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2024年_塩尻ワインサークル・コミュニティヴィンヤード活動記

こんにちは。長野県塩尻市にあるワイン用ブドウのコミュニティ農園でヴィンヤード長をやってる、西宮竜也です。

耕作放棄地を活用してワイン用ブドウ畑をゼロから作ろう!とクラウドファンディングを始めてから3年、今年2024年は初のブドウ収穫とワイン醸造ができました!(本当にうれしい!!)

スタート当初はどうなることか、まったく想像できていませんでしたが、ここまで来れたのはコミュニティヴィンヤードを支えて頂いている、メンバーの皆さまと地域の皆さまのおかげです!本当にありがとうございます!

コミュニティヴィンヤードメンバーとの2024年活動と共に、当初のことや私が今考えていることの記録です。興味を持っていただいて、仲間が増えて、この活動がさらに持続的になってほしいと思ってます^^

・塩尻ワインサークル_コミュニティヴィンヤードとは

塩尻ワインサークル(SWC)コミュニティヴィンヤードは2021年12月にクラウドクラウドファンディングで仲間を募り、2022年3月から活動を開始しました。


コミュニティヴィンヤードとは、複数の会員で数万円ずつ出資して運営するワイン用ブドウ畑のこと。ヴィンヤードの会員(現在の年会費は2万円)になると、地元生産者さんのご指導を受けながらワイン用ブドウの育成に参加できるだけでなく、近隣ワイナリーのブドウ収穫のお手伝い、ウェビナーや懇親会、ワイナリー見学等に参加することができます。

現在、コミュニティヴィンヤードのメンバー数は50名を超え、約7割が長野県以外の関係人口でして、大半の方が首都圏にお住まいです。

ご家族のどなたか1名がメンバーになっていれば、ご家族も同伴で自由に活動を楽しめます!ちなみに私(東京在住)はよく子供を連れて行ってまして、今では塩尻にお友達ができているので「お父さん、また尻にいきたい~!」と言うほどになってます。(塩尻を略して娘は「しり」と言ってますw)

現在、長野県塩尻市中西条(塩尻駅から車で10分程度)にあるコミュニティヴィンヤードにはメルロー100本、カベルネ・フランが80本植えられています。今年の初収穫は約60kgのブドウがとれ、40本程度のワインになる予定です。数年後には最大400本近いワインができることを目指しています!

2024年8月、ヴェレゾン(ぶどうの色付き)が進む畑の様子

現地作業に来ていただいた方は、塩尻駅にあるワインバー「アイマニ shiojiri」でウェルカムワインを1杯提供してます!また、活動予定日以外にコミュニティヴィンヤードのお世話をいただいたメンバーには、1,000円のアイマニお食事券をお渡ししております。

・2024年_SWCコミュニティヴィンヤード活動

1月 新年会
2月 新規メンバー募集 
3月 藁外し、剪定
4月 草刈り、倉庫設置
5月 草刈り、ワイナリーフェスタ
6月 芽かき、誘引、草刈り
7月 摘芯、誘引、草刈り
8月 ブドウへの笠掛、摘芯、誘引、草刈り
9月 近隣ワイナリー収穫お手伝い、東京懇親会
10月 コミュニティヴィンヤード初収穫!、手除梗、醸造仕込み
11月 近隣ワイナリー収穫お手伝い
12月 藁巻き、エチケット製作

1月_東京新年会
お互いに国産ワインを持ち寄って楽しみました!

@ブラッスリー・レカン_上野

5月_塩尻ワイナリーフェスタ
毎年開催される塩尻ワイナリーフェスタへメンバーさんやコミュニティヴィンヤード体験者さんと共に参加しました。3年間の活動の中で地元のワイナリーさんとの繋がりも増えてきましたので、久しぶりにお会いできる楽しみもあります。

2024年5月18日_塩尻ワイナリーフェスタ

6月_芽かき、誘引
地元の生産者さんから学びながら、ブドウの木の伸ばしていく大事な芽を残して、不用な芽や枝を落としていきます。これからどのように向かい合ってるぶどうの木が育つと良いのか、想像しながらの作業は頭も使い、没頭する時間となります。

2024年6月1日_川島さんに学びながら

9月_東京懇親会
東京在住組だけでなく、名古屋や京都のメンバーも一緒に一人一本のワインを持ち寄って懇親会!貴重なワインも出たりと、楽しいひと時でした♪

2024年9月6日_東京懇親会@新橋


10月_初収穫!、そして醸造開始
待ちに待った初のコミュニティヴィンヤード収穫!今年は秋以降の台風の影響により塩尻のどの畑も収穫量が厳しい中でしたが、なんとか収穫を迎える事がでしきました!

2024年10月12日コミュニティヴィンヤードのメルロー

収穫量はメルロー23.5kg、カベルネフラン35.5kg、合計58.0kgでした!
病気になった実は丁寧に選果で落として、きれいな実だけを収穫する作業には時間を要しましたが、これだけの収量を得たことは夏の笠掛など丁寧にメンバーの皆さまが育ててくれたおかげでした。

2024年10月12日_コミュニティヴィンヤード初収穫!

収穫後、その日のうちに手除梗(梗から実を一粒ずつ手で取る作業)を行い、翌日は破砕、酵母添加して醸造を開始しました。
糖度は18.5。補糖してませんので、ワインができた際のアルコール度は11度弱くらいかと。

収穫後、そのままワイナリーへ移動して手除梗する様子
子ども達の足で実を破砕する様子


12月_藁巻き、エチケット製作
毎年12月、年内最後の作業は藁巻きです。塩尻の冬は氷点下−10度以上になるほど寒く、特に若いブドウの木は越冬が厳しいです。そこで苗木一つ一つに藁を巻いてあげて、保温性を高め、冬の厳しさを何とか耐えられるようにしてます。
本日は小雪の舞う中でしたが、メンバーさんと共に冬支度をしました。

2024年12月7日_藁巻きのために半数以上が東京や名古屋から

また、今回、初めてコミュニティヴィンヤードのワインができることに併せて、メンバー有志でエチケット(ワインボトルのラベル)検討を開始しています。みんなで作ったワインなので、エチケットもみんなで作ろう!となり、本日参加メンバーでデザイン画の製作にも取り掛かりました。
毎年、違ったデザインで、畑作業に関わったメンバーが色を重ねながら作り上げていく予定です。こちらも出来上がりが楽しみです!

2024年12月7日_エチケット用のデザイン画を参加メンバーで作成
2024年12月7日_藁巻き後の畑の様子、無事に冬を越せますように!

・私がヴィンヤード長になったきっかけ

私はいろんな人とお酒を飲んだり、一緒に作業したりするのが好きで、特にワインのことが詳しいわけでも何でもありません。そんな私がヴィンヤード長をやろうと手を挙げたのは、この投稿のちょうど3年前、塩尻ワインサークルメンバーでの忘年会の日(2021年12月7日)でした。

2021年12月7日_恵比寿にて、塩尻ワインサークル忘年会

そのころ私は地域課題解決プロジェクトにいくつか絡みだした頃で、プロジェクトに首を突っ込みながらも、地域で頑張っている人に対してなんだか言いたいことだけを言っている「ただのおじさん」ではないか、というのが悩みでした。そんな中、塩尻ワインサークルメンバーがクラファンしながら畑を立ち上げるとの話があったので、「私がヴィンヤード長をやってみます!」と手を挙げてみました。自分から地域へ身を投じてみて、いろいろと経験し、何かを得て、「ただのおじさん」から脱却したい。というのが実はきっかけでした。

・今後の思い

ワインは赤ワインと白ワインがある。って程度のワイン知識しかない私ですが、おいしいワインを一緒に飲みながら人生を楽しめる方々が増えていけばいいなと思っています。
私がどんなワインを特に美味しいと感じるかと言えば、自分が関わったワインはもちろんのこと、ワインを作っているその土地を訪れて、作り手さんからワイン造りの思いを直接伺って飲むワインでして、ほんと、格段に味の感じ方が変わります。まずはこの体験をいろんな方にしてほしいです。

複数の方々と、話したり、食事やお酒を楽しんだり、土や作物をいじったり、人生の時間を一緒に過ごすことから生まれる安心感や信頼感を大事に、お互い好きなことや興味あることをやって、そこで関わる皆さんが幸せになっていく、そんなコミュニティを継続していきたいと思っています。また、こんなコミュニティがあらゆる場所に広がってほしいと思っています。

場を作り、運営していく労力はそれなりにありますが、自分の人生の豊かさにつながるものは、なんだかんだ頑張れてしまうなと感じてます。とはいえコミュニティは一人では成り立たないので、皆さまと一緒にお互いできることをやりながら、素敵な環境を作って行きたいと思います。
今日も参加してくれてた子供たちが将来的にもこのコミュニティで楽しんでくれるとよいですね。

畑作業の横でワイン用エチケット(ラベル)のデザイン画を作成中の子ども達

少し早いですが、今年もありがとうございました。
みなさま良いお年を!!

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