10/28(月)〜11/2(土)たまには母にも・イタリアンを食べてみる・自分のこと

10月28日(月)
母は祖母と久しぶりにフレンチのお店に行った。昔から行っているのでお店の人とも顔馴染み。高齢の祖母をいつも気にかけてくれる優しい人たちだ母を外へたまには連れ出したいのと、母の気分転換も兼ねて。 
私は春か夏に祖母と一緒にその店に行ったので、今度は父のことは私がやるから、と母を送り出した。
初めての抗がん剤で大変だった数ヶ月前、母は父の世話を引き受け、「美味しいものを食べてリフレッシュしておいで」と言ってくれた。たまには母にもいろんなことを忘れてリフレッシュしてきてほしい。上げ膳据え膳で美味しいものを食べさせたい。
母は美味しかったーとこっそり喜んで帰ってきた。良かった。

父も行っても良さそうだけどこの店は待ち時間が長めである。待つのが苦手な父はかえってイライラして血圧が上がり治るものも治らなそうなので3人で行くのは却下。 美味しいのに残念だ。         


10月29日(火)
今日は父はものすごく疲れたみたいだった。
仕事終わりに来客があり、なかなか休む時間がなかった。
母が心配している。

私は本屋で久しぶりに雑誌を買った。
普段なら立ち読みで済ます、あるいは電子書籍でDLしてしまうところだが、今回は好きなアーティストの記事がたくさん載っているのでついつい財布の紐が緩んでしまったのだ。
夜、ベッドの上で買ってきたばかりの雑誌を広げて読む。
お目当ての記事を読み終わり、ふと我にかえる。
なんだか、久しぶりにリラックスしていた。

昔は今より雑誌も安かったし、そもそもネットがなかったから雑誌を買うのが当たり前だった。今やもうそんなフィジカルで買うことは昔と比べると随分少なくなってしまったけど、たまには買って読むのもいい。
ネットは一つ検索をかければどんどん無限に広がっていき、一つ読み終わっても何か違うものが目に入る。そしてそれを起点として情報の渦に巻き込まれてしまう。ずるずると。
でも本はそれがない。
情報は本という囲の中にしっかりと収められている。
それが本のいいところだ。


10月30日(水)
今回のPMSはメンタルにきた。
本当に1ヶ月に1回、上げられたり下げられたりされたらたまったもんじゃないですよね。まあ、それが自然の摂理というか生き物として生まれちゃった以上しょうがないのだけど。
何をやっていても「ああこの先どうしよう」とか「自分はどんなふうに死ぬのだろう」とか不安になる。精神衛生上本当に良くないと思う。
メンタルが地中奥深くにめり込んでいく過程で、冷静な自分が「これは生理の前だから」と上から声をかける。すると、ハッと地上に戻ってくる。なってしまうまでその攻防がずっと続く。
なってしまえば少しはマシになる。相変わらず「この先どうしよう」と「どんなふうに死ぬんだろう」という考えはあるものの(私はネガティブだから)、PMS中にあった無駄な重さは無くなっている気がする。
この世の終わり感はなくなる。

好きなアーティストのライブ映像をみたら久々に気が晴れた。


10月31日(木)
世の中はハロウィンらしい。私のなかではハロウィン文化は全く根付いていない。かぼちゃを食べたかなと思うと煮物で、それでは冬至である。わからない。ハロウィン自体は歴史と意味のあるイベントなのだろうが、1年のうちの一大イベントの椅子を知らぬ間にゲットしていたハロウィンを私は未だ認めることができない。正月、お盆、クリスマスと比べてなんとなく薄っぺらさが否めないよくわからん祭り。それが私にとってのハロウィンである。

父のリクエストでイタリアンを食べに行った。
ファミレス的な大きめのところである。
術後初めてのイタリアン。
大腸の手術からはもうすぐ3ヶ月、肝臓の手術からは1ヶ月ということで最近はきのこや揚げ物も普通に食べ出し、特に問題もなさそうなので、心配性な母からゴーサインがでた。

家で作るイタリアン(もどき)はどうしても油の量を控えてしまうが、外はカルパッチョにパスタに、どこにでも惜しみなく使っている。
中でも生パスタのもちもち加減が最強だった。勢いよく食べたらきっと消化不良を起こすと危険を察知した私は眉間に皺を寄せながら前歯と奥歯で一生懸命に噛み砕いたほどもちもちだった。

帰りに父はウオーキングシューズとウィンドブレーカーを買いwalkingに出かけて行った。

母が出かけて行った父を見て、「なんだかガン患者なんて嘘みたいだね」と言った。本当に普通なのだ。食べっぷりもいいし、しっかり動けるし。側から見たってステージ4のがん患者とは誰も思わないだろう。

それでも父は病を抱えている。
そして、父だけでなく世の中にはそういう人が何人もいる。
知らない、見えないだけでみんな何かを抱えている。
道ゆく人も、ネットで出会う人も。

だから、少なくとも私はできる限りいつも優しくありたいと思う。
人に元気になってもらえる、一瞬でもクスッと笑ってもらえるそんな生き方をしたいと思う。
前、友人に「シューカちゃんはサービス精神が旺盛だよね」と言われた。
はて、と思っていたらどうやら、人を喜ばせることが好きという意味らしい。
その時は言われたことがあまりにもわからなくて曖昧な返事をしたが、よく考えたらそうかもしれない。割と私の発言でみんなが笑ってくれることが多い、というか意図してやっていることもあるからだ。
でもそれはほとんど無意識のうちに行っている。
友人曰く「無意識が一番強い」とのこと。
おもしろ発言ができるのは母方の祖母譲りかもしれない。
これはありがたい遺伝。祖母は明るい根暗だが、私は根暗でも明るくない。仄暗い根暗だ。どこまで行っても薄暗い。我ながらどうにかしてほしいといつも思っている。

「サービス精神が旺盛」と言われたのは新しい自分を発見できたようで嬉しかったけれど、本当にこれはつい髪の毛を触るとか、小さい頃から黄色が好きとか、説明できない現象なので少々扱いに困る。

さて。なんの話をしていたんだっけ。





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