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[ー閉ざされた世界ー]《短編第1話》

[不思議な寺院]
(登場人物)
雲来(うんらい)
(子ども)アタル・タツヒコ・コハル
木下基木
川原ヒロキ
岩谷赤也

とある東区アジト内。
岩谷が、色々と考え事をしている。
そこに、基木が話しかける。

木下「岩さんどうした?珍しく神妙な表情して」
岩谷「珍しいって何だ!たまには……いいだろ。」
木下「どうしたんすか?」
岩谷「(最初に少し考えた後)基木ちょっと頼まれてくれない?」
木下「え?何すか?頼まれ事によっては、拒否権はありますか?」
岩谷「ん〜〜今んとこ無いかな〜」
木下「え……何ですか?頼み事って?」
岩谷「ん?聞いてくれるのか……じゃあ…この前板屋から東と南の間ぐらいに寺院みたいな場所があったと報告があってな。そこで、もしその寺院に人が住んでいたら挨拶ぐらいはしたくてな。」
木下「え⁈そこに俺に行ってくれと……挨拶なら岩さんが行った方が…」
岩谷「行きたいんだけどな…今、東も権藤さんも支部統合の為にアジト離れてるし…他の奴も今暫く出払ってるし、俺がここを離れるのもあれだし」
木下「それで俺が……」
岩谷「頼むよ……1人で行けとは言わないぜ…誰かと一緒に行っても良いぞ。」
木下「いや、おつかいじゃないんだから……分かりました(周りを見ながら)お!」
ヒロキ「(ふらっと)え?」
木下「(手招きしながら)ヒロキ!一緒に行くぞ!」
ヒロキ「え⁈どこに?」
木下「まぁ……来いよ」
ヒロキ「は…はい。《え?どこに行くの?》」

木下とヒロキは、アジトの入り口からスタスタと歩いていく。
その光景見て楽しそうに岩谷。

岩谷「気いつけな〜〜」

岩谷は、見届ける。
(場面が変わる)木下とヒロキが木下先導で歩いている。ヒロキが、話しかける。

ヒロキ「あ、あの〜〜基木さん……これからどこに向かってるんですか?」
木下「(歩きながら)ん?……あぁーーちょっとした調査と言っとくは」
ヒロキ「ちょ…調査?」
木下「(歩きながら)この辺り何だけどな?……お!ここだ(立ち止まる)」
ヒロキ「……え?!」
木下「不思議だろ?……ん?《奥から誰か…?》」

タタタっと2人走ってくる。
手には棒を持っている

アタル「お前ら!誰だ!」
タツヒコ「はぁ〜はぁ〜(息を整えて)だ、誰だ!」
木下「おぉ!……子供⁈」
ヒロキ「え?…ん?」

2人の2歩後ろにも1人いることに気づく。

コハル「……」
タツヒコ「コハル!奥に行って小さい子たちをお願い。」
コハル「え?…でも……」
アタル「大丈夫だ!(木下らを見て)2人ぐらいだったら」
コハル「わ、分かった……気をつけてね。」
木下「うへーーかっちょいいことを言って〜でも、俺たちそこまで怪しくないよ〜〜」
ヒロキ「(ボソッと)自分から言う」
アタル「(何かちょっと考えて)いや!怪しい
‼︎
木下「おっと……」
タツヒコ「アタル…どう攻める?」
アタル「(小声で)タツ!俺が行ったら……」
タツヒコ「いつもの感じね!」
アタル「そう!」

2人は、それぞれ構える。
その光景を見てヒロキが木下に話しかける。

ヒロキ「え⁈何か来そうですけど」
木下「ん?分かってる……今回は、調査で来たんだ……ヒロキ、あの子らが来ても絶対手出すなよ。」
ヒロキ「分かってます。」
アタル「(小声で)タツ!俺に続け〜
‼︎

アタルが、スタートを切る寸前、声がかかる。

?「待ちなさい。」
タツヒコ「え⁈」
アタル「え⁈……(声の方向に目をやる)」
2人「(それぞれ)和尚さん!」
ヒロキ「和尚?……」
木下「へぇ〜〜あの人が……代表さんぽいな。」
雲来「(アタルたちに)2人共矛を収めなさい。(木下らを見て)突然失礼致しました。(アタルたちに)この人たちは、たぶん大丈夫な人たちですよ…目を見れば分かります。」
アタル「ホント〜?」
タツヒコ「ホントですか?」
雲来「えぇ、(木下らの方見て)お客人さんどうぞお入り下さい。お茶でもお淹れ致します。」

2人は、恐る恐るではあるが、雲来たちの後を追いかけて中に入って行く。


次回:2話[来歓院]

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