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サリーへの解像度が日に日に高くなる

スリランカではよく「服装(見た目)で判断される」と言われることが多い。スリランカに来てすぐの頃は、毎日サリーを着ている同僚講師から「別に毎日サリーを着なくてもいいわよ」と言われていたこともあり、セレモニーがある日や、なんとなくサリーを着たい日だけ着ていた。しかし、ここ最近は同僚講師が言っていた「毎日サリーを着なくてもいいわよ」は単純に建前で、毎日サリーを着て来ることに越したことはないように思う。

というのも、7月から新学期が始まり、ICTクラスにも新しい生徒がやって来た。今期の私の裏目標は「生徒に舐められないこと」だったこともあり、新しい生徒が来た1週間は自分が講師であることを示すためにもサリーを着ていた。すると、学生からは自然と「ミス」と言われることが多くなった。また、しばらくしてカジュアルな服装で出勤するとディモから「今日はサリーじゃないのね」と言われることもあり、それが数日続くと「3日もサリーを着てない」と言われる始末だった。

単純に生徒から舐められないようにするには色々な場面で工夫が必要なのだが、服装もその一つだ。つまり「服装が重視される」ということは、それが例えサリーであっても、いつも着ているサリーの生地によって地位や立場的なことを判断されるのではないか?という仮説が最近自分の中で出てきた。

私は今まで「スリランカには2年しかいないんだから、程よく安いものを数着持っていれば、それでいい」と思っていた。しかし、服装からその人の立場などが把握出来るということは、必ずしも安いもの=良いとはならない。(それはあくまでも私のお財布事情だけの話)
それを考えると、やっぱりそれなりのサリーを着るべきだよなぁ…と思うようになり、ここ最近はどんな場面でどんなサリーを同僚講師達が着ているのかを観察することが多くなった。

例えば、私が今思いつくサリーの生地の種類だけでも大きく4種類ある
①大量生産の化繊のサリー
②バティックサリー
③コットンサリー
④シルクサリー

①大量生産の化繊のサリー

大量生産の化繊のサリーは大体1000~1500ルピーほどで買えて、すぐ乾くし、軽いし、シワが出来ないからアイロンがけがいらない。特にアイロンがけがいらない点はとにかく重要で、サリーレベルの生地の大きさになると、きっちりアイロンがけしようと思えば1枚30分は掛かってしまう。だからこそ、アイロンがけがいらないというのは、日常的にサリーを着る人から考えても、かなり魅力的な側面である。

私も当初は、そんな安くてアイロンがけもいらない化繊のサリーを日常的に着ていた。しかし、ここ最近サリーを見るだけで、この生地が化繊かコットンかシルクかバティックかぐらいは判断できるようになってきた。つまり、日常的にサリーを見ているスリランカ人からは、見ただけでこのサリーが安いかどうかなんて判断出来てしまうということになる。
その心当たりとして、友人に新しく買った化繊のサリーの写真を送った時に、その写真を一緒に見た友人の同僚(スリランカ人)が写真を見ただけで「この生地は大量生産で作られている生地だよね、コロンボにはいっぱいある」と言ったことからだ。最初は、写真を見ただけで、そんなことが分かるなんて、流石スリランカ人だと思っていた。しかし、私も何度かサリー屋さんを見に行ったり、色んな人のサリーを見る中で、徐々に生地の見分けがつくようになってきた。

それらの見分けが付くようになってきてから、同僚の講師が日常的に安い化繊のサリーを着ていないことが分かってきた。もちろん、扱いやすいからこそ、着ている講師もいるのは事実だが、それでも毎日ではない。逆に授業をサポートするようなディモ(TA的な人)は毎日化繊のサリーを着ている子もいるからこそ、同じサリーとは言えど、こういう所から人の立場とかが推測できてしまうのかぁ…と思ったのだ。

とは言え、大量生産の化繊のサリーと言っても、まだまだ種類も値段も色々あると思うので、一概には言えないものも多い。

②バティックサリー

スリランカンバティック
インディアンバティック
このタイプはジャケット部分の生地はコットンらしい

バティックサリーはインディアンバティックなら3000ルピー台、スリランカンバティックなら6000~8000ルピーほどする。(あくまでもコロンボ価格)ちなみに、スリランカンバティックでも1色使いなら値段は安いが、2色、3色使いレベルになると徐々に値段が上がってくる。(ちなみに上のサリーは3色使いだったので8000ルピーぐらい)

そして先ほどの安い化繊サリーとも値段がかなり変わってくる為、カラフルに色付けされたバティックサリーなら、カジュアルサリーとパーティーサリーの中間地点のような位置づけで、セレモニーで着用する人も多い。(だから逆にパーティーサリーを買うか迷ったら、お高めのバティックサリーを買った方が使い勝手がいいのかも…?)
それを裏付けるように、先日、急にセレモニーに来い!と言われた時は「バティックサリー着てね!」と言われたほどだった。

③コットンサリー

コットン100%なら、5000ルピーぐらいから買える値段感だ。生地のデザイン自体もあんまり柄々してないので、シンプルだけど、キレイめな感じの印象だ。同僚はよくコットンサリーを着ているので、先生という立場の人なら、これぐらいのサリーを着るのが無難なのかもしれない。でもモノによってはすぐシワになるからアイロンがけが大変。(写真のサリーも可愛くてお気に入りだけど、アイロンが大変だから登板回数が少ない)

④シルクサリー

タミルの人たちが着るウエディング用のシルクサリー
ちなみに、色とか柄でタミル人が着るサリーとかシンハラ人が着るサリーとかがあるらしい。私の職場は殆どシンハラ人なので、不安なときは一応確認している。

しっかり値段は見たことはないけど、たぶん5000~6000ルピーぐらいの値段感。(あくまでもコロンボ価格)あと、これは私の疑念だが大体の店で売っているシルクサリーはたぶん100%シルクではない気がする。(触り心地と値段的に) でも、シルク独特の光沢はあるし、他の素材に比べたら肌触りも良さそうで着易そうなので、職場のミス達がシルクサリーを着てたら、ついスリスリしてしまう。
それから見た目のゴージャス感で言ったら、シルクサリーが一番きれいだと思う。(そういう点ではシルクのバティックも存在しているのだけど、値段が何故かコットンのバティックと変わらないものだから、私は若干疑っている)

まとめ

ここまで、今の段階で思いつく限りのサリーの生地の種類と特徴と大体の値段について書いてきた。最初は何が何だか分からなくて、とりあえず目についたものを買っていたサリーだったが、徐々に自分の立場と状況に応じて、自分の意志で選べるようになってきたことを嬉しく感じる。それでも現地のスリランカ人に比べたら、まだまだ足りない所も沢山あるはずだから、スリランカのサリーを楽しみつつも、新しいことを吸収していきたい。


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にしはる
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