西原朋未

舞台鑑賞ライター。バレエ、オペラをはじめ舞台空間の楽しさ、魅力を発信。旅を愛する旅好きでもあり。

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最近の記事

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23 美術や文学、多様な角度で楽しめる「くるみ割り人形」の世界へ

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23、2023年2月24日からバレエ「くるみ割り人形」を上演している。クリスマスシーズンともなると世界中で上演されるこのバレエ、日本でも取り上げていないバレエ団はないと言っていいくらいの人気演目で、バレエ団の数だけ演出があるといわれている。 そうした数ある「くるみ」のなかでも、英国ロイヤル・バレエ団のピーター・ライト版「くるみ割り人形」は間違いなくおすすめのプロダクション。1984年の初演から約40年、500回に及ぶ上演

    • 英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23「ダイヤモンド・セレブレーション」 未来を見据えた必見の公演

      英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23でバレエ公演「ダイヤモンド・セレブレーション」が2023年2月23日まで上演されている。バレエ団のファン組織「フレンズ・オブ・コヴェントガーデン」誕生60周年を祝うもので、3部構成9作品、多国籍の15人のプリンシパルから若手に至るまで、カンパニー総出で「フレンズ」に対する感謝を表するという、非常に贅沢なガラ公演だ。 英国ロイヤル・バレエ団が生んだ名作や、ワールド・プレミアとなる新作、さらに「ダイヤモンド・セレブレーショ

      • 英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2022/23 古典作品の「素顔」をあぶり出す衝撃の新制作『アイーダ』

        「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2022/23」、2023年1月6日からオペラ『アイーダ』が上演されている。オペラファンにはもはや説明の必要もないイタリアの巨匠ジュゼッペ・ヴェルディの名作である。当時のエジプト総督イスマーイール・パシャの依頼により制作依頼され、1871年、カイロ歌劇場で初演された。物語は古代エジプトとエチオピア舞台に繰り広げられる国家間抗争と、その間で翻弄されるアイーダ、ラダメス、アムネリスの悲劇の悲恋で、古代エジプトの宮殿や神殿といった壮麗

        • 白と黒が醸す幽玄の美。英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2021/22『白鳥の湖』は初バレエにもおすすめ

          英国ロイヤル・オペラ・ハウスのバレエとオペラを大スクリーンで。英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2021/22のシーズン最後を飾るのは、バレエと言えばこれ!と誰もが思い浮かべるクラシックバレエの名作『白鳥の湖』。英国ロイヤルバレエ団はもちろん、バレエそのものを初めて見る方にもぜひ、おすすめの作品である。 『白鳥の湖』の初演は1877年。1885年にプティパとイワノフの改訂により、これが現在にいたる「バレエを代表する名作」のデフォルトに。以後誕生後140年以上を経

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          オペラは世界の共通文化。入門におすすめの英国ロイヤルシネマ『椿姫』

          英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2021/22にてイタリアオペラの傑作、ヴェルディ『椿姫』が絶賛上映中だ。「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」とはその名の通り、世界五大劇場の一つ、英国最高峰のオペラハウスで上演された選りすぐりのバレエやオペラを、映画の形で世界に配信するものだ。オペラファンにとっては日本にいながらにして現地のオペラを観賞できる絶好の機会であることは言うまでもない。さらに「オペラに興味はあるが何から見ればいいかわからない」「敷居が高そう

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          英国ロイヤルシネマ『ロミオとジュリエット』今、この時だからこそのパワーが魅せる疾走感

          英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2021/2022、バレエの2作目はケネス・マクミラン振付『ロミオとジュリエット』だ。言わずと知れた、英国を代表する世界的な劇作家シェイクスピアの戯曲を原作としたもので、初演は1965年。以後英国ロイヤルバレエ団をはじめ、世界各国で上演され続けている名作である。 ■2人が放つ強烈な磁場 このプロダクションは英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズンでも幾度も登場しているが、しかし何度見ても飽きさせることはまずない。何度見てもひ

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          英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン ロイヤルバレエ屈指の名作「くるみ割り人形」で再開

          コロナ禍による公演中止に伴い、休止していた「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」が2022年2月18日(金)から、再開。その第1作目は2021年12月に上演された「くるみ割り人形」だ。 「くるみ割り人形」という作品自体は1892年にマリインスキー劇場の初演以来、クリスマスシーズンを彩る風物詩として、今では世界中のバレエ団で上演されている。それぞれのカンパニーが観客を喜ばせよう、楽しんでもらおう、寒い冬の季節、家族の団らんに温もりを添えようとそれぞれに工夫を凝らして

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          「マラーホフさんから学んだことを伝えたい」 針山愛美さん、ミニインタビュー

          11月30日、突然日本のニュースに登場した世界的ダンサー、ウラジーミル・マラーホフ氏。海外からの入国制限が施行されるギリギリの、最後のタイミングで入国が実現したマラーホフの来日目的は、豊中市と伊東市で行われた公演「One Heart」と、2022年1月19日に豊中市で開催される「With Love From Malakhov」に出演するためだ。いずれもプロデューサーはバレエダンサーの針山愛美さん。マラーホフが2004年から芸術監督を務めたベルリン国立バレエ団で、彼の任期満

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