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[ー閉ざされた世界ー]第16話

[東区アジト襲撃‼︎水口&火川VS岩谷&板屋]
(登場人物)
悪童の部下たち
水口氷牙(みずぐちひょうが)
火川剛(ひかわつよし)
岩谷赤也
板屋

場面:南区の端にある悪童の部下たちが屯してる場所。
柱の影からスゥーと板屋が覗き見ている。
覗き見ている目の前に部下の1人が歩いてくる。

板屋「お!丁度いいな…優しく聞いてみるか(シュンとその部下1の近くに現れる。)ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど……」
部下1「え⁈誰だ!」
板屋「(素早く首元に能力を付与した指を向ける)おっと…騒ぐなよって(奥の方から足音が聞こえる。)あら、」
部下3「どうした⁈」
部下2「どうしたんだ⁈え!」
部下1「侵入者だ
‼︎

奥からさらに現れて、板屋を囲み始める。一部が、能力を発動して迎撃態勢に入っている。

板屋「おっと…面倒になったな……仕方ねぇ(グッと力を入れ、背中付近から尻尾が生やす。)少しボコすが……(ボソッと)色々聞きたいから〜死ぬなよ。」

板屋は、部下1を尻尾で大衆に飛ばし凄まじいスピードで囲んでいた奴に当てる。
ほぼ全員気絶させた後、板屋の足元に倒れてた部下2に近づき。

板屋「さぁ、今まともに話せるのお前だけだから……荒谷がどこにいるか分かる?」
部下2「(動揺)え?……私には全く分からないんです……私たちのような部下勢にはそこまで教えてもらえないんでわからないんです…本当です!もし、分かっても部外者に教えたら……こ、殺されてしまいます。」
板屋「《何だ?怯えかたが本当っぽいな……それに目が嘘をついてるとは思えないな〜何ちゅう恐怖を植え付けんだよ。》(部下2に)分かった…俺も無益に殺生はしたくないから(周りの部下たちを見て)コイツら連れてどっか遠くに離れるなら見逃すよ。」
部下2「え⁈本当ですか?」
板屋「あ、(徐に反対に背を向け)俺は行かないといけない場所あるから…じゃあな。」
部下2「(板屋が少し離れた時)《あれ?これチャンスじゃね?背中ガラ空きだ!》」

部下2は、腕に能力を発動して板屋の背中を狙おうとする。

板屋「《ん⁈……はぁ〜やっぱ、そうなるか…》」
部下2「覚悟〜!(襲いかかる)」
板屋「(振り返らず)覚悟って…はぁ〜本当に無益に殺生はしたくないから少し尻尾でどつくな……えい!」

板屋の尻尾が、凄まじい勢いで部下2の身体に当たり部下2は、悶えながら倒れる。

部下2「が!ががが……」
板屋「(振り返らず)じゃあな!生きろよ〜」

板屋は、再び歩き始める。
色々時間が経ち、板屋が東区のアジト近くに来た。

板屋「ふぅ〜着いた……ん?アイツら…」

アジト付近に不審な二人組がいることに気づく。
板屋は、2人に友達かのように話しかける。

板屋「おぅ!お前らここに何か用か?」
水口「ん?何だアンタ……ここの者か?(手にはモリを持っている)」
火川「おっと…何だ(鉤爪を着けている。)」
板屋「何か穏やかじゃないね〜〜(他所を指差し)ちょっと良い?」
水口「(モリを向ける)ここで良いだろ。」
火川「そうだ、俺たちはここで良いぞ。」
板屋「ココには大切な人たちがいるから…怪我さしたくないんだよ。(少しだけ怒気を込めて)だから…面借せや。」

3人が一定の距離を保ちながら歩き始める。その3人を岩谷が追いかける。

岩谷「うん?板屋か…」

後を追いかける。
少しアジトから離れた空き地に入る。

板屋「さぁ、ここなら傷つく人も出ねぇから目一杯暴れられるぞ…で、お前ら南の人?」
水口「その通りだ…」
火川「幹部させてもらってんのよ。それと、(不適な表情で)餌が足りなくなるのは困るからな……東にいる…さっきの場所から連れて帰ろうかと思ったんだが…どう?」
板屋「(怒気を飛ばす)何言ってる…あそこにいる人たちは健やかに暮らしてるんだよ……邪魔すんな。」
火川「うわ!怖!じゃあ、お前を殺ってまたあそこに戻るとするか?」
水口「そうだな、(モリを構える)」
火川「ふぅ…(鉤爪を向ける)」

板屋が向き合っていると、2人の後ろから猛然と岩谷が走ってくる。

岩谷「おい、待てよ!1人に対して2人はフェアじゃないな。」
水口「あ!岩谷…」
火川「厄介」
板屋「岩さん…良いところに来たな……(火川を指差す)俺は、コイツとするから(水口を差す)そっちの奴は…」

岩谷「え?(水口を見る)良いぞ。」
板屋「そんじゃあ、(尻尾に力を入れる)始めようか?」

岩谷VS水口、板屋VS火川という構図になる。
最初に動いたのは、火川が鉤爪を牙のようにして突撃してくる。

板屋「(尻尾で防御態勢に)来い!」
火川「そんなんで防げるか⁈(突撃くる。)」

板屋は、軽く吹き飛ばされるが、尻尾の部分で器用に立て直した。

板屋「あっぶな!……じゃあ、次は俺だ……(懐から何かを取り出す)よっと、(2人の中心に投げた)」
火川「⁈煙玉か…」

2人の辺りだけ煙が立ち込める。
煙の中から板屋の声が聞こえる。

板屋「よいしょ‼︎(苦無のようなのを乱打し始める)」
火川「(避けながら)《苦無か…だが限界はあるはずだ》」
板屋「(投げ続ける)よいしょ!よいしょ!よいしょ〜」
火川「《煙が晴れてきている…晴れる前に場所を特定する。》ん⁈」

火川が、何かに気づく。
近くで、岩谷VS水口の戦いも始まっていた。
互いに、同じぐらい傷を受けながら睨み合う。

水口「(モリを構えながら)やりますね…さすがだ…じゃあ、能力発動…」
岩谷「ん?ふぅ〜……発動(身体から体毛が生え、姿が変わり息を整える)はぁ〜」
水口「それが…(モリを持つ手に力を込める)俺の力…試させてもらう。能力付与…(足に力が込もる)」
岩谷「《もう一つも発動したな…》(ポケットからメリケンを手に取り、指にはめる)来い…」

場面が、変わり板屋と火川になる。
板屋が、頭上いっぱいに苦無を火川の方向に向けて吊るされている。

火川「おいおい…何するつもりだ……こんなに用意してるとはな。」
板屋「(ニヤっとしながら)最終段階……付与!(苦無全てに力が入れた瞬間)行くぞーー蠍針大衆
‼︎(苦無の全てが火川に襲う。)」
火川「多すぎだろ…能力付与…ハイイログマのチカラ(腕が肥大化する)全部潰したるわ!(鉤爪を付けた肥大した腕をブン!ブン!と飛んでくる苦無を叩き落とす。)うりゃ!(大量にあった苦無が地面に落ち、ふと何かに気づく)ん?全部が苦無じゃない……能力か
⁉︎…あ!奴は…」

不意に板屋を探す火川の目の前にばっと現る。

板屋「へ!不意打ち…蠍固め‼︎(無数の触角が火川の身体に巻きつく形になる。)さぁ、お次は毒の注入…おっと!」
火川「舐めんな……離れろ…能力発動(肘から突起物を生やす)」
板屋「おっとやば!(ギリ避ける)」

双方が、少し離れる。火川は、さらに肘の突起物を太くなりさらに、身体が肥大化する。
それを見た板屋は、指先全部から毒針を生やした。

板屋「さぁ、かわしてみ…かわせるもんなら」
火川「(息を荒くしながら形態を変える)この姿は特別だ……噛み締めて…逝け!」

両者睨み合い、突然双方グンッと動きだし、互いの攻撃が当たる瞬間。

火川「うりゃ!《このまま腕を頭に叩きつけ怯んだ時に鉤爪でトドメじゃあ。》」
板屋「はぁ〜《こりゃ、互いに単純な攻撃したな……それに部が悪いたぶんこのまま突撃したらコイツの腕来るな…よし、かけるか》能力付与…毒盾!(シュルシュルとガードに使う腕に触角を巻き付け頭の上で構える。)」
火川「無駄だ!(片手を物凄い勢いで振り下ろしてくる。)」
2人「うぉぉ
‼︎(双方ぶつかり、火川が鉤爪が付いた腕で板屋を狙う)」
板屋「《…来た》よっしゃ!」

両者の攻撃が当たり、その場で止まる。

板屋「グゥ!(腹に攻撃の一部が刺さっている。)」
火川「ふふ…このまま引き抜いて終いに……ん⁈何だ身体が」
板屋「ラッキー…脇に…深めに刺さった!……それと!(腹に刺さった)この…鉤爪は離さねぇぞ!(鉤爪を付けてる手首付近を掴み、ボソッと)毒は、少しずつ注入されるぞ。」
火川「クソ…離れろ…《マズイ毒が…だがコイツも……この出血は……》」
板屋「ここから、耐久戦だ……どっちが先に…力尽きるかな!」
火川「くぅ〜!」

場面が、変わる。
水口の攻撃を腕でガードしている岩谷が、少し力を入れ足元全体をオオカミ化している。
それを、見て水口が少し離れモリを引いて迎撃態勢になる。

水口「ジュゴンの力…全開!(モリが少々太くなるそれを見て)はぁ〜この程度か……俺もまだまだだな。」
岩谷「うぅぅ!(いつでも飛びかかる勢いの様子)《ふぅ〜落ち着け(拳を構える)》」
水口「次は殺る。(モリを前に向けながら走り出す)」
岩谷「(拳を構えながら)……」
水口「おらぁ〜貰った(モリを突き刺す)よし!……あ⁈」
岩谷「(肩に突き刺さっている)…心臓狙いなら…外すことはできる…よいしょと(グッとモリを掴む)」
水口「ん⁈まずい…」
岩谷「このモリは離さねぇぞ!(握る拳に力を込める)剛力…一閃
‼︎(水口の腹にめり込ます勢いで入る。)」
水口「ぐ!……あぁぁ〜(その場に膝から崩れ去る)《あぁ〜腹の中身がグチャグチャだ…こりゃ、ダメだな……》」

岩谷は、モリをゆっくりと抜きとり傷口を押さえながら水口に近づく。

岩谷「はぁ〜……(寂しげに見つめる)」

岩谷は、板屋がいる方に歩き出す。
少し経ち、板屋がいる場所に着いた。

岩谷「板屋‼︎大丈夫か……え?」

岩谷が、言葉を失う光景が目の前に…板屋は、火川の身体から粒子が飛ぶなか息を整えながら耐え忍んでいた。

板屋「うん?(岩谷をチラッと見る)おぉ!良かった〜俺まだ生きてんな……でも、この出血はヤバいかもな。」
岩谷「(近づきながら)はは…喋んな、本当に死ぬぞ。」
板屋「(粒子に、飛ぶ火川を見ながら一言)俺の勝ちだ。」

岩谷が板屋の肩をとり、ゆっくりアジトまで歩き始める。


次回:17話[副将:黒川VS東&ヒロキ](前編)


「長くなり過ぎました。」

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