[ー閉ざされた世界ー]第14話
[土居VS木下](後編)
(登場人物)
土居一
木下基木
黒川丈太郎
両者睨み合い、互いに次の迎撃が始まる。最初に動いたのは土居。
土居は、地中からグッと素早く近づき。
土居「ほら!面倒だからこの一発で終わらしてやるよ。(長い爪が木下に襲う。)」
木下「(攻撃をギリギリで避ける)こんなんで逝くか(手に持った鉄棒を)お前が、喰らっとけ。(鉄棒を真っ直ぐ当てる)オラ!」
土居「(同じ位にギリギリで避ける)こんな棒きれが当たるか!」
土居は、ザザザっと地中に潜り力を込める。
土居「ぐぉ〜…土積氾濫‼︎」
木下「おいおい!地面がグチャグチャになるじゃん。(鉄棒を地面に垂直に立てる)よいしょ!(鉄棒の先に器用に立つ。)」
土居「(再びグッと近づく)そんな不安定な場所にいたら為替ねぇだろ!(短刀を構えながら襲いだす。)」
木下「おっと〜!(さらに器用に鉄棒の近くに落ちながら手に持ち土居を迎撃しようとする)うりゃ‼︎」
互いの武器がぶつかり、互いに傷をつけながら間合いをとる。
木下「はぁ…お前やるね……」
土居「お前もな……名前何だ殺る前に聞いてやる。」
木下「それは……こっちの台詞だ…先に言えよ。」
土居「……ふん!俺は土居一だ。」
木下「土居一?ふ〜んそうかい……俺は、木下基木って者だ。名前だけでも覚えろ!」
土居「それは、こっちの台詞だ。」
2人の覇気が再び高まりだす。
木下が、鉄棒を構えながら土居に向かう。
土居は、勢いよく地面に潜りだす。
木下は、鉄棒で土居が潜った場所を力一杯ぶつける。
木下「(ぶつけた後、グッと力を込めた)ふぅ〜〜森の…震動‼︎……無理しねぇで出てこいや!」
地面が、揺れる。
土居「(地面の下から)この野郎!無茶苦茶揺らしやがって……そんじゃ、もう一ついくか……能力発動…」
木下「ん?何だ地面が……」
土居「蟻…地獄‼︎」
2人の近くで大きく地面が下に波打つ。
木下は、ズルズルと落ちていく。
木下「うぉ!何だ⁉︎」
土居「ふ…落ちてこい!捕食する。」
木下「ケッ…簡単にはやられねぇよ!(鉄棒を振りかぶる。)ういしょ〜〜!」
木下は、振りかぶった勢いで外に出る。
木下「危ねぇ〜。」
土居「俺の能力一つだけ教えてやるよ。これも、冥土の土産に教えてやるよ。」
木下「いや、いいよ。別に……」
土居「おい!一応聞いとけ!俺の能力は…ウスバカゲロウだ。」
木下「そうか…分かった。じゃあ、続きといくか!」
土居「なぁ…に……くぅ〜舐めるなよ。(地中から出る。)」
木下「うぉ!お前何だその姿⁈……その口に挟まれたらヤバそうだな。(木下は、グンッと近づこうとする)」
土居「おっと、真正面からは俺、行かねぇから。(地面にザザザっと潜り出す。)」
木下「あら、またかい。だったら……(鉄棒を振り上げ)深林曲芸‼」
木下側からモリモリと地面が土居に向かって襲いだす。
土居「ぐぉ!地面が盛り上がり過ぎだ。ん?あいつは?……まさか!(盛り上がった地面を見る)」
土居は、瞬時に気配を感じ構える。その瞬間木下が、ガッと現れる。
木下「よいしょ〜〜(鉄棒を構えながら)」
土居「く!(短刀を構える。)おりゃ!」
両者の武器がぶつかり、再び連撃が始まる。
両者共に傷をつけあう状況になっていく。
土居「くぅ!はぁ〜もう一発喰らえや!(短刀を振るう)」
木下「お前も、喰らえや。超至近距離版!深林曲芸‼︎(鉄棒を凄まじいスピードで土居に当てる。)」
土居「(攻撃を受けながら)くぅ!(身体がボロボロになっていく。)致命傷は避けるぞ。(スンスンと避け、少し離れる。)全能力解放‼︎」
木下「(手を止める)何だ⁉︎雰囲気が…」
力を込めている土居の姿が能力を半分ずつの姿になっている。
木下「おいおい…これは…すごい覇気だね。(持っている鉄棒に力を込める)ふぅ〜付与。」
土居が、攻撃態勢になった後、態勢のまま語りだす。
土居「俺は、ここでお前を沈め、荒谷さんの邪魔をする奴らを全員沈める……そして、あの人が作る世界で登りつめる姿を近くで見る。」
木下「何言ってんだ……能力を持たない人を犠牲にする世界に良いことあるか……ねぇよ!そういう人たちと一緒に楽しく過ごす方が良いじゃん。」
土居「遺言は…済んだか?もう終わろう……土積(地面が揺れる)龍‼︎(地面が波打ち蛇のようになって、木下に襲う。)」
木下「ふぅ〜話し合いは無理か……」
土居「(土積の中から)これは…かわせねぇよ‼︎」
土積龍が、木下を襲う。
木下は、手に持つ鉄棒に力を込める。
木下「…ん〜(土積を見ながら)奴の姿を確認しろ……無理か…どうするかな?」
土積が木下を襲い、それをトン!トン!と避けながら土居の姿を見つけようとする。
土居は、土積の中で狙いを定めて新たなことを始めようとする。
土居「足元に気をつけろ!最大火力…土積氾濫‼︎」
木下「おぉ!それもかい⁈……でも、少し気配を感じたぞ。(木下は鉄棒を使ってドロドロになった地面に垂直に立たせ回避し)よいしょ‼︎(頭上に飛び、鉄棒を力いっぱい振る)森の震動‼︎」
地面が揺れ、土積が少し切れ目ができその間から土居が現れる。(人獣化のまま)
再び対峙する。
土居「容赦なく揺らしやがって……(短刀を構えて)そろそろ終わらすか?」
木下「あぁ、そうだな。」
少しの沈黙の後、土居がスタートを切る。短刀構えながら木下の目の前に急接近する。
土居「土積龍牙‼︎(連撃を始めた)」
木下「(少し慌てながら)ここにきての新技かい⁈」
木下は、土居の連撃をかわしながら策を考えている。土居の連撃は、少しずつ木下の身体を削っているのは本人も分かっている。木下は、攻撃を受けながら何かに気づきだす。
木下「《ん?短刀だけじゃないな?……能力…土竜…‼︎……爪か》」
土居「《そろそろだな》(攻撃の手を一瞬止め、後ろに下がる)」
木下「お?《来るか。》(鉄棒を持つ手に力が込める。)」
土居「(気合いを入れる)土積龍牙‼︎(突撃してくる)」
木下「《来る!もし俺の考えが合っていたらあいつは……》その攻撃受けてたつ!(スッと身体を動かす)」
土居「おりゃあ〜」
土居の攻撃が木下の身体に突き刺さる。
木下「ぐぅ!(肩の部分に突き刺さった)くぅー短刀か…」
土居「はぁ?何だ……(短刀を抜こうとする)抜けないどういうことだ?」
木下「(手に持った鉄棒に力を込める)付与…」
土居「まずい……(短刀から手を離そうとする)」
木下「(鉄棒を振りかぶらず)逃がすか〜〜‼︎」
土居「あ!……うぉ〜〜(吹き飛ばされる壁にぶつかる。)ぐぁ‼︎」
木下「(振り終わり、肩に残った短刀をゆっくり抜く)ふぅ〜作戦成功かな…くそ!ちょっと深かったな。」
壁にぶつかった土居は、当たりどころが悪く動けなくなっていた。
土居「《クソ……駄目だ中身がグチャグチャだ…グフ!終わりか……すいません…荒谷…さん…あなたなら…》」
木下「(肩を押さえながら近づき、土居を見て)これは……(徐に短刀を近くに置く)返すよ…。(肩を押さえながら)ふぅ〜第2支部に行くかな?」
木下は、ゆっくりと歩きだす。その姿が見えなくなる。
木下が、いなくなってから数分後倒れ経験値の胞子が飛んで近くに黒川が歩いてくる。
黒川「あら?(軽く周り見てまた向き直し)…土居……すまねぇな遅くなってよ。(胞子が出ているのを見て)……でも、お前と殺りあった奴は勿体無いことしたな…(土居の近くにできた経験値の玉を拾う)こんな良いレベルの玉が手に入るチャンスだったのにな。……土居…お前の命は有効に使わせてもらうな。あ!お前が使ってた短刀…借りていいか?(短刀を拾い上げる)」
黒川は、少しその場から離れずにいたが、突如歩いていった。
続
次回:第15話[月山VS権藤]
「かなり長くなりました。
書いているうちにたまによく分かんなくなりましたが、想像しながらどうぞ。」
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