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42. ただ「モナ・リザを見た」という事実を自分の人生に刻みたいがために
2019/1/9 Paris
パリに来てから連日寒さに震えている。といっても6度とか7度くらい。日本の冬と同じくらいだけど、ポルトガルとスペインが15度くらいと暖かすぎた。
限られた日数なので寒さに負けず行きたいところへどんどん行こうと思い、今日はルーブル美術館へ足を運ぶことにした。
昨夜調べてみると、ネット上でチケットの購入が可能だった。30分ごとに時間指定されている。少し余裕を持って、12時からの入場チケットを購入しておいた。価格は17ユーロ。
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11時半ごろにルーブル美術館に到着すると、門のところに署名活動を行っているおばさんたちがいた。フランス語で「ここに署名してほしい」というようなことを話している。
意味のわからないものに署名するのは嫌なので無視して歩いたら、7〜8人くらいの署名活動の集団に囲まれてしまった。しかも早口のフランス語でまくしたてて、ぼくに対して詰め寄ってくる。
「なんなんだこのひとたちは?」とさすがに嫌な気持ちがして、振り切るようにしてその場をあとにした。すると集団のなかの若い女の人が後ろから走ってきて、ぼくのイヤホンを届けてくれた。
どうやら囲まれているときに落としてしまったらしい。一応、お礼をいってそれを受け取った。いい人たちなのか、なんなのかよくわからない。
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おもわぬトラブルがあったあと、11時50分くらいにルーブル美術館の入場ゲートをくぐった。デモの影響で手荷物検査は空港並みに厳重だった。
ルーブル美術館を訪れたひとはおわかりだろうが、まあこの美術館は広大である。作品の数も膨大で、どこから見ていいやら見当もつかない。
最初から順番にまわっていくと絶対に疲れ果ててしまうと思ったので、主要な作品を先に見てしまうことにした。
ルーブル美術館の主要作品といえば、それはもう「モナ・リザ」と「ミロのヴィーナス」である。美術館内の柱にもこの2つだけは経路が書いてある。それを見ながら迷路のような美術館をひた歩き、まずは「モナ・リザ」のまえに到着した。
当然のようにその前には3メートルくらいの人垣ができていた。しかも見学できる最短距離から「モナ・リザ」までは、さらに3メートルくらい空間がある。
そしておそらくカメラのフラッシュや照明の影響を受けないよう、青く色の入ったガラスが「モナ・リザ」のまえを覆っていた。つまり最短距離まで来たところで、正確な色や筆使いなどはまったくわからないのだ。
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