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[ー閉ざされた世界ー]第12話

[東区本部に謎の来襲者]
(登場人物)
明石新二
重村勘助(しげむらかんすけ)
木下基木
東俊明
岩谷赤也

場面:東区本部内(ミーティング室内)
岩谷が、じっと考え事をしている。

岩谷「《板屋の話を聞くに……西区は一部分荒れてるのか……まぁ、ひとまず南にいる黒川に協力を頼むか……(メモ帳をとりながら)さて、選抜は…》」

場面変更:西区内、明石の専用部屋
明石が精神統一をしている背後にスーーと現れる影が現れる、それに静かに気づき話しかける。

明石「どうしました……重村さん」
重村「ハハ…そんな丁寧に言わんで下さいな、あなた様は幹部ですから丁重に接するのは当たり前のことでごぜぇますよ。」
明石「ふん…で、どうしたんです?何かありましたか?」
重村「えぇ〜一つお聞きしたいことで、日野さんは東の方々とは戦争をするので?」
明石「知らんが……日野さんが一人で東に行って大将たちと話をしに行ったと噂だが…あちらさんとしたら宣戦布告とみなされるだろうと俺は思ってるが……」
重村「では…もし争いになる時は……あっしは影に潜み自由にさせていただきやす日野さんにも話は通しておりやす、何かごぜぇやしたら何なりと……」
明石「そうか…俺からは何もない…まぁ〜適当に…組織の理にある行動をしてくれ…ますか?」
重村「へい……分かりました……それじゃあ(スゥーと消える)」
明石「……」

明石の部屋を出て、外を歩いている重村

重村「東区…あの地区は何度か行ったことはある…場所ぐらいは……まぁ、死なない程度で1人でも戦力は無くしとかんとね…」

重村は、東区に歩いていく。
場面変更:東区本部裏口近辺
カチャと扉を木下が開け外に出てきた。(細鉄棒)

木下「(背伸びをする)ふぁー朝練するか…とその前に準備運動だな。」

木下は、鉄棒を上に上げ、体操し始める。
少し時間が経ち、木下が鉄棒をランベルのように持ちながら本部周りを回る。

木下「よし、まずは…ん〜50パー付与(力を込めると鉄棒が若干と重くなる。)よ、し!行くぞーー!」
重村「(物陰から)ん?あの兄ちゃん……ふふ、あの兄ちゃんにしてみるかね?」

木下は、半周終え立ちながら小休憩をしている。

木下「……はぁ〜もう少し走るか……(フワッと風が吹く)ん?風?…」
重村(声)「兄ちゃん……ちょっと良いかな?」
木下「誰だ⁈(鉄棒を構える)」
重村(声)「あっしは、話をしたいと思ってね……」
木下「話⁈…なら、姿を現したらどうよ?」
重村(声)「それは〜(長ドスを軽く振るう)」
木下「ん⁈……《やな予感…》」
重村「出来やせんね(振る)」

シュンと風を切る音とともに木下に襲う。

木下「(鉄棒で当たるであろう場所に)当たるか!」
重村(声)「このぐらいは、やってもらわねばねぇ……まぁ〜(スッと姿を現わす)自己紹介ぐらいは、しないとね……」
木下「(重村の姿を見て)爺さん…誰だ?」
重村「あっしかい?……あっしは日野殿にお世話になっとる者ですわ〜。」
木下「日野?まさか…西区の関係者か……何のようだ(警戒の表情をする)」
重村「そんな警戒せんで下さいな〜あなたには、1、2週間ほど寝ていてもらいやしょうと思いましてな…(長ドスをゆるりと構える)赤血の揺らぎ(長ドスを振るった瞬間血の塊が3つほどの刃となって木下を襲う。)」
木下「こんなもんまた(鉄棒を前に構えようとする)‼︎」
重村「(瞬時に木下の懐に入り込んで)ふふ…囮ですわ〜(刀を振るう)」
木下「な⁈……(鉄棒で応戦する)簡単にやられるか‼︎」
重村「(不気味な表情に)ほっほ…やりやすね……(シュンと姿が消える)」
木下「(態勢立て直しながら)え⁈…」
重村「(不気味な声で)いけねぇな〜」
木下「⁈」
重村「背中がガラ空きだね〜」

重村の長ドスが振るわれ、木下の背中に刀が振るわれる。

木下「ぐぅ‼︎(背中に刀傷を付けられ、膝から崩れる)」
重村「(木下を見て)その傷だとまだ…足りやせんかね〜(再び刀を振る)もう少し…与え…」
?「何してんだ⁈コラ〜‼︎」
重村「ほぅ〜これはいけねぇ〜〜」

遠くから東が走ってくる。(付与された小刀を構えながら)

東「(小刀を構えながら、後ろの木下に話しかける)基木…大丈夫か?(目の前の重村に敵意を向ける。)」
木下「東さん…」
東「ちょっとそこで待っとけ…(重村を敵意むき出しに見る)あんた何者だ⁈」
重村「おぉ〜〜これは部が悪い……(不気味な雰囲気に木下を見て)…まぁ、その傷なら……それじゃあ、あっしはドドンさせていただきやす(懐から煙玉を取り出す)」
東「あ⁈ま、」

重村は、煙の中に消えて行った。
東は、追いかけず木下の方を向く。

東「大丈夫か⁈……すぐに手当てをしよう。」
木下「す、すいません……」
東「岩さんにも話さないとな。」

木下は、東の肩を借りながらアジトの方まで歩いて行った。
場面変更:西区に向かっている重村の姿が映る。

重村「(ニヤケながら)これはこれは…どうなることか……」

重村は足音がなく走り去っていた。


次回:13話[東区本部に荘園の援軍]

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