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[ー閉ざされた世界ー]第1話

「ここはどこですか?」
(登場人物)
ヒロキ
板屋
キジ男

ポクポク…と木魚の音が聞こえる室内。啜り泣く声が聞こえる。
来ている人が小声で口々に話している。

「若いのに…まだ二十代でしょ?」
「ホントね。」
「(遺影に向かって)ひろき……」
「(同じく遺影を見て)ひろき…」

来ている人が、悲しみに俯いている時に、すぅ〜とヒロキが歩いてくる。

ヒロキ「え?ここ……(遺影を見る)あぁ、俺の葬式か。」

ヒロキは、周りを見て自分の状況を数秒考え、パッと悟ったように。

ヒロキ「二十代か短けぇ………。」

また周りを見る。

ヒロキ「(両親に)ごめん……」

一言言った後、少し離れてまた周りを見渡そうとして後ろに下がると、急に下から吹いてきた風飛ばされる。

ヒロキ「うわ〜〜何だこの風〜〜」

ヒロキは、風に吹かれ上に飛ばされる。飛ばされながら最後に、両親を見る。

ヒロキ「…」

ヒロキは、空間が歪んだような場所をすごい勢いで飛んでいる。

ヒロキ「こんなスピードであの世って行くのか〜〜⁈」

ヒロキが、ものすごい勢いで飛んでいると、突然Gがかかり下に落ちる。

ヒロキ「うわ〜〜(心の声)え?落ちてる……俺地獄なのか?……地獄⁈」

ヒロキは、あまりのGに気を失う。
落ちてから時間が経つ。

ヒロキ「う〜〜ん……ん?あれ…(体を見て)何ともない…傷もない…ここ(周りを見渡し)…え⁈」

見慣れた風景だがどこか荒廃しているために困惑するヒロキ。

ヒロキ「俺死んだんだよな?…ここって」

ヒロキが、うろたえていると目の前に人が歩いてくる。

男「(不気味な感じ)うぅ〜〜エサ発っ見〜〜」

男の身体に羽毛が生え、足が鳥のようになる。

ヒロキ「え⁈何?……鳥⁈」
キジ男「ウギャー」

男が襲いかかってくる。

ヒロキ「え⁈ヤバ!」

ヒロキは廃屋の影に隠れる。男が探す

キジ男「どこだ?素直に出てきたら殺さないでやるぞ。」
ヒロキ「いやいや…嘘だろ…よ……どうする?」

ヒロキが隠れていると、キジ男がヌンと首だけが出てきた。

ヒロキ「うわぁ‼︎(うろたえて出てきて走りだす。)」
キジ男「おいおい…待てよ〜〜そろそろ往生生」

キジ男が、距離を詰めにかかった瞬間、声が聞こえる。

板屋「おいおい……止めろコラ‼︎
キジ男「誰だ⁈……お前。」

板屋が凄まじいスピードでキジ男の首筋に針のようなモノを刺す。

キジ男「グゥ‼︎(苦しみ倒れ悶える)」
板屋「刺した毒は時期に身体全体に行き渡るだろうな〜(平然と言う)」
キジ男「グギ!グゥ………」
(苦悶表情で人間の姿になり絶命した。)

妙な沈黙が流れた後、板屋がヒロキのところに歩み寄る。

板屋「君…ここは初めてだよな?……まぁ〜初めてだろうけど。」
ヒロキ「え?はい…ここはあの世ですか?」
板屋「あの世かは知らないが、この世界は生半可な気持ちでいたら一瞬でその存在自体が消える。」
ヒロキ「消える?どういう……さっきのキジのやつは一体何です…あ…」
板屋「(朽ち始めているキジの男の近くにより)こいつどんだけレベル溜めたんだ。(身体に何かが入り込む)」

板屋が、再びヒロキに向き直す。

板屋「君?何か能力あるのか?」
ヒロキ「能力?えっとどういうことですか?」
板屋「(少し考え)まぁ、ここらは少し危ないから知り合いのアジトまで行くか。」
ヒロキ「え……はい分かりました。」

二人は、歩き始める。
ヒロキは、心の内で

ヒロキ「この世界他にもいるのか……能力って?………分っかんねぇ〜……この世界は何だ?」


次回:第2話[猫(イリオモテ)VS熊(ツキノワ)]

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