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電球コードを自作する

新居の寝室には嬉しいことにデスクがある。今まではベッドの上で作業してただけに、これはかなり嬉しい変化だ。
しかし、部屋の照明計画は寝室仕様のため、キッチンやリビングルームよりも照度は暗い。寝るための部屋としては素晴らしいが、デスク周りだけでも明るくしたい、そう思って電球コードを自作することにした。

Hardware shopに行く

自宅から少し歩いたタウンには、Hardware shopがゾロゾロあった。このHardware shopは日本でいうと個人経営の電気工具・金物屋的な感じなので、自分のお目当ての物があるかどうかはお店に行ってみないと分からない。

しかし、私がそれ以上に懸念していたのはスリランカのHardware shopに外国人の女子一人で行って、ちゃんと取り合ってくれるのか?変な人扱いされて、テキトウにボッタクられて終わるのではないか?と思っている点だ。
と言うのもスリランカでは、いわゆる日曜大工的な仕事(力仕事、電気工事系の仕事)は男性がやるもの、としっかりハッキリと価値観がある。だからこそ、職場で電球を変えるために脚立を運んだり、登ったりしようとしただけで止められる。彼ら曰く、「女性はそういう事しないから、僕らがやるんだ」と当たり前のように言っていた。学生時代に2-3mぐらいの脚立を登り降りしてた人間を舐めんなよ、と思いつつも、スリランカ人的な価値観には抗えない。そして、近くの女子には「私は怖くて、そんなこと出来ないー」と言われた。いや、出来るし、自分の可能性狭めんなよ。(熱血)

そんな背景もあり、基本的にHardware shopは男性ばかりがいるのが想像ついたし、そんな中に外国人女性が1人紛れ込むのは、かなり勇気がいることだった。しかし、現地の知り合いに「Hardwareshopは女子一人でも行けるか?」と聞いたら「プルワン」と返答が来たので、1回行ってみることにした。(この「プルワン」はイマイチ信用できないのだが)

当日、お目当てのHardware shopに行く道中で、いくつか同じようなお店を目にした。その時、中に女性がいるお店を発見し、「ここは行ける!!」と思って予定を変更し、その店に入った。
これは完全に私ルールなのだが、スリランカで、飲食したりお店に立ち寄ったりする時に、その店の中に女性がいるかどうか、が個人的に大事な指針になってる。

ひとまず、店員さんに女性がいるお店であることが判明したので、そのお店でソケットケーブルを購入したいことを伝える。しかし、言葉だけだと上手く伝わらないので、写真を見せながら自分の希望を伝える。
幸いにも、私がシンハラ語を話したこともあってスムーズに買い物が出来た。金額もレシートに書いてくれて、事前に確認することも出来たので、変にボッタクられることもなく、ドキドキのHardware shopでのお買い物は無事に終了した。

Hardware shopの店内

自作する

学生時代に照明機材のコードを作っていた経験もあって、各種電気ケーブル類の原理原則は理解していた。とは言え、ケーブルを自作するなんて5年以上も前の話だったこともあって、本当にちゃんと出来るかドキドキしていた。

日本ほど便利な工具もないし、そもそも凄い手先が不器用だし…。とは言え、あるもので何とかするのがスリランカなのだ。そう思いつつ、ハサミでコードの被覆部分を剥がす。そう言えば、この被覆部分を剥がすのに、器用な子は10分ぐらいで出来てたのに、私は1時間半ぐらいかかったなぁ…と学生時代の記憶を思い出す。

学生時代は舞台芸術系の勉強をしていたけど、まさかスリランカでケーブルの自作経験が役に立つなんて思ってもいなかった。そもそも、その当時は自分がスリランカに行っているともおもってなかっただろう。いやはや、人生って本当に面白いものだ。

そんなことを思いながら30分ほど掛けて、自作のコードが完成した。しっかりと電球の明かりもついて、けっこう嬉しかった。

結局ショートして作り直してもらう

自作した電球ソケットを寝室に設置して、早速明るくなった寝室で作業を開始する。やっぱり部屋が明るいと、気持ちも前向きになるもんだなぁ、と感じていたら、急に火花らしきものが見えて、電気が付かなかくなった。やばい、やらかした。

外国の家あるあるなのかもしれないが、ブレーカーが自分の身長では届かない位置にあったりする。新居もまさにそういう所で、落ちてしまったブレーカーを上げてもらうために、大家さんの息子さんを呼ぶ。

「寝室のブレーカーが落ちてしまったんだよね」と息子さんに事情を説明していたら、そのまま電気が付かなくなった自作コードも見つかる。息子さんはちょっと笑いながら「ああ、これが原因だね」と言って、そのままコードの様子も見てもらう。どうやら、私はコードの被覆を剥がしすぎていたみたいで、ケーブルがむき出しになっている部分同士が接触してショートしてしまったみたいだ。
結局、自作したコードも大家さんの息子さんに手直ししてもらう。一緒にいた大家さんは「私は怖くて、こんなこと出来ないー」と言いながら様子を見ていた。いや、出来るんやって…。

息子さんは、かなり慣れた手つきで私が30分以上掛かったコードの自作を15分ほどで作り直した。やっぱり世の中、向き不向きとか器用不器用ってあるんやなぁ、と思う。その上、コードの自作に不器用過ぎて時間が掛かる・電球類をショートさせる等の学生時代からのお決まりの失敗パターンをスリランカでもやっていることに、世界中どこに行ってもそんなに変わらないのも事実だし、世界中どこに行っても自分って存在は劇的には変わらないのかもしれないと思った。

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にしはる
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