自主防災・避難誘導マニュアル(震災編)
第一章 震災編 地域に大きな地震が発生したら
<地震について最初に知っておくこと>
多くの建物が倒壊するかもしれない震度6強以上の非常に強い揺れの地震は基本的に、阪神淡路大震災のように直近直下が震源で且つ、M7以上の大きな地震が発生した場合に限りますので、この地域で起きうる地震の可能性を知っておくことは重要です
政府の地震調査研究推進本部によれば、六日町断層帯、十日町断層帯など直近直下の活断層で、30年以内にM7超の大地震が発生する確率は最新の報告でも、ほぼ0%~3%以下とされています
長岡平野西縁断層帯、高田平野東縁断層帯など、比較的近隣の断層帯でも、ほぼ0%~8%程度だそうです
したがって、大半の大地震は震源域がここからかなり遠くで、この地域に揺れが来る直前には高い確率で緊急地震速報が鳴りますので、おちついて、身を守る行動を素早くできるようにしておきましょう
1.もし大きな地震が発生したら(自身と家族を守るために知っておくこと)
(1)身の安全を守る
古い耐震基準で昭和56年5月31日以前に建てられた木造家屋は震度6以上なら倒壊してもおかしくありません、1階より2階の方が安全ですので、あわてて下に降りないこと
リビングや居間なら、家具や食器棚、窓ガラスから離れ、テーブルなどの下に潜って脚に掴まる
寝ていたのなら一旦揺れが収まるまで子供を呼び寄せて布団に包まります
(2)一旦揺れが収まったら(次の余震が来る前に)
まずは必ず火の元を確認しましょうガスの元栓も一旦閉めるべきです
感震器付きのストーブなら消えているはずですが確認して消火しましょう
ドアや玄関を開けて直ぐに逃げだせるよう出口を確保します
家がきしんで倒壊するかもと感じたら一旦みんなで屋外へ退避しましょう
(3)ひとまず周囲の安全を確認する(この地域には津波も土砂崩れも来ません落ち着いて)
まずは誰か怪我をしていないかそれから家屋の被害程度を確認しましょう
離れている家族がいれば分担して安否確認の連絡をします
子供たちを迎えに行く相談を、就学時間帯であれば既に安全な場所で避難しているはずです
家の中の確認は棚から物が落ちていたりガラスが割れているならスリッパや靴を履きましょう
電気、水道、電話と携帯が使えるか確認します
LPガスは震度5以上ならメーターの感震器で自動閉塞されます、解除ボタンを押すまでガスは出ません、押しても開栓できないときはガス管などが破損している可能性がありますのでガス屋さんへ連絡してください
テレビやラジオで災害規模を把握します(ネットは完全に信頼できるサイトで)
中越大震災の時には安全な場所に車を停めて車中で余震をしのいだ方も多くいられました
被害の概要が把握できたら、家にとどまるべきか一旦どこかへ避難すべきか相談しましょう
2.一時避難する際に確認すること(重要です)
電気のブレーカーを必ず落としてください配線の漏電や家電の暴走で火災が発生します
LPガスは安全が確認できるまで絶対に使わない元栓も必ず閉めておいてください
水道も断水が解消されたら吹き出すかもしれません、出なくても全部蛇口を閉めましょう
家族がバラバラにならないよう避難場所を必ず決めておく、行先を知らせることは大変重要です
近所の方にも避難先を共有しましょう、電話が通じづらいときは災害用伝言ダイヤルを利用しましょう
身の安全を確保するための一時避難時は必要最小限の身の回りの物などを準備します
寒冷期には充分に暖かい服装でカイロなどや包まるものも準備しましょう
必要なものはリュックに入れて両手を空けておき、できれば軍手を着用してください
非常用持ち出し袋は避難する際の負担にならないように必要最小限にします
(ア) 飲料水(ジュースやお茶より、用途が広い水がお勧めです)
(イ) 食料品…ビスケット、チョコレート、レトルト食品、缶詰など
(ウ) 懐中電灯、携帯ラジオ
(エ) 携帯電話と充電器、モバイルバッテリー
(オ) 着替え、タオル
(カ) マスク、除菌ウェットティッシュ、常備薬、生理用品など
(キ) 紙皿、紙コップ(マイ箸やラップあれば便利だと)
(ク) 貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証など)
(ケ) 乳児がいる場合は抱っこベルト、ミルク、紙おむつ、哺乳びん、おしり拭き、ゴミ袋など
何処の大震災の現場でも多くの建物が倒壊し、漏水で水が噴き出し、散乱したがれきを踏み分け、地割れと段差のできた路面を越えて行かねばならず丈夫で安全な靴が無ければ歩行困難な状況でした。建設作業用の安全靴などをお持ちの方は少ないでしょうが、トレッキングシューズはお薦めで他のアウトドア用具も災害時にはとても役立ちますので、非常用持ち出し袋と合わせて保管場所を考慮しましょう
<災害用伝言ダイヤルの使い方>
災害時に固定電話、携帯電話等の電話番号宛に安否情報(伝言)を音声で録音(登録)し全国からその音声を再生(確認)することができます
[操作の手順]録音も再生も手順は一緒です
① 1 7 1 に電話します
② ガイダンスに従って録音の場合は 「1」 を、再生の場合は 「2」 を押します
録音の際に必要なら暗証番号を付けることもできます
③ ガイダンスに従って安否確認先の電話番号を025などの市外局番から登録します
④ 伝言を録音・再生することができます
<災害用伝言板web171とは>
https://www.web171.jp
スマホなどでネットを経由して災害用伝言板(web171)にアクセスし電話番号をキーとして伝言情報 (テキスト)を登録できます。登録された伝言情報は電話番号をキーとして全国(海外含む)から確認し、追加の伝言を登録することが可能です。また、登録されたメッセージをメール通知することもできます
第二章 震災編 地域で助け合う共助の取り組み
1.市の指定避難所の開設について
もし地震が発生しても津波や土砂崩れのおそれがないこの地域には、基本的に緊急の避難指示や勧告が発令されることはありませんが震度5強以上の地震が発生し市長が必要と判断すると指定避難所を開設し危険な場所や建物からは離れて安全な場所へ退避するよう促す避難情報が出されます
西泉田公民館(集会所)は災害時における区の一時避難所なっていますが充分な耐震強度がありませんので震災の時には避難の要所となりません
<近隣の指定避難所は>
総合支援学校の体育館(172人の避難が可能)Tel025-773-3770
南魚沼市民会館(1,272人の避難が可能)Tel025-773-5500
■公民館の耐震性について
西泉田公民館(集会所)は令和6年9月に耐震強度の診断調査を実施しました
結果として至急に修繕などが必要な不具合は無いものの、昭和56年以前の古い基準で建築されていること、最初に建造した部分の土台が強度不足で一部の地盤も少し沈下していることなどから震度6強以上の地震なら損壊の可能性もあると診断されています
公民館に居るときにもしも緊急地震速報が鳴ったり地震を感じたら
・1階に居るならできるだけ速やかに屋外へ退避すること
・2階なら一旦揺れが収まるまで下に降りないでください
2.助けが必要な場合には(互いに助け合う共助の取り組み)
大地震なら警察や消防は直ぐに来れないかもしれません地域で助け合う共助の力が必要です
3.自治会は自主防災組織体制へ
震度5強以上の地震が発生した場合、区長の状況判断と指示により自治会は自主防災組織体制へ移行し各伍長さんは班長として地区に留まり、その他の自主防災会役員は可能な時点で区の災害対策本部へ参集、区長の指示のもと必要な支援などの検討及び役割分担をおこなう
震災発生のとき →総合支援学校が区の災害対策本部となる
4. 自主防災体制へ移行後の活動分担について(発災直後から避難所の開設まで)
(1)救助と被災状況の把握を最優先に
各伍長 →区民の安否確認、被災状況の報告、捜索支援要請などを担う
公民館長 →防災備品等を利用可能とするため安全が確認できたら公民館を開錠する
消防委員長 →消防団との連携連絡窓口となり支援要請や対応状況の把握を担う
消防団及び支援が可能な方々 →助けが必要な人たちの救助活動、救護の支援へ
区長 →全体統括と指揮、市災対本部、警察・消防、福祉機関などとの連携調整
副区長 →域内の情報収集と自主防災組織の連絡統制
会計 →情報の集約と整理、憂慮事案の対応履歴の記録及び経過報告
<区の救助・救護活動用備品類>[別紙]西泉田区の防災設備配置表を参照
防護用品(ヘルメット、ベッドライト、手袋、ゴーグル、防塵マスクなど)
救助用工具(バール、カッター、油圧ジャッキ、スコップ、投光器など)
救護用品(救急箱、担架、ブルーシート、組み立て式テントなど
(2) 市と協働して避難所の開設と運営を支援する
総務委員 →市の災対職員と協働して避難所の速やかな開設と円滑な運営を支援する
土木委員 →消防団と協働して危険個所などにおける避難誘導を支援する
環境委員 →避難所の環境班・物資班として環境整備と資材支援物資の管理を担う
5.避難所での長期間の生活は可能でしょうか(要配慮者などには困難かも知れません)
残念なことに以下の方々からは悲痛な思いをしたとの体験が多々報告されており多くの方が避難所で長い間の暮らしはとても無理だと思ったそうです
(1) 乳児や幼い子供がいる場合
(2) 妊婦がいる場合
(3) 認知症の高齢者・障がい者がいる場合
(4) ペットを飼っている場合
一時避難の後は可能なら自宅で「在宅避難」知人や親戚を頼る「縁故避難」や「ホテル避難」という選択もあり、家屋の被害想定や家族構成も考慮して適切な避難先を平常時からあらかじめ相談しておくと安心なようです
6.災害時の食の備え(どんな災害が起きたとしても)
指定避難所などにあらかじめ災害用の非常食や飲料水などが備蓄されているわけではありません、市は災害が起きてから、どこから、なにを、どうやって誰が搬送するのか考える計画でいます
自宅で最低3日程度分の備蓄が持続できる方法をご家族で相談してください
(1)「ローリングストック」で普段使いの食品や飲料水、消耗品を備える
① いつも食べる食材などを常に多めにストックしておく
② 期限の近いものから日常的に消費する
③ 使った分だけ買い足していく
(2)自宅用備品チェックリスト
東京備蓄ナビ https://www.bichiku.metro.tokyo.lg.jp/
一緒に住んでいる人の人数、性別と年代の「家族形態」戸建て・集合住宅のどちらに住んでいるか「居住形態」「ペット飼育の有無」に答えるだけで必要な備蓄品と各備蓄品の必要量が記載された「あなたのご家庭で必要な3日分の備蓄品リスト」を表示してくれます
(3)ポリ袋を使った「パッククッキング」をふだんから試しておこう
新潟県民なら日常使いのアイラップ(ポリ袋)は災害時にとても役立つ必須アイテムで、ポリ袋調理法とも呼ばれる「パッククッキング」は耐熱性のポリ袋にカットした材料を入れて調味料や水を入れて袋ごとボイルする調理方法で、炊飯器が無くとももカセットコンロとポリ袋で普通においしいご飯が炊けますしいろんな料理ができるそうです
災害時では水道を使えない状態になりますがパッククッキングなら洗い物が出ないため貴重な水を節約することができます。袋のままだと食べづらいという場合はポリ袋に入れたままお皿に載せるとよいそうです
にいがた県民だより「災害時の食の備え」 より
https://niigata-kenmindayori.com/no168/bousai/