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[ー閉ざされた世界ー]第10話

[両軍大将…会合・対立……]
(登場人物)
日野隆太郎
岩谷赤也
東俊明

場面:切り株の近く
辿り着いて2人が、それぞれ座りだす。
日野が、話しだす。

日野「腰を下ろしたところでさ、こっちから一つ提案ね……あんたんところの組織、俺の傘下に入らないか?」
岩谷「(座りながら)傘下だと……こちらも一つ聞きたい……アンタらの組織での理念は何だ?」
日野「あら?質問したのに逆に聞いた…まぁ、良いか……理念か…ふん!(軽く嘲る笑い)おっと失礼した…ウチの組合の理念は、弱ければ下に行き何も与えない・強ければ上へ行きそれ双方に色々と与えられる……さらに強ければ与えて貰いたいことを全て受けられる…どう?」
岩谷「(座りながら少々怒気を纏わせ)そんな差別を助長するような理念…認めるか!」
日野「認めるも何も…其方さんから質問されたから言ったんだが……差別何てしてないけど、このルールを作ったことで、いい感じに繁栄してるんだわ〜〜。」
岩谷「く!繁栄だと《待て!落ち着け
‼︎…ふぅ〜》」

岩谷が、落ち着きながら話をきりだす。

岩谷「ふぅ〜…話は変わるが、アンタらの誰かが東区に近づいていたと情報が入っているが、アンタは知ってるか?」
日野「あぁ〜〜知ってるよ…話は、聞いてるけど……それが、何か?」
岩谷「何か…だと⁈(拳に力が入るが、抑える。)ソイツが、こっちの地区に来たことでウチのメンバーや…権藤が……」
日野「あら?…やっぱ、犠牲者出てたのか話の通りだな。」
岩谷「(怒気が篭る)何…飄々としている。」
日野「おっと、怒気が…ただ、こちらもね〜その争いで幹部1人が、五体満足で帰ってはないだがね今は、車椅子生活だ…逆に、どうしてくれるんよ?」
岩谷「こっちは、亡くしてるんだ!そっちこそどうするんだよ。」
日野「どうしようもないな……(軽く考え)じゃあ、東区の半分貰おうか…それでチャラってことでどう?」
岩谷「(ガラッと怒気を纏わせ、立ち上がる)何がチャラだ!ふざけるな……(腕に力を込め、ゴリラの腕に変化する。)」
日野「(腕の変化を見て)ほぉ〜それが…へ!周りを見てみろ」
岩谷「は⁈(岩谷は、自分の周りに目をやる)え?何だ…これ⁈」

岩谷の目線の先には、糸のような細い何かが地面や壁や木に着いている状態。

岩谷「これは……(よく見る)蜘蛛の糸…」
日野「ここに着く前から少しずつ張っといてみたよ…心配はいらない…それ以上動かなければ……危害は加えないよ。」
岩谷「…そんな脅しで屈する……(ガバッと)訳ないだろ!(日野に向かう。)」
日野「へへ…そうでねぇとな……(指先で周りの糸に力を加える)四方の糸!」
岩谷「(向かいながら向かってくる糸を)《く!範囲が……》攻撃中止
‼︎(迫る糸を見て)ここ!(日野に向けていた拳を糸の方に向ける)ハァ‼︎(糸に穴が開く)」
日野「《へぇ〜〜》」

岩谷は、開いた穴に当たらないように外に出る。
それを見て日野は、残りの糸をスーと消す。

日野「ふぅーー岩谷さん……攻撃はそちらからしました……ちょっと力を見せるか(力を少し込める)」
岩谷「《何だ覇気が…》」
日野「(腕が肥大する)はぁ〜〜全部は見せられねぇから腕だけな。」
岩谷「能力は、やっぱり二つか…一つは、蜘蛛としてもう一つは…」
日野「(一瞬で岩谷の近くに寄る)一発貰っとけ!(拳を振おうとする)」
岩谷「あ⁈油断した!」
東「(シュンと間に入る)ウチらのリーダーに触れんな!誰かは知らねぇけど……(付与した小刀を構える)」
日野「あら?増援?……なら、お前で我慢しとくか
‼︎

日野の太い拳が東の付与した小刀に当たる。

東「ぐ!《重っ!でも、ここで引くか!》よっしょっとーー!(辛うじて日野の拳と引き分けるように押し返した。)」
日野「(力を通常に戻す)ふぅ〜押し返すとはやるね!」
東「はぁ⁈半分も出してねぇだろ!」
日野「……まぁ、良いや…今回はここで終わっとこうか?ただ、次からは狙いにくるから」
東「狙う⁈何、寝ぼけてんだ!」
日野「(何もなかったように背中を向け歩き始める)さて、帰るか。」
東「おい!待て」
岩谷「(東に)待て……(歩いている日野に向かって怒気を纏いながら)おい、もしこの区に手を出すようなら容赦はしない……。」

日野は、歩いているはずなのに凄まじい勢いで姿を消した。

東「もういない……アイツは」
岩谷「西区を支配している奴だ……日野隆太郎だ。」
東「西区かよ……。」

2人は、呆然と日野が歩いていった方を見ていた。
岩谷が、口を開く。

岩谷「帰るぞ……みんなに集まるように言ってくれ……」
東「分かった。」

2人は、アジトに歩いて行った。


次回:特別編[過去:日野隆太郎VS南区悪童傘下]

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