#パラリンピック 4日目 ボールマンがすべてじゃない #TOKYO2020
連日車椅子バスケットボールと車椅子ラグビーを観ていて、あることに気がつきました。それは「ボールを持っていない選手の役割が明確であり、ちゃんとチーム内でリスペクトされている」ということです。
車椅子バスケットボールを例に説明させて頂くと、車椅子バスケットボールではポイント制といって、チームで持ち点が決まっています。選手は障がいの度合いによって持ち点が定められており、コート内の選手の持ち点は14点以内にするというルールになっています。障がいの大きな人ほど持ち点が低く、障がいが小さな人ほど持ち点が大きい、ということになります。この持ち点制を上手く活かしながら起用する選手を調整していくのも、車椅子バスケットボールや車椅子ラグビーの醍醐味というわけです。
車いすバスケットボールを観ていると、「ローポインター」と呼ばれる選手がいかに重要な役割を担っているかよく分かります。ボールを持っている選手や、シュートを打つ選手にばかり注目があつまりがちですが、車いすバスケでシュートを打つためには、味方にシュートを打ちやすいスペースを作る必要があります。そのスペースを作るためにローポインターの選手が車椅子を巧みに操って相手選手をブロックしたり、スクリーンをかけてフリーの選手を作るように工夫しているのです。
バスケットボールはスペースをいかに作って、いかに活用するかというスポーツだと思っているのですが、車椅子バスケットボールでスペースを活用するためにローポインターと呼ばれている選手がどれだけ奮闘しているかが分かって、僕は車椅子バスケットボールが楽しくなりました。車椅子ラグビーも同様です。
面白いなと思ったのは、バスケットボールでもラグビーでも、スペースを作るために汗を流すのは大柄な選手の役割なのですが、車椅子バスケットボールや車椅子ラグビーでは小柄なローポインターが担うことが多いこと。こういう似ているようで異なる点をみつけると、よりスポーツ観戦は楽しくなりますし、普段分析しているサッカーに活かせるポイントはないかと考えたりします。
球技を観ているとボールマンの動きにばかり注目してしまいますが、ボールマンがすべてではありません。目立たぬ縁の下の力持ちにも注目です。