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腐った葡萄の木から聞いた殺人事件/第九話

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 今度の死体は、小学生高学年くらいの少年だった。
 現場は児童公園。
 まだ腐ってもいない。しかしその顔はあの老婆と同じく笑っていた。
 しかも少年は下半身裸で、尻を剥き出しにうつ伏せに倒れていた。
 死んだのが子どもとなると、これまでの独居老人の不審死(?)のようにはいかない。わたしたち警察官の仕事が増えるということだ。
 暗澹たる思いのなか、わたしがこぼしたどうでもいい言葉に、水戸刑事が彼女には珍しく笑い転げる。
 わたしもつられて笑った……少年の死体が横たわる事件現場で。

#ステキブンゲイ

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