電話口の人はとても優しくて、「料金は施術する先生にもよるけど大体3600ルピーぐらい」と教えてくれた。値段としては少々高いが、コロンボの私立病院と考えると、まぁこんなものなのかもしれない。

サロンに電話する

しかし、このタイミングで新居に引っ越したこともあり、コロンボからは少し遠くなってしまった。(遠くなったと言ってもローカルバスで30分程度なので、単純に自分が怠惰なだけなのだが)さらに、ファッションのお店が多い新天地はむしろコロンボよりもピアッシングが出来る場所は多いのではないか?と思い始めたこともあり、近所のサロンにピアッシングの値段について電話で問い合わせた。

電話したサロンではピアッシングの値段(両耳、ピアス代込み)は4000ルピーと言われ、むむコロンボの私立病院よりも高いぞ…と思い、予約はせずに一旦保留にした。

価格感を聞いてみる

とは言え、両耳4000ルピーが安いのか高いのか、私はイマイチ判断が付かなかった。そこで、サロンを経営しているホストファミリーの親戚に電話で聞いたピアッシングの値段について聞いてみた。
彼女曰く「ピアッシングの値段はだいたい両耳1000ルピーぐらい。だから、4000ルピーは良くない」とのことで、予約せずに保留にしておいて良かったと感じた。彼女は普段ラトゥナプラ(宝石が有名な場所)でサロンを経営している。その為、「コロンボの価格はイマイチよく分からないから、職場の同僚に聞いてみなさい」と言われた。そう、私は普段職場でITを教えているのだが、その隣の教室では偶然にも美容系(ヘアカットやフェイシャル等)のクラスが開講されていたからだ。

同僚と一緒にサロンに行く

そこで早速、コロンボのピアッシングの相場観を聞くために隣のビューティークラスを訪ねた。「ピアスを開けたくて、この前近所のサロンに電話したんだけど、両耳で4000ルピーって言われたんだ」と言った。すると4000ルピーという言葉が出た瞬間、その場にいた生徒と先生が全員立ち上がり、私の目の前にいた先生は「エパー!(ダメ)」と言った。
どうやら、親戚の人が言った通りピアッシング4000ルピーはかなり法外な値段だったらしい。その後はしきりに「タニエンヤンナエパー(一人で行っちゃダメ)」と言われ、最終的にはその先生達にピアッシングをしてもらうことになった。

しかし、そんなに上手く行かないのがスリランカ。次の週あたりで「自分たちがピアッシングをするのは難しいから一緒にサロンに行こう」という話になり、結局サロンに一緒に行けたのは2週間ほどが経過してからだった。

とは言え、ビューティーミスとビューティークラスの生徒2人を連れてサロンに行けるのはとても心強い。どんなお店が良いのかも分からない私にとって、こんなにも強力な有識者は他にいない。
ピアッシングをする前にドキドキしていた私を見て「バヤウェンネエパー(怖がらないで)」と声を掛けてくれた。さらに、サロンオーナーとビューティーミスは知り合いだったようで、ピアッシング前に3人で少し話した。その時にサロンのオーナーが「あなたシンハラ語喋れるのね」と驚いていたことよりも、一緒に来たビューティーミスの一人がサロンオーナーに私のことがアーサイ(好き、like)と喋っていたことにビックリした。いやはや、恐縮です…

いよいよピアッシング

サロンのスタッフさんが手袋をして、ピアス穴を開ける場所にペンでマークを付けた。この時もサロンオーナー、ビューティーミス、サロンのスタッフさんの3人掛かりで、わちゃわちゃ確認している感じが面白かった。

場所によってはピアスの穴を開ける前に麻酔用のジェルを塗るらしいのだが、今回は塗らずにそのままピアスガンで穴を開けた。

引用元:https://axel.as-1.co.jp/asone/d/7-526-01/

穴を開けた時の痛さとしては、普通に痛かったし、衝撃で声も出た。しかし、時間としては一瞬だったので、その痛みも徐々に引いていく。そして隣のビューティーミスはまるで子どもをあやすかのように、私の腕をさすっていた。
その後は、もう片方の耳にも穴を開けて、耳の周りをアルコール綿のようなもので消毒される。(たぶん、これは一番最初にやるべきだと思うけどなぁ…)そして、サロンの看板の前でサロンのスタッフさんやビューティーミス達の撮影会が発生し、最後にお会計をやる流れとなった。しかし、私が財布からお金を出そうとしていると、早々とビューティーミスが支払いを済ませようとしている。これは流石に私も「エパー!エパー!」と言ったが、対するビューティーミスも「エパー!」と言い始め、しばしの攻防戦となる。結局、私はビューティーラマイ(生徒)に半ば強引に「エンナ(来な)」と言われてしまい、ビューティーミスにピアッシング代(1000ルピー)まで出してもらってしまった。

自分が愛されてることにに気づく

自分は国際協力に来たはずなのに、なんでこんなにも現地のリソースを食ってしまっているのだろう?と考えざるおえない。しかし、現地の人との会話で直接「アーサイ(好き,like)」と言われたり、ピアッシング代まで出してもらったという経緯を考えると、たぶん私は愛されているのかもしれない、と実感がわいてくる。職場にやって来て、早1か月。急にやって来た外国人がそこまでの存在になれるって大したものだよなぁ、と考えることも出来るが、そんな愛に自分も応えていけるようになりたいとも思う。
本当に、毎日お弁当作って来てもらったり、朝ごはん貰ったり、ここに来て貰ってばっかりの自分に申し訳なさしかないが、これに甘えず、自分のできることをやっていきたいものだ。

スリランカでピアッシングをした感想

日本人がスリランカでピアッシングをすることはぶっちゃけおすすめはしない。というのも、日本とスリランカで衛生観念が違うので、清潔さ衛生面ではどうしても疑問が残ってしまう所が事実としてある。(例えば、施術用のビニール手袋をしてあちこち行く、色々触ること、穴を開ける前ではなく開けた後に消毒するなど)さらに、病院でピアッシングをするにしても予約が少し難しかったりする為、最低でも現地の人と一緒に病院なり、サロンに行くことがマストだと思う。
値段感は圧倒的にスリランカの方が安い。両耳(ファーストピアス代なし)で1000ルピー。(日本円で換算すると大体500円ぐらい)外国人価格の4000ルピー、5000ルピーだったとしても(2000~2500円)ぐらいなので、日本でピアッシングするよりも圧倒的に安い。

しかし、それでも日本でのピアッシングをお勧めしたい理由として
①とにかく清潔(施術後に衛生面でモヤモヤとか疑問が残らない)
②ファーストピアスの素材を選べるところが多い(スリランカにもあるだろうけど、お高くなる)
この2点は譲れないので、日本人で日本語が母語の人なら日本でピアッシングすることを強くお勧めする。

逆に、なんでここまでして私はスリランカでピアッシングをしたかと言うと、私がスリランカにいる2年間という短い時間の中で、少しでも現地の人から貰ったピアスを付けられる時間を長く取りたかったからだ。
ピアッシングをすると、どうしても1~3か月はホールを安定させるための時間が必要になる。そう思うと、すぐにでもピアッシングを行いたかった気持ちが強かったのだ。幸い金属アレルギーやピアス穴のトラブルはまだ発生していないのだ、有難い限りである。しかし、ここまで書いて思うのが、本当に自分ってせっかちだということだ。(2回目)

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にしはる
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