「勝海舟は名プロデューサー」と4月5日の日記
最近仕事中は「西寺郷太 GOTOWN Podcast Club」を聴いています。最近お気に入りなのはゲストが松尾潔さんの回。
松尾潔さんはExileの「LOVERS AGAIN」、CHEMISTRYの「PIECES OF A DREAMS」、平井堅の「楽園」「KISS OF LIFE」といった楽曲のプロデュースで知られているだけでなく、SPEED、MISIA、宇多田ヒカルといった人たちのデビューを影から支えたと言われている。
松尾さんは元々ブラックミュージックに関する記事を書くライターで、濃厚なライナーノーツを書くことで知られていた。そんな松尾さんは久保田利伸さんに誘われたのがきっかけで、徐々に作品制作の現場に関わるようになり、ビッグヒットを連発するプロデューサーになった。
松尾さんの話で特に印象に残ったのは、徹底して「Stay at Shadow」であるということ。今でこそ作品が有名になったので、広く名前が知られるようになったが、一貫して作品至上主義を貫いているプロデューサーだ。
松尾さんは過去の作品で自分のクレジットが残っている作品もあるが、作詞のクレジットがある楽曲もペンネームが多く、編曲に携わっていると思われる楽曲でも、クレジットが残っていない曲が多い。これは、松尾さんが敬愛するクインシー・ジョーンズ(マイケル・ジャクソンのプロデューサーとして有名)のように、自分で演奏しなくても、スタッフを集め、スタッフが力を発揮しやすい座組を作る。プロデューサーの役割は環境づくりであることを教えてくれるプロデューサーだ。
僕はプロデューサーの話が好きだ。スタジオジブリの鈴木敏夫さん、松尾潔さん、小林武史さん、松任谷正隆さん、中田ヤスタカさん、川村元気さん、武部聡志さん、大森昭男さん、などなど。主役が輝く場所を作るプロデューサーから聞いた話を仕事に活かしてきたし、noteに書いてきた。
僕がプロデューサーのことを考えるときに思い出すのは、お世話になっている博報堂DYメディア研究所の森永真弓さんが教えてくれた話だ。
以前森永さんは、明治維新を成し遂げた偉人にたとえて、こんなことを語っていたことがある。
多くの人は革命を主導した坂本龍馬や西郷隆盛になりたがるが、自分の年齢を考えると坂本龍馬や西郷隆盛が自分の役割ではない。自分がやるべきは、坂本龍馬や西郷隆盛が革命を成し遂げようとしたとき、潔く江戸城を明け渡した勝海舟の役割だ
そう考えると、勝海舟という人は、偉大なプロデューサーだったんだなと思うのです。
ここからは今日の日記を書いています。
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