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ゴキブリ、空を飛ぶ

ある日、知り合いから「スリランカのゴキブリは飛ぶ」と聞いた。確かに私も聞いたことはあったけど、それは一時的な危機の時に飛ぶのでは?と聞くと、「いや、普通に飛ぶんだよ」と言われた。

しかし、私はスリランカに来て1年、飛んでるゴキブリなんて見たこともない。だからこそ、半信半疑でその話を聞いていた。

しばらく経った日の夜、ふとトイレに行きたくなって寝室からトイレに移動し、トイレの明かりを付けた。すると、室内で聞き慣れない「ブーン」という音がした。

最初は蜂が何かか?と思って室内を見回すと、上空を飛ぶ5センチほどの虫が見えた。よく見ると触角を動かしている。え、これがまさかの…?と思いつつも、上にいるゴキブリなんて見たことがなかったので、少し混乱した。
とりあえず、部屋にあるゴキブリスプレーを部屋中に撒いて、一旦様子を見ることにした。

翌朝、トイレの様子を見てみると、完全にひっくり返ったゴキブリがいた。しかし、その様子は痛々しく、内臓部を食べられペラペラになった体と片側の足がない状態だった。恐らく夜中にヤモリか何かに体の一部を食べられたのだろう。あまりにも悲惨な姿からか、昨晩の上を飛んでいた姿が嘘のようだ。(そもそもゴキブリが飛ぶという事実も嘘だと思いたい)
しかし、こうもしっかりと事実確認が出来てしまったからには現実を受け入れるしかない。一応死んでることを確認するために、ゴキブリにトレイ用洗剤をかける。案の定、しっかり亡くなっているのでトイレットペーパーに包んで、トイレに流した。

この時に1つ気付いた点があって、今回出会ったのは、いわゆる黒ゴキブリと言われる種類で、引っ越し直後に沢山出くわした茶色のゴキブリではなかった。そもそも、黒ゴキブリ自体が普段は屋外で生活しているため、たまたま入った家が悪かったのだろう。

さらに、あとで分かったのだがスリランカに多いワモンゴキブリという種類は飛ぶらしい。

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にしはる
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