61. いくつもの料理を作りながら、「チャオ!」とウィンク
2019/1/28 Napoli
さてナポリ2日目の朝だ。ヨーロッパ縦断の最後の都市で、一日自由に動けるのは今日しかない。朝からはりきって活動したいところだけど、喉が少し痛い。手のひらが熱っぽい。「まさか風邪をひいたのか…?」と暗い気持ちになる。
まあ気のせいだろうと外へ出かけてみたけれど、喉の痛みがどんどん増してきた。やはり風邪をひいてしまったみたいだ。いつ誰から菌をもらったんだろう?と考えてみても思い当たるフシがない。
風邪を引いたとて最後の日に宿にこもっているわけにも行かないから、ナポリの街並みを写真を撮りながら歩いていった。
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ナポリはともかく街が汚い。でも海に近づくにつれ、それほどひどくはなくなってきた。
海沿いを歩いてから、プレビシート広場へと出る。このあたりは観光ルートらしく、観光客の姿が多く見られた。
そこからごみごみとした住宅地へ入っていき、急斜面をのぼっていった。すると大通りに出て、見晴らしのよい場所へ出てきた。ナポリの港が一望できる。
遠くから見るナポリの景色は素晴らしかった。どれだけ街が汚くても遠くから眺めれば美しい姿を現してくる。そうして写真を撮っている足元には、犬の糞がたくさん落ちている。歩き始めるとナポリの現実へ戻ってしまった。
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このあたりで体が相当しんどくなってきた。時刻は午後1時。まだまだ陽は高いけど、一度宿へ戻ることにする。
暖かくして睡眠をとろうとベッドに横になった。うつらうつらしながら時間を過ごすと、外が暗くなっている。すでに夕方の6時を回っている。
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