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今日はスリランカ一年記念日

朝7時。今日は大学院のオンライン説明会に参加するために朝早くから机に向かった。

一昨日、昨日と中間報告書や自主企画の資料などを終わらせるために、ほぼ家に籠っていたから、今日は朝からお出かけをしようと考えていた。その為、オンライン説明会が終わったらすぐに朝ごはんを食べて、着替えを済ませて、コロンボ行きのバスに乗った。

最初の行先は毎週土曜日に開催されているSaturday Good Market。オーガニック系の野菜や雑貨などを主に扱っており、外国人や観光客もよく来ているようなオシャレマーケットだ。
私は何度かこのマーケットには行ったことがあるのだが、オーガニック系が揃っているだけあって価格は少し高め。その為、足繫く通うような場所ではなかった。しかし、2日ぶりに外に出たことや、溜まっていた資料を諸々終わらせた達成感もあって、今日はお買い物までして完全に楽しんでしまった。

マーケットで購入したバティックのワンピースは、今まで持っていたものよりもゆったりと着れる感じで、濃い目の紫色に一目惚れしたのだ。お店のおじさんとはシンハラ語で「これとこれ、どっちがいいかなー」とほのぼの喋りながら選んだのだが、2日ぶりに日本語以外の言語を話したものだから、少し新鮮な気持ちだった。
一方、お店のおじさんは外国人がベラベラとシンハラ語で喋っている様子がさぞ嬉しかったのか、1枚3000ルピーだったのを2800ルピーにしてくれた。しかも、お金を払ったあとに「お釣りを渡すからね」とおじさんに言われ、何故かお釣りとして300ルピーをくれた。結局、私は2700ルピーでワンピースを買うことが出来たのだ。

今までボッタくられることはあったけど、こんなにも値段が下がっていくことは初めてだったので、素直に驚いた。しかし、私の尊敬する先輩が「スリランカ人は理論ではなく感情で動く」と言っていたことが、もしかしたら今みたいなことだったのかもしれない、と気付く。

客観的に見れるようにってわざわざ写真まで取ってくれた

ほのぼのとした素敵な時間をマーケットで過ごした後は、気分転換とご褒美を兼ねて美味しい紅茶を飲みにディルマのt-Loungeに向かう。

普段はディルマのt-Loungeなんて値段的に恐れ多すぎて行けない場所なのだが、今日はスリランカに来て丁度1年だし、報告書とかも全部書いたので、ご褒美だ!と自分に言い聞かせて、ドキドキしながら入店する。

ピカピカの店内には、クリスマスの装飾が施され、クリスマスのBGMが流れている。そんな様子に、もうクリスマスの時期なのかーと感じ、丁度1年前の自分を思い出す。去年は確か「クリスマス感が全然ない」と言っていたが、今年もそれは変わらない。その一方でチャイコフスキーのくるみ割り人形の曲が流れた時に「今年は24日にくるみ割り人形の雪のワルツでも聞こうかな」と思えた。きっと私にも音楽を聞こうと思えるだけの気持ちの余裕は出来たのだ。

映え重視の容器のせいか、紅茶を注ぐときに机をビシャビシャにした

お楽しみの紅茶は、ローズとバニラのフレーバーティー。それと一緒にパンケーキも注文した。流石ディルマなだけあって、容器も何もかもが素敵でスリランカであることも忘れてしまうぐらいに、ウキウキした。

ローズのフレーバーティーは飲むたびに癒されるし、パンケーキはサイズが小さいものの、目が楽しくて幸せだった。こんなにもゆっくりとニコニコと紅茶を飲んだのはいつぶりだろうか?それぐらいに幸せな時間だった。

存分に紅茶タイムを楽しんだ後は、少し歩いてバス停まで向かう。そのバス停の近くに、日本の食品が売っているジャランカがあったので寄ってみることにした。ちなみに今回が私にとって初ジャランカなのである。

初めての日本の食料品店なだけに色々興味深く見ていた。そして、お米コーナーを見付けてどんな品種のお米か観察していたら、隣にいたマダムに英語で「これはスティッキーライスかしら?」と聞かれた。私は英語に英語で返せるほどの英語力がないので、シンハラ語で「これはスティッキーライスじゃなくて、ジャパンライスだね」と言った。するとマダムは驚いて「あなたシンハラ語が出来るのね」と言うので、私は「ちょっとだけね」と返した。

その後も「スティッキーライスはもち米だから、キリバットみたいな感じになるんだよねー」などと色々日本米とスティッキーライスの違いについて、勝手に喋ってたら、マダムが「あなた、本当によくシンハラ語を喋るわねー」と言って喜ばれた。マダムは昔日本の会社で働いていたことがあるらしく、今日は体調の悪い旦那(スリランカ人)がスティッキーライスしか食べれないと主張したために、ジャランカに米を買いに来たらしい。マダムは最後に「今日はあなたと会えて本当に嬉しかった。また会いましょうね。」と言ってくれた。

いつも買っている中華米よりかは高い

今日はシンハラ語だけでこんなにも喜んでくれる人がいてくれて嬉しい。今までも「シンハラ語出来るんだねー」のやり取りを何百回とやって来たが、こんなにも感動されて、こんなにも丁寧に「また会いましょうね」と言われたことは無かったからかもしれない。そう思うと、今日は本当に良い日である。

気分よく家に帰ったら、早速マーケットで買ったワンピースを着てみる。すると、縫い合わせが表裏反対になっていたことに気付いた。

そもそも裏表が間違っていたのではないか?と思いワンピースを裏返すが、裏地は裏地であった。内心やってしまった!と思ったが、縫製が間違っているのは縫い合わせ部分だけだったので、今度ファッションのサーに直してもらおうと思う。

本当に今日は悲喜こもごもなスリランカ記念日だ。
マーケットで購入したワンピースは縫製が間違っているし、ご褒美で食べたパンケーキは思ったよりも小さかった。ご飯は上手く炊けるようになったけど、まだまだ美味しいカレーを作れるとは言えない。
その一方で「ああ、これがスリランカだなー」と笑って受け入れられるぐらいには、自分も成長したし、スリランカ人が喜んでくれたり、私が嬉しくなる瞬間もある。だから、そういうことも全部含めて私にとっての「スリランカ」だと思う。

最後にご飯を食べている最中に、絶賛抗争中の彼氏から電話があった。彼からは「やっぱり別れよう」と言われた。最後の最後まで私のスリランカは裏切らない。今日は本当に良いスリランカ記念日だ。

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にしはる
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