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「webライターは楽」という神話
どこからともなく「webライターの仕事は楽ですよ」と聞こえてくる。直接的にそう言っている人を目にしたことはないけれど、風に乗って流れてくるように、そんな声が聞こえてくる(もはや音に近い)。
たしかに世の中に溢れている様々な職業に比べたら、楽なのかもしれない。でも、楽だと思ってwebライターになって、聞いていた話とのギャップに筆が止まる人がいる。
書くことは好き、
でもwebライティングは嫌い
僕からすれば、
もう少し続ければいいのにな、って。
もしかしたら天職かもしれないのに。
そもそもwebライティングが楽であってはならない
そもそもwebライティングって何でしょう。誰のためにあるのでしょうか。
定義が難しいことは他の記事で書いたので省略しますが、少なくともwebを使うユーザーのためにあるライティングだと思います。つまり、書かれた文字の対象はweb上のユーザーに向かうわけですよね。
とても単純なのですが、web上で閲覧する文章とはいえ、文章を読むのは人です。人が読むということは、変化する「読みたい」に合わせて、書き手は文章のテイストを変えていかなければならない。
具体的なPREPとかパラグラフライティングの手法なのか、あるいはニュアンスなのか何となく伝わる語感なのか、そこまで詳しいことは断言できないけど、書かれる文章が変化して何も不思議じゃない。
そもそも「webにおける読みたい」は別にライティングである必要もない。画像で済んじゃう「読みたい」があるし、動画で完結する「読みたい」もある(マイクロモーメントでいう「知りたい」)。
いささか脱線しそうだけど、webライティングはそれくらい身なりを変えていく必要があると思う、ということ。
webライティングとは何か、を定義することは一応のところ必要なんだけど、一通り経験した人は定義し直さなければならない、と思う。そして、それがweb上のユーザーに向く必要があると思う。
webライティングとか、webライターを固定化して捉えることによって(あるいはそれで効率化を図ることによって)、書き手である自身は楽になる。けれども、それは当然「遅れ」の原因になる。
だから、少しずつでいいから、定義を変えていかなければならない。webライティングとは、そういう「生きたもの」だと僕は感じている。
SEOは壁か、追い風か
僕にもクラウドソーシング下積み時代があったのですが、クラウドソーシングで疲弊していた僕にとって、SEOは間違いなく高い壁に見えました。
文字単価2円が壁のように感じられたのは、このSEOの壁があったからです。でもどうでしょう。僕が感じていたSEOの壁は、乗り越えてしまえば不思議な追い風のようになりました。
ここでSEOについて端的に説明するのは難しいのですが、1つずつ階段を登るように学び、見出しや文章に落としていくことができれば、ある程度の基準のようなものには到達します。
SEO記事の多くは文字単価3円~7円くらいで遷移していて、1日に1本でも書ければ十分、それだけで生計が立てられるようになります。
SEOが理解できる、というよりは、SEO記事におけるライティングを覚える、といった解釈の方が正しいかもしれません(SEOは変化するものなので)。
SEO記事はどこから発注されるもので、誰にとってメリットがある記事で、どういった予算が組まれているか、といった部分を意識できるようになれば、少しずつでも分かるようになっていきます。
後はたった1回のミスで見限らないクライアントを見つけることです。答えのないSEOを意図したライティングなわけですから、クライアント側で適切な基準を設けていなければ、ライター側は苦い思いしかしません。
ここでいう「適切な基準」というのは可読性の高い文章であること、論理的であること、などが含まれます。
要はSEOは目指すものではあるけれど、答えをくれる対象ではない、ということです。まずはその前に、ライターが書いた記事を検品するクライアントと、大元の発注者(エンドクライアント)がいることを忘れないでください。
そして、クライアントにも質がある、ということ。いつまでもマウントを取られたままではダメです。
「情報の粒度」の壁
SEOの壁を乗り越えた後、というか、その過程にあることかもしれないのですが、「様々な情報をまとめ上げ、絞り込む」という作業が必要となります。
情報の多くはwebで収集するものですが、ただ収集して羅列するのではなく、クライアントが欲しい形にまとめ上げて、絞り込んでいくのです。
言われなくても多くのライターさんは無意識のうちにやっていますが、これを意識的に操作するのです。「ただ何となく」するのではなく、「意志を持って」見出しだったり文章だったりを記述していく。
その時に必要となるのが「情報の粒度」という考え方。
情報の粒度は、プールに浮かべられた無数の情報を、多様な枠を使ってグルーピングする(分ける)作業に似ています。そして、この「多様な枠」というのはたくさん持っている方がいい。
無数に散らばる情報をすくい上げて、適切な枠の中に入れて、分類することが大切になってくるのですが、そこで役立つのが「情報を囲う枠」なんです。
少し違う言い方をすれば、メタ的な視点で情報を眺める、って感じですかね(余計難しくなったかも笑)。プールの監視員がプールで泳ぐ人たちを見守る様子に近いのかもしれません。
実は、これが意外と難しいんです。ライターのwebリテラシーや素養とも関係してくるので。ライティングとは別の力になるかもしれません。
まっさらなWordの文書に、タイトルと見出しと、そして文章を落として1つのストーリーを作る感じ。この力さえ身につけば、SEOもこわくないし、他のライティングだってこわくない。
びっくりするほど、よく分かるようになる。あれだけ難解だったマーケティングだって、なぜか分かるようになるんですよね。ほんと不思議でした(今も勉強中です!)。
「情報の粒度」は伝わらないかもしれない
最近色々な人の書いた文章をみて、SEOライティングの視点からフィードバックを行うのですが、こちら側が頻繁に使用する「情報の粒度」という言葉がどうもスッと腑に落ちない人も多いみたいです。
こちら側としては紛れもなく「情報の粒度」なのですが、あちら側としてはボヤボヤしてるのです。
僕の肌感としては、もっと精密な言葉、緻密な言葉を使って「情報の粒度」が示す意味内容を記述しなければ伝わらないのではないか、と感じています。
例えば先ほど話した「プールの例え」のように、情報をいかにグルーピングするのか、といった技術的なことを教えていく必要があるかと。
まだ試行錯誤の段階ですが、「情報をグルーピングすることがなぜ大事なのか」ということを、背景の意図を含んだ形で、様々な文章例や記事例を通じて教えていくことが、実践的かつ具体的なんじゃないかと思っています。
言葉で単に指摘するには、ちょっとイメージがしにくいはずなので。もし、その方法論的なものが見つかったら、続編という形で書きたいと思います。
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![西平将紀|フリーランスライター](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/45745130/profile_e31ff54ffce0e5aa5de8076c34f608d6.jpg?width=600&crop=1:1,smart)