11/19(火)MRIの結果を聞く・また手術
父がまた手術になった。しかも来週。
あまりに急で、思考が停止した。
先週MRIを撮り、今日その結果を聞きに行った。
抗がん剤で小さくなりすぎて先月の手術で取りきれなかった腫瘍が1月半ほどして取れる大きさにまでなった。
この腫瘍が抗がん剤で消滅する可能性はだいぶ低いので切ったほうがいい、というのが先生たちのカンファレンスの総意だという。
まるですごろくだ。
ようやく10進んだ、と思いきや、次にサイコロで、また10戻る。いやマイナスだ。
前回とそっくり同じところを切るらしい。ということはその分ダメージも手術のリスクも大きくなる。
我々は次は抗がん剤だと思っていたから、寝耳に水だった。
2、3週間猶予があるならいい。でもあと10日くらいで前回と同じ規模の手術だと突然言われてさすがに心の準備などできるわけがない。先生に「できそうですか」とか聞かれ、父はさすがに「えーーちょっと・・・」と言い淀んだ。当たり前だ。当たり前すぎる。
実は、入院の日にまた温泉に行く予定だったのだが、キャンセルせざるを得なくなった。父はとても楽しみにしていたのに・・・。もし行っても入院の時間までにはギリギリに帰って来れる、と最後まで父は粘ったが隣で母がバカおっしゃいとでもいうように父の懇願を(泣く泣くではあるが)跳ねつけた。
でも、今後の体にとっての一番良いタイミングがここしかないから「伸ばさずに今やってしまったほうがいいです」と先生は言う。12月前半は年末は家でゆっくり過ごしたいという患者さんが多いから手術が混み合っており、12月後半になると癌細胞が大きくなりすぎてより難しい手術になる可能性があるのだという。もちろん先生は、「心の準備がなかなかできないとは思いますが」という一言は添えてくれたが、いくらここしかタイミングがないとは言え、はいそうですかとは簡単にはいえまい。
もちろん最終的には手術をやると決めたが。
これまでのようにジョギングしたり歩いたりがなかなか難しくなるかもしれない、と言われた。もちろん個人差はあるけれど。
8月の大腸の腹腔鏡手術とは、肝臓の開腹手術はわけが違った。
だいぶ回復のスピードも遅かったし、お腹に大きな傷を抱えているものだからなにしろ夜眠れないというのが大変そうだった。父は仰向けが苦手だから普段から横向きで寝る人なのだ。退院後2週間くらいは朝起きると具合がすこぶる悪そうだった。またあれになるのか・・・。きついなあ。
また刺され、管に繋がれ、切られるなんて可哀想すぎる・・・と思うけれど、やることが最良の方法なのだというのだから先生方におまかせするしかない。
でも唯一救いがあると先生は言っていた。「新たな腫瘍ができてないことです」と。術後すぐ、新たな腫瘍ができることは結構あるという。でも父の場合は、前から元々あったところが大きくなっただけ。つまり、今回の手術の箇所は想定の範囲内と考えていいのだと思う。
母はこのことを前向きに捉えている(捉えようとしている)みたいで、術後の過ごし方が正解だったんじゃないか、と言っていた。食事、運動、休養、仕事、息抜き…。
父にはなるべく長生きしてほしい、これが私と母の思いだ。まだまだ生きていてほしい。
だからまた山登りスタートだ。
さすがに今日は父もうなだれてしまい、かける言葉が「頑張ろうね」ぐらいしか見つからなかった。
思うのだけど、医者でもない私が父にできることはやはり食事を作ったり、生活を共にし、言葉をかけることなのだと思う。
本当にできることが少ない。
自分が良かれと思ってやったこと、やらなかったことが父の体に影響しているんじゃないかと時々ふあんになって何をどうしたらいいのかわからなくなる。みんなどうしてるの?
それでも私は自分にできることをやっていくんだろうなあ。明日も。