知らない人の恋愛話に乱入したくなった事ありませんか?
3月上旬。
世の中が自粛に入る少し前、僕は夜のスタバでネタを考えていた。
横の席には女子が2人座って恋愛話をしていた。
声がでかい。
盗み聞きするつもりがなくても話の内容がバンバン入ってくる。
その日に限って家にイヤホンを忘れてしまった。
僕はネタを考えられないまま女子達の恋愛話を浴び続けた。
話の内容は大体こうだ。
片方の女子(以下A子)がまだ付き合ってはないがそろそろ付き合う事になりそうな男(以下B介)についてもう一方の女子(以下C美)に相談している。
A子はB介の事が大好きだが、ラインの返信が遅い等どうもB介は自分の事が本当に好きなのかハッキリしない。
もしかしたら自分は遊ばれているだけでB介にとって都合のいいだけの女なのではないか。
そんな事を考えてると余計にB介が気になって気になって。。
今日も昼からラインが返ってきてなくてどうしたんだろうともう辛くて。。
とA子はすっかり憔悴していた。
一通り聞いたC美はハッキリこう言った。
「うん、それは遊ばれてるわ。」
え〜!!
断言するの早ない!?
そんな断言できる材料あった!?
C美は得意げに腕を組んでニヤリと笑っている。
僕は思った。
何やこの恋愛マスター感。。
A子がか細い声で答える。
A子「で、でも、B介は一緒にいる時ほんとに優しくて。。。」
C美「うん、一緒にいる時はな。でも今聞いてる話じゃ会ってない時はそっけないやん。絶対他にも女いるって。返信遅いのはその時他の女といるからや」
A子「そ、そんな。。。でもB介女友達全然おらんって前言ってたし。。。」
C美「言うてるだけやん!B介のその感じで女友達少ないわけないやん!会った事ないけど!みんなに同じ事言うてるて!騙されたらあかんって!」
C美、怒涛のカウンター。
A子の言う事をいちいち全否定していく。
カウンターを食らいまくっているA子はすでに半泣きだ。
てかC美そんだけ断言するわりにB介に会った事もないんかい。
その後もC美は会った事もないB介の事を全否定していく。
「ないわあ!」
「何なんそいつ!」
「マジで私やったら無理やわ!」
面白いようにC美のパンチが決まっていく。
A子はとうとう泣き出してしまった。
僕はこのあたりで確信した。
C美は恋愛相談に乗るつもりはない。
相手の男を全否定して自分が愉悦に浸りたいだけだ。
たまにおんねんこういう奴。
自分がマウントとりたい為に友達の彼氏や彼氏になりそうな人を無理矢理酷評する相談乗ったふり女が。
A子もよりによって何でこんな奴に相談したんや。
その後もC美はA子をどんどん追い詰めていく。
僕は心の中で思った。
A子、もうそいつの話を聞くんじゃない。
そいつはただ否定したいだけだ。
君がB介の事をいいと思うのならそれでいいじゃないか。
C美、お前は俺に似ている。
俺も似たような事をした事がある。
ろくに恋愛経験もないくせに否定的なアドバイスをしてマウントをとってしまった。
すっごい気持ちよかった。
自分が恋愛の達人になった気がした。
気持ちは分かる。
でももうやめるんだ。
心の声が届くはずもなくC美は止めの一撃を言い放った。
「B介はA子に何か与えてくれたん?これから何か与えてくれそうなん?私が思うにB介は何も与えてくれへんで!」
A子は号泣してしまった。
僕は頭の中にある言葉が浮かんでいた。
言いたい。
この話に乱入してそれを言いたい。
我慢できない。
でも僕は我慢してしまった。
僕はパチンコをしてる時以外は常識と理性が凄い(パチンコは去年の夏辞めました)
乱入しそうになった自分をグッと抑え、もうこの話は聞いてられないと席を立ったのだ。
ここから先の話はパラレルワールドである。
もし僕が話に乱入してた場合の世界だ。
簡単に言うと僕の妄想である。
に「ちょっといいですか?」
A子・C美「え!?え、なんですか!?」
に「話を聞かせてもらっていました。僕はあなた達に言いたい事があります」
A子・C美「え、なにこの人!?え、やば」
に「C美さん、あなた今A子さんにB介は何か与えてくれたん?と言いましたよね?」
C美「え、うん」
に「違うんです!」
A子・C美「え!?」
に「愛はきっと奪うでも与えるでもなくて気が付けばそこにあるものなんです!!!」
A子「ミスチル!?」
C美「名もなき詩の2番!?」
に「そしてC美、、、お前は、、、俺だ」
C美「はああ!?」
に「お前の気持ちはよくわかる!他人の恋愛にマウントとって悦に浸ってるんだろう!でも人の恋愛を否定したって自分のそのくだらん人生は何も変わんないんだ!」
C美「はあ何なんこのデブ!!え、まじで頭おかしいやん、こいつ!」
A子「すいません、店員さん!!」
に「うるさい、この相談乗ったふりエセ恋愛マスターが!!人の恋愛いちいち否定から入って上に立とうとすんな!」
C美「ちょこのおっさんまじでヤバいって!意味わからんねんけど!」
に「そもそも他人の恋愛の相談に即答する奴にろくな奴おらんねん!ほんまは他人の事なんて人それぞれで分かるわけないからな!何故かそういう奴ほど自分の考え持ってる人として周りから一目置かれがちやけどな!!クソが!!」
A子「店員さん!!早く来てください!」
に「お前みたいな奴がいるから俺の恋愛今まで上手い事いかんかったんや!お前みたいな奴が裏で邪魔してたんやろ!」
C美「それはお前がただモテへんだけやろ!このブサイクデブが!」
に「言うたな!!口からでまかせマウント女が!B介に謝れ!!」
店員「ちょあなた何してるんですか!?」
に「何やお前!!!」
A子「急にこの人話に入ってきたんです!」
C美「出ていけデブが!!」
に「お前が出ていけ!!この恋愛厄病神!!」
店員「誰か警察呼んで!!!」
危なかった。
もし乱入してたら逮捕される所だった。
もちろんスタバも出禁になっていただろう。
僕に常識と理性があって本当によかった。
あの後A子とB介はどうなったのだろうか。
願わくばうまくいっていてほしい。
そしてここまで読んでくださった方。
あなたの近くにもC美はいるかもしれない。
C美の言葉に惑わされず自分の気持ちに正直になってほしい。
そうにっしゃんは願っております。
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